> ダイエット > 体内時計とダイエットの関係|エネルギー摂取量が減少しているのに肥満者数が増加している理由には「体内時計」が関係?|#たけしの家庭の医学
2010年5月25日放送のたけしのみんなの家庭の医学では「体内時計」を特集。
解説 香川靖雄教授(女子栄養大学副学長医学博士)
【目次】
- 体内時計とダイエットの関係|エネルギー摂取量が減少しているのに肥満者数が増加している理由には「体内時計」が関係?
- 低カロリーなのにコレステロール値を悪化させた本当の原因とは?
- 体内時計とは
- 時間遺伝子とは
- 【補足】起床時にはアミノ酸が不足の状態
- 夕食の時間
- 食習慣と体内時計が合わないとどうなるのか?
■体内時計とダイエットの関係|エネルギー摂取量が減少しているのに肥満者数が増加している理由には「体内時計」が関係?
by Makia Minich(画像:Creative Commons)
日本人のエネルギー摂取量の推移(厚生労働省 国民健康・栄養調査結果の概要)によれば、餓死者も出た昭和21年1903kcalに比べて平成20年1867kcalの方が低い。
しかし、日本人男性の肥満率は増加している。
このエネルギー摂取量が減少しているにも関わらず、肥満者数(男性)が増加しているという謎を解く鍵こそ「体内時計」にあるそうです。
時間栄養学とは、体内時計を利用し、食事の摂り方や摂る時間等を実践する最新科学。
■低カロリーなのにコレステロール値を悪化させた本当の原因とは?
栄養クリニックが改善したのは2点。
1 食事の内容
2 食事の時間
■体内時計とは
体内時計とは、体の中にある24時間時計というべきもので、睡眠・血圧・体温のリズムを司っている。
■時間遺伝子とは
体内時計の正体は、遺伝子に組み込まれている。
時計遺伝子とは、体内の様々な臓器の細胞に存在している遺伝子のことで、時間を刻んでいる遺伝子です。
時計遺伝子には、1日24時間を計る仕組みがある。
まず時計遺伝子は細胞内にたんぱく質を分泌させる指令を出す。
このたんぱく質が砂時計でいう砂であり、細胞にたんぱく質がいっぱいになるまでに約12時間かかる。
次に、時計遺伝子は、細胞内にたんぱく質を減らす指令を出す。
再び、たんぱく質が細胞からなくなるまでにおよそ12時間かかる。
このように1周が約24時間となり、その人の生活習慣に合わせて、様々なリズムをコントロールしている。
そして、この時計遺伝子によって、理想的な食事時間も決まっている。
朝食の時間と夕食の時間は起床時間で決まる。
理想的な1日のリズムは、7時起床の場合は、起床から2時間以内に朝食、起床から10時から12時間の間に夕食を摂るのが理想。
起床時間がずれれば、食事時間もずれる。
時計遺伝子が一日ごとにリセットされ、また新たに時計の針を動かしている。
体の場所によってリセット方法が違う。
脳:朝日がリセット方法
朝日を浴びることで脳のリズムがスタート
内臓:朝食がリセット方法
※内臓の時計遺伝子をリセットするには、たんぱく質が必要。
朝食にタンパク質を取ることで、その刺激が小腸に到達し、小腸の時計遺伝子を動かす。
すると、その信号が胃や肝臓にも伝わり、エネルギー代謝がはじまる。
そのため、タンパク質の少ない朝食の場合は、時計遺伝子はリセットされず、内臓の機能も低下したままになります。
すると、すでに活性化している脳が、栄養分が入っていないことを感知し、体が飢餓状態にあると判断します。
そのような状態で昼食をとると、飢餓状態に対応するため、体内に脂肪をため込む機能がスタート。
脂肪がエネルギーとして消費されず、コレステロール量が増加してしまう。
【補足】起床時にはアミノ酸が不足の状態
(2018/5/1、日経ウーマンオンライン)
「筋肉は常につくり替えられているので、筋肉が再合成されるとき、材料となるアミノ酸が不足しないことが重要。1日のうち最も空腹時間が長い起床時は、このアミノ酸が不足の状態。朝食でたんぱく質をとることは、筋肉の維持にもつながる」(藤田教授)。
「同じ運動をしても朝食時にたんぱく質が不足していると筋肉の肥大率が低く、足りていると筋肥大率が高いということがわかっている」(藤田教授)。
藤田聡教授(立命館大学スポーツ健康科学部)によれば、起床時にはアミノ酸が不足の状態であるため、ダイエットをするためにも、筋肉維持のためにも朝食にたんぱく質を摂ることが大事なのだそうです。
【参考リンク】
- Ishikawa-Takata K, Takimoto H. Current protein and amino acid intakes among Japanese people: Analysis of the 2012 National Health and Nutrition Survey. Geriatr Gerontol Int. 2018 Jan 22. doi: 10.1111/ggi.13239.
■夕食の時間
BMAL1(ビーマルワン)と呼ばれるタンパク質の一種には、体内に脂肪分を取り込む働きがある。
起床後14時から18時間後BMAL1の数が最大に達する。
■食習慣と体内時計が合わないとどうなるのか?
人間は、食事で摂ったカロリーの中から一定量を脂肪としてため込むメカニズムが備わっている。
体内時計と食習慣が合わないと、余計にカロリーを脂肪としてため込んでしまう。
余計にため込むカロリー
朝食抜きの場合、男性100kcal、女性80kcal。
夕食が時間がずれてしまった場合、男性50kcal、女性40kcal。
※香川靖雄先生の研究によると、7200kcalで脂肪1kg相当をため込むことになる。
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