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■大気汚染物質がアトピー性皮膚炎のかゆみの症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大
参考画像:大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明‐痒みの制御をターゲットとした新規治療法開発の可能性‐(2016/11/15、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット
大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明‐痒みの制御をターゲットとした新規治療法開発の可能性‐
(2016/11/15、東北大学プレスリリース)
今回の成果により、大気汚染物質が転写因子AhRを活性化させることで神経栄養因子arteminを発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰に痒みを感じやすい状態を作り出すことがわかりました。過剰な痒みにより皮膚を掻いてしまうことで皮膚バリアが破壊され、皮膚から多くの抗原が侵入してアレルギー性皮膚炎を引き起こすと考えられます。本研究の結果は、これまでアトピー性皮膚炎の治療に対症療法的に使われてきたステロイド剤などに加えて、AhRの活性を抑える化合物や、arteminの働きを抑える物質をアトピー性皮膚炎の治療薬として利用できる可能性を示しています。
東北大学大学院医学系研究科の日高高徳医員、小林枝里助教、山本雅之教授らは、大気汚染物質が転写因子(DNAに結合して遺伝子の発現を制御するタンパク質のこと)AhRを活性化させることによって、神経栄養因子(神経の生存や成長、分化を促すタンパク質のこと)artemin(アルテミン)を発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰にかゆみを感じやすい状態を作り出すというアトピー性皮膚炎の諸症状を引き起こすメカニズムの一部を解明したそうです。
今後は、AhRの活性やarteminの働きを抑える物質を見つけることによって、アトピー性皮膚炎の痒みをターゲットとした新しい治療薬の開発が期待されます。
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