がん患者の血液サンプルによる73のがんの遺伝子検査を国内で初めて実施|東京医科歯科大学医学部附属病院


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■がん患者の血液サンプルによる73のがんの遺伝子検査を国内で初めて実施|東京医科歯科大学医学部附属病院

Checking Blood Sample

by National Eye Institute(画像:Creative Commons)

東京医科歯科大学医学部附属病院 がん患者の血液サンプルのみによる73のがん網羅的遺伝子検査を国内で初めて実施。痛みのない迅速ながん医療に一助

(2017/9/8、東京医科歯科大学プレスリリース)

従来のがんゲノム検査では、患者さんのがん細胞を生検などで採取して検査を行う方法が主流ですが、この検査では患者さんから血液サンプルのみを取り、血液中の「遊離 DNA」、つまり血流内に排出された、死んだがん細胞由来の DNA を解析することで、がんゲノム変異を調べることができ、新たな治療法の発見などに期待が持たれています。

東京医科歯科大学医学部附属病院では、Guardant Health(ガーダント・ヘルス)社が開発した、がん患者の血液サンプルによる73のがん網羅的遺伝子検査「Guardant360」を含んだ医師主導臨床試験「PROFILE 試験」を開始しました。

血液からの検体採取は、組織を採取する生検よりも非侵襲的であり、がん細胞を採取する痛みや検体採取を行う時間を大幅に軽減・短縮することができます。この検査法は、リキッドバイオプシー(血液による生体検査)とも呼ばれ、現時点では組織からの遺伝子解析を置き換えるものではなく、相補的な役割と考えられますが、米国の非小細胞肺癌 NCCN ガイドラインでは、組織からの繰り返しの生検が困難な場合は、リキッドバイオプシーを考慮する指針が出され、他のがんでの活用も米国を中心に期待が高まっています。

がん細胞を生検などで採取する従来のがんの遺伝子検査に比べて、リキッドバイオプシー(血液による生体検査)とも呼ばれる血液からの検体採取は非侵襲的であるため、痛みが大幅に軽減され、また採取を行なう時間も大幅に短縮することができるというメリットがあります。




■まとめ

今回紹介したような患者の負担が少ない検査方法が用いられることは、がん検査に対するハードルを低くするためにも重要なことだと思います。

例えば、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」を血液検査で精度よく診断できる新手法開発|大阪大によれば、NASHは、脇腹に針を刺して肝臓組織を一部採取する肝生検で診断するのですが、肝生検は入院が必要で患者の体の負担も大きいため、簡便な診断法の開発が求められてきていて、大阪大のチームは血液検査で精度よく診断できる新手法を開発しました。

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今後、血液による生体検査と組織を採取する生検による診断とで補い合うようにして活用していくようになっていくといいですね。







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