<コンタクトレンズ>増える角膜感染症 汚れによる傷が原因、失明も

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■<コンタクトレンズ>増える角膜感染症 汚れによる傷が原因、失明も

Contact Lens 1

by n4i(画像:Creative Commons)

<コンタクトレンズ>増える角膜感染症 汚れによる傷が原因、失明も

(2010/7/30、毎日新聞)

コンタクトレンズの使用者は年々増え、国民の1割を超す1500万人以上と言われる。

これに伴う目の病気も増加傾向にあり、使用者の7~10%に発生していると推測されている。

中でも細菌などによる角膜感染症は、重症化すると視力低下の要因にもなる。

こすり洗いなど、毎日の適切なケアが大切だ。

コンタクトレンズの使用者は増加傾向になり、それに伴い目の病気も増加傾向にあるようです。

コンタクトレンズの主流はハードレンズからソフトレンズに移り、利用者は約7割を占める。

ハードレンズは目にトラブルがあると痛みを感じるが、ソフトレンズは角膜と密着しているため、まぶたの刺激を和らげ痛みを抑える効果があり、病気に気付きにくい。

また、利用者は低年齢化しており、10代や20代のトラブルも増えている。

ソフトレンズは角膜に密着しているため、まぶたの刺激を和らげ痛みを抑える効果があるため、病気が分かりづらいそうです。

コンタクトレンズは直接目に触れるため、医師の処方が必要な「高度管理医療機器」だ。

角膜を覆うため、レンズの汚れや酸素不足で、角膜に傷がつきやすくなる。

コンタクトレンズは多くの人が利用しているからかどうか分かりませんが、医療機器という意識が低いような気がします。

本来であれば、目に入れるものですから、管理に気をつけるべきだと思うのですが、ケアを怠りがちになっているようです。

その結果、コンタクトレンズによる目の病気が増えているような感じがします。

コンタクトレンズによる目の病気は、角膜の表面に小さな傷がつく「点状表層角膜症」、深くまで傷が達する「角膜浸潤」や「角膜潰瘍(かいよう)」、上まぶたの裏側(結膜)にブツブツができる「巨大乳頭結膜炎」などがある。

近年問題になっているのが、細菌やカビなどによる角膜感染症だ。

目の痛みや充血などを起こし、失明する恐れもある。

中でも増えているのが、他の細菌を餌にして増殖するアカントアメーバと呼ばれる微生物によるもので、特効薬がなく治りにくいのが特徴だ。

日本眼感染症学会などがまとめた全国調査の中間報告(07年4月~08年8月)では、コンタクトレンズ使用が原因と考えられる角膜感染症で入院した患者は233人(平均年齢28歳)。

水回りなどに存在する細菌・緑膿(りょくのう)菌やアカントアメーバが、角膜の病巣部のほか、レンズケースからも多く見つかった。

【コンタクトレンズによる目の病気の例】

●「点状表層角膜症」 : 角膜の表面に小さな傷がつく

●「角膜浸潤」「角膜潰瘍(かいよう)」 : 深くまで傷が達する

●「巨大乳頭結膜炎」 : 上まぶたの裏側(結膜)にブツブツができる

●「角膜感染症」 : 細菌やカビによる感染で目の痛みや充血などを起こし、失明する恐れもある目の病気。中でも増えているのが、アカントアメーバ角膜炎。




■角膜感染症が増えている背景

角膜感染症が増えている背景の一つに、ケア用品の進歩や多様化がある。

ソフトレンズはかつては煮沸消毒が中心だったが、近年は洗浄、すすぎ、消毒、保存が1本でできる消毒剤が主流になっている。

道玄坂糸井眼科医院(東京都渋谷区)の糸井素純・日本コンタクトレンズ学会常任理事は「ケア方法が簡便になることで、誤ったケアをする人が増えている。

量販店には専門医がいるとは限らず、説明不足も問題」と指摘する。

角膜感染症が増えている背景の一つには、コンタクトレンズケア用品が進歩したことにより、ケア方法が簡便になることで、誤ったケアをする人が増えていることがあるようです。

糸井さんによると、消毒剤の効果には限界があり、どのレンズでも毎日のこすり洗いが重要だという。

感染の温床になるレンズケースも毎回よく洗って乾かし、3カ月に1度の交換が必要。漬けおきタイプの洗浄液でも、こすり洗いを併用しないと蓄積した汚れや化粧品の汚れは落ちないという。

全国調査では、毎日こすり洗いをする人は18%に過ぎず、毎日消毒する人も30%にとどまった。

2週間で交換するレンズや1日使い捨てレンズを1カ月以上使っていた人もいた。

毎日のこすり洗いが必要なのですが、調査によれば、毎日こすり洗いをする人は18%に過ぎず、毎日消毒する人も30%にとどまるなど適切なケアを行えていない現状があるようです。

適切なケアをする自信がない人は、使い捨てコンタクトレンズを使用したほうが良いようです。




■コンタクトレンズを使う上での注意とこすり洗いの方法

記事の中に、コンタクトレンズを使う上での注意とこすり洗いの方法がありましたので、ご紹介しておきます。

◇レンズを使う上での主な注意
▽取り扱う前は手指を石けんで洗う
▽こすり洗いをすること
▽レンズの洗浄(すすぎ)はレンズの使用前と後に必ず行う
▽レンズケースは毎日しっかり洗い、自然乾燥させる
▽レンズケース内の消毒液は毎日新しいものに交換する
▽ソフトコンタクトレンズのケアに水道水を使用しない(ソフトレンズは水を含むため微生物が付着しやすい)
▽化粧はコンタクトレンズを装着してから行う(化粧品は石けんで落ちにくく、化粧品を扱った手でレンズを扱うと、レンズに汚れが付く)
▽定期検査を受ける
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◆こすり洗いの手順
◇ソフトレンズ
<1>清潔な手でコンタクトレンズを目からはずして保存液ですすぎ、利き手と反対の手のひらの上にレンズを載せ、クリーナーや消毒剤を数滴落とす
<2>利き手の人さし指の腹をレンズにあて、軽く押さえながら手のひらの上でレンズを一定方向にやさしく動かし、表面を20~30回こする(円を描くように動かすと、コンタクトレンズが破損する恐れがある)
<3>ひっくり返して反対側も同じように洗う
<4>最後に保存液か消毒剤でよくすすぐ
◇ハードレンズ
<1>清潔な手でレンズをはずし、レンズを水道水かすすぎ液ですすぐ。利き手と反対の手のひらの上に、レンズの内側を上にして載せ、クリーナーを4~5滴落とす
<2>利き手の人さし指の腹をコンタクトレンズの内側にあてて軽く押さえ、手のひらの上でレンズを前後左右に動かしながら泡立てるように約30回こする
<3>利き手の親指、人さし指、中指の3本でコンタクトレンズを挟み、レンズの内側を親指の腹で泡立てるように優しく30回ほどこする
<4>レンズを水道水かすすぎ液ですすぐ

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