競争から共創へ|「#プレミアムフライデー」よりも1日6時間労働によってもたらされる可能性




■競争から共創へ|「#プレミアムフライデー」よりも1日6時間労働によってもたらされる可能性

Google Visit

by More Visibility(画像:Creative Commons)

月末の金曜は午後3時退社 個人消費喚起へ「プレミアムフライデー」構想

(2016/8/13、Sankei Biz)

個人消費を喚起するため、政府や経済界が月末の金曜日の午後3時に退庁・退社し、夕方を買い物や旅行などに充てる「プレミアムフライデー」構想を検討していることが12日、分かった。

プレミアムフライデーの目的は個人消費の喚起のようですが、実際に増えるのかどうか気になるところです。

ところで、そもそも労働時間というのはどれくらいが適切なのでしょうか?

そう考えたのは、zozo townで有名なスタートトゥデイ社が1日6時間労働に取り組んでいるという話を見たからです。

働くなんて「余暇活動」でいい ボーナスは同じ スタートトゥデイ社長の前沢友作氏が語る(下)

(2016/4/14、NIKKEI STYLE)

1日6時間労働を掲げたことで会社はどのように変わったのでしょうか?

午後3時には仕事を終えて帰ってもいい会社があった。【企業インタビュー:スタートトゥデイ編】

(2013/8/2、ダイヤモンド社)

例えば、小さな子どもがいる人は3時の終業後に子どもをお迎えに行けます。夫婦で一緒に夕食の献立を考えながら買い物をする人もいる。習い事を始めた人、読書や勉強の時間に充てる人、さまざまですが、社内では大好評です。

先ほど紹介したプレミアムフライデーでも目的が達成されているように思えます。

どのような発想から1日6時間労働を考えたのでしょうか?

時間に余裕が生まれると、心と体にも余裕が生まれます。精神的、体力的な余裕は、経験や知識の増大にもつながります。より仕事ができる人に育っていくということです。時間がなければ読書もできません。家族とのコミュニケーションもできない。遊ぶ時間がなくなり、どんどんキャパシティがなくなっていく。結果、職場に戻っても、いいアイディアやあたらしいものは生まれません。

一つは、人間の集中力というのは8時間も持つわけではないということ、もう一つは、時間の余裕が心と体の余裕をもたらすということ。

それによって、会社によりよいアイデアがもたらされるということが元々の発想のようです。

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

また、集中力を維持するには、脳ではなく「いい姿勢」と「筋力」が重要!?で紹介した池谷裕二さんによれば、脳と集中力には関係がないそうで、むしろ、集中力は姿勢と筋力が密接に関係があるそうです。

集中力を持続するには、脳を鍛えることを考えるのではなくて、姿勢を維持するための筋力を鍛えることが重要なのだそうですが、労働時間が長くなればなるほど、集中力を維持するための筋力が疲れてしまい、集中力が落ち、パフォーマンスが低下することが考えられます。

では、どのようにして6時間労働を実現させたのでしょうか?

6時間労働を実現するために、効率化を図ることと集中するという2大テーマを掲げました。無駄な仕事を排除する。

「無駄な仕事を排除する」というのはシンプルな答えですが、自分のやっている仕事がいかに重要であるかを見せるために、体裁を整えすぎるというのはよくあることだと思います。

そこで、会議で使う資料に関して、シンプルなものを要求し、自分の口で説明できるようにするようにしたことで、会議の時間を短縮することができたそうです。

このようにして、無駄なものを排除していっているそうです。

労働時間を減らした方が作業効率が上がる。スウェーデンで一日6時間労働が実験的に導入され効果を上げる

(2016/8/16、カラパイア)

 「労働時間を短縮すれば雇用を増やす必要があると考えていましたが、全員の効率が上がったためにそうはなりませんでした」とストックホルムのインターネット関連スタートアップのマリア・ブラスさん。彼女によれば、労働時間が短いので、時間内に仕事を片付ける方法を日頃から考えるようになっているのだとか。無駄なメールや会議で人の足を引っ張ることはない。同社は20名の従業員を抱え、毎年利益が倍増している。

ヨーロッパ最大級の病院であるゴセンバーグのサールグレンスカ大学病院でも、極度の疲労や高い欠勤率の対策として同様のアプローチを試した。昨年、89名が所属する整形外科の看護師と医師の勤務時間を1日6時間に変更。これを補填するために15名のスタッフを新規に雇用し、診療時間も延長した。その結果、月に1,200万円ほどコストが増えたが、病欠はほぼなくなり、作業効率も向上している。

スウェーデンのある企業では、労働時間を短くしたことによって、仕事を時間内にかたづける方法をいつも考えるようになり、また、無駄がなくなったそうで、また、ある病院では、労働時間を短くしたことによって、病欠がほぼなくなり、作業効率も向上したそうです。

1日6時間労働の良い面だけを紹介してきましたが、1日7時間労働を義務化しているフランスでは企業による反対もあるようです。

労働時間を減らした方が作業効率が上がる。スウェーデンで一日6時間労働が実験的に導入され効果を上げる

(2016/8/16、カラパイア)

同国では社会主義系政府によって2000年から35時間勤務(1日7時間労働)が義務化された。企業側はそれによって競争力が削がれ、雇用や社会的費用などに関する厖大なコストが発生したと主張。

この考え方の背景にあるのは、労働時間の長さで競争に勝とうとする考えがあるのだと思います。

しかし、今新しく生まれているのは、「競争」から「共創」へという考え方です。

「共創」という言葉は、チームラボの猪子寿之さんがコメントした言葉で、誰かと競い合うことではなく、共に創り上げていくことで、新しいものを生み出していくという言葉だと認識しています。

天才でもない限り、自分ひとりでできることは限られていて、誰かに助けてもらったり、誰かを助けたりしなければ、物事を成し遂げるのは難しいと思います。

DMM社長に就任する片桐孝憲さんのインタビューも考えが近いように思えます。

ピクシブ代表取締役社長・片桐孝憲「個人最強時代だからこそ、チームで生み出して、個人で作れないようなすごいものを作る」

(2014/2/14、現代ビジネス)

インターネットの発展によって、制作クオリティも上がったし、発表も簡単になり、個人のものづくりにおいては最高の時代に突入しました。この個人クリエイター最強時代において、会社としてどう生き残っていくかと言えば、チームでものを生み出して、個人では作れないものを作るしかない。例えばサグラダファミリアのようなもの、ハリウッド映画のようなものを作る。各分野の専門家が集まって、一つの作品を作り上げるんです。

ところで、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式での有名なスピーチに「Stay hungry. Stay foolish. 」というフレーズがあります。

スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版

私はこれを今までオリジナルだと思っていました。

しかし、このフレーズは、スチュアート・ブランドさんが作った本「WHOLE EARTH CATALOG(全地球カタログ)」(1968-71)の裏表紙に書かれていた言葉だったそうです。

Stay hungry. Stay foolish.

by Traci Lawson(画像:Creative Commons)

待ち受けになぜ「地球」 iPhone生んだジョブズの哲学

(2013/11/8、日本経済新聞)

どんなにクリエイティブにあふれる人であっても、一人ですべてを生み出すことはできず、いろんなもの・人からインスピレーションを得ていることを示すよい例だと思います。

競争しないと成長しないという人もいると思いますが、本当にそうなのでしょうか。

競争が、ただの足の引っ張り合いになってしまい、成長どころか後退していることもあるでしょう。

競争とは、切磋琢磨しあうことであって、相手の価値を下げることで、勝つことではないはずです。

だからこそ、新しく「共創」という言葉が必要なのだと思います。

【関連記事】

プレミアムフライデーの考え方の背景にあるものが、個人消費の喚起ではなく、共創のためであれば、より応援する人が増えるのではないでしょうか。







【関連記事】

P.S.

ただ、オリンピックを目指すアスリートにはこの考え方が当てはまるのかどうか、気になっています。

シンクロ銅に導いた井村雅代コーチのスパルタ言葉学

(2015/7/28、日刊スポーツ)

(1)軍隊式練習 1月から今大会まで約200日の間で合宿は143日。1日の平均練習時間は12時間以上。朝7時30分から午後1時30分、同2時30分から同6時30分、同8時から同10時30分。その後は個別でケアなどを行う。井村HCは「練習以外に自らを支えるものはない。16日間の合宿なら休みは1日」。

練習時間こそが自分を精神的にも支えるものになるという考え方ですね。

体作りから始め、平均5%の体脂肪率減に成功。厳しい練習に、3月には12人の中で2人が離脱。それでも手は緩めない。「あなたたちはメダルなしに慣れているかもしれないけど、わたしはプライドに懸けても許せない」と言った。

 現代は硬軟織り交ぜた指導が主流で、スパルタ式は時代に逆行している。日本水連内にも批判の声は根強いが、それでも自己流を崩さない。「追い詰める指導者は少なくないが、時には緩ませるでしょう。わたしは行きっぱなしだから、きついとは思う」。選手の足は筋肉質で、鉛筆の芯のように細くなった。ロシアのようなスピードと高さのある足技も可能となった。

この指導法にも批判があるそうですが、肉体的にも精神的にも鍛えられて、結果を残してきているコーチなのでできるのでしょうね。

果たしてどのようなコーチングがふさわしいのか?

やはりオリンピックを目指すアスリートと普通の人のコーチングとは違うものなのか?

考えるとよいような気がします。