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■「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギに
参考画像:「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ(2017/4/13、東北大学)|スクリーンショット
「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ-腸内細菌叢は腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を持つ –
(2017/4/13、東北大学)
今回の成果から、腸内細菌叢は尿毒素の産生という腎臓病にとって負の影響を有している一方、短鎖脂肪酸産生やアミノ酸代謝といった有益な作用を担っており、その結果、腸内細菌叢がいない状態では腎臓病がより悪化しやすいといことが分かりました。
このことは、腸内細菌叢は腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性の役割を有しており、腸内細菌叢のバランスの制御が慢性腎臓病の進展予防に重要であることを示唆するものです(図4)。
さらに、同様に腸内細菌叢によって産生され動脈硬化の原因になるトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)注 5 は、腸内細菌叢由来に加えて食事成分由来の TMAO も腎不全時に体内蓄積することが明らかになりました(図 2)。
トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO):食事中の肉などに含まれるカルニチンやコリンを材料として腸内細菌叢の代謝によって体内で産生される物質です。TMAO の蓄積は動脈硬化や心筋梗塞などの血栓症の原因の一つであることが近年報告されており、世界的に注目されています。
東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と三島英換医学部助教、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らのグループによる研究によれば、腸内細菌叢が腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を有しており、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であると考えられるそうです。
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■まとめ
慢性腎臓病の病態においては、腸内細菌叢の変化や腸管壁の性状変化など腸内環境の変化が報告されており、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしているという「腸腎連関」の存在が近年明らかになりつつあります。
腸と脳は自律神経系を通じて双方向の情報伝達を行いながら、生体機能の恒常性を保っており、このメカニズムを「脳腸相関」といいます。
例えば、セロトニンの97〜98%は消化管の中にあるそうで、腸のセロトニンはストレスがかかると働きが活発になり、そのことによって、内臓の知覚過敏と消化管の運動異常を引き起こし、内臓の知覚過敏からは腹痛や腹部膨満感、運動異常からは便秘や下痢などの便通異常(過敏性腸症候群)が起こってしまいます。
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今回のプレスリリースによれば、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしあっているそうです。
以前マウスの実験によれば、便秘症の治療薬に慢性腎臓病の進行を抑える効果があり、腎臓病で蓄積する尿毒素の産生に腸内細菌叢が関わっていることを紹介しましたが、今回の研究はそのことを裏付ける研究となりそうです。
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腸内環境を整えることがストレスや腎臓病から身を守るためにも重要ということになっていきそうですね。
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