■「チームラボアイランド 学ぶ!未来の遊園地」は未来の教育の形!?
参考画像:A Table where Little People Live β.Ver / 小人が住まうテーブル β.Ver|YouTubeスクリーンショット
2016年7月2日(土)〜2016年7月31日(日)の期間中にボートレース大村(長崎県)で開催中のチームラボアイランド学ぶ!未来の遊園地に行ってきました。
魚の輪郭が描かれたぬりえ用紙に自由に色を塗ったり模様を描いたりして、オリジナルの生き物を創ることができます。
自分で色を塗った生き物が泳いでいる姿やエサ袋に触れて、子どもたちは楽しんでいるようでした。
Create! Hopscotch for Geniuses / つくる!僕の天才ケンケンパ
体験者は他の参加者のために、どんなコースになったら面白いか、難易度はどうかなど、創造性を駆使してコースを作り、実際に遊んでもらいます。そしてお互いに、世界やルールは自分で作れるという体験、発見をします。
今回体験した時には、自分でコースを作るという作業を行えなかったので、この楽しみ方はわかりませんでした。
Light Ball Orchestra / 光のボールでオーケストラ
叩くと、色が変わったり音が鳴ったりする、光のボールによるオーケストラ場です。
光のボールを叩いたり、動かすと、色が変わったり音がなったりします。
大きいボールは他のボールと連動しているため、一つを叩くと、周囲のボールも全部色が変わり、空間全体の色が変わります。
光と音が連動して、新しい感覚が味わえます。
A Table where Little People Live β.Ver / 小人が住まうテーブル β.Ver
テーブルの上に手を置いたり物を置いたりすると、小人は気付いて、飛び乗って来ます。
テーブルの上に置く物の形や色で、小人のアクションは変わります。
テーブルの上に物を置くと、小人の動きが変わるのが面白いです。
物を置けば置くほど、小人の動きは複雑化しているように感じ、まるでそのもので小人が遊んでいるような印象さえ受けます。
Story of the Time when Gods were Everywhere / まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり
物語の世界の裏側には、360度広がる空間があり、文字から生まれたものたちは、空間上のそれぞれの位置や、それぞれが持つ特性や関係性物理的な影響などによって、互いに影響を受け合いながら、そして、鑑賞者の位置やふるまいにも、影響を受けながら、空間上でリアルタイムに計算されて動いたり変化したりしていき、物語を創っていきます。
画面の上から象形文字が降りてきて、その文字に触れると、その文字のもととなるモノに変わります。
そして、そのモノはそのもの同士や鑑賞者の位置・動きに影響を受け、二度と同じものは見ることはできない唯一のアートとなります。
■まとめ
猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第6回「もう一つの“体育”で、『身体的知』(身体を固定しない“知性”)を鍛えたい」
(2016/3/1、ほぼ日刊惑星開発委員会)
これまでの学校や知的な訓練って、身体を固定して、もっと具体的に言えば椅子に座って働かせる知性なんだと思うんだよ。
<中略>
「図書室は静かに」というじゃない。この言葉に象徴されるように、従来の知性というのは、まさに美術館でパースペクティブのある絵画を見るときのように身体を固定して、他者も意識していなくて、インプットの情報量がほとんどない中で大脳をフル回転させる知性なんだよね。そもそも文章や記号というもの自体が、情報量としてはバイト数のほとんどないものだしね。でもさ、一方でたとえば、「IQよりも社会性のほうが社会的成功には関連性がある」みたいな主張の論文なんかがあるんだよ。
それって、「社会性」がバズワードになっているだけで、要は椅子に座っていなくて、図書館みたいな特殊な状況ではない――外部からのインプット情報が極めて多くて、目も耳も感覚を全て使っているような――状態での、人間の能力のことなんじゃないかな。
今回体験してみて感じたのは、『身体的知』の話です。
猪子寿之さんの考え方を自分なりに解釈すれば、次のようになります。
従来の知性というのは、身体を固定して働かせる知性が重視されていましたが、その状態というのは、自分自身が固定されていた状態で、相手も意識していない状態のため、インプットされる情報量が限られています。
『身体的知』(身体を固定しない知性)というのは、自ら移動しながら(身体が固定されておらず)、相手を意識した状態であるため、そこには五感をフルに働かせたことでおびただしい量のデータのインプットが得られます。
今回体験した「チームラボアイランド 学ぶ!未来の遊園地」ではこの考えを実際のモノとして表現したもののように感じました。
ものがどのようにしたら変化をするのか、お互いがどのように影響しあうのかなどを遊ぶように体験する中で自然と学んでいくことができる、アートでありながら、いろんなことを学ぶことができる新しい形の教育のように感じました。
#新しい教室
教室が”先生が生徒を教える場”ではなく、”生徒が自ら能動的に知りたいことを学び、それを先生が手助けする場”に変えていく必要があるのかもしれない。#ClassDojohttps://t.co/kYWzaxWuiohttps://t.co/o5Rpkxxxs9— ハクライドウ (@hakuraidou) 2017年11月6日
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