ガンの腫瘍を青魚に含まれる「オメガ3脂肪酸」が殺す様子が確認される(2021/6/15、GIGAZINE)によれば、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の研究チームは、「オメガ3脂肪酸が腫瘍の発達を阻害する」メカニズムについて発表しました。
脂肪滴は脂肪酸を酸化から守りますが、DHAなどが多すぎると構造内に脂肪酸を収めることが不可能になり、酸化が起こります。そして、この酸化状態が過度に達すると細胞死を意味するフェロトーシスという現象が起こるとのこと。一連の現象に加えて、研究チームは脂質滴の代謝を阻害することで、フェロトーシスが増加することも確認しています。
研究チームがマウス実験を行ったところ、通常の食事を摂ったマウスに比べて、DHAの豊富な食事を摂ったマウスは腫瘍の成長速度が著しく低下したことが確認されたそうです。
An Omega-3 That’s Poison for Cancer Tumors
■まとめ
大腸がんの患者が、オメガ3脂肪酸を大量に摂取すると、生存率が高まる可能性があるによれば、大腸がんの患者が、オメガ3脂肪酸を大量に摂取すると、生存率が高まる可能性があるとの研究論文が発表されたというニュースを以前取り上げましたが、今回はマウスの実験でがんの成長速度が低下したことが確認されたそうです。
研究チームは「DHAは、1日に最低250mgを摂取することが推奨されています。しかし、これまでの研究では、人々は平均で1日あたり50~100mgしかDHAを取っていません。これは推奨される最小摂取量をはるかに下回っています」とコメントしています。
しかし今回のニュースによれば、DHAの一日の摂取量は推奨される摂取量を下回っているそうです。
参考画像:水産物の消費動向|水産庁(スクリーンショット)
オメガ3の美肌効果|オメガ3を摂取するとなぜ美肌になるのか?で紹介した麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3は青魚などの魚から摂るのが一番効率よいそうですが、水産庁による国民一人当たりの魚介類と肉類の摂取量推移によれば、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回り、21年には肉類と魚介類の摂取量が上回り、その差が拡大しているそうです。
健康のためにも、オメガ3を含む青魚やえごま油、クルミなどを積極的に摂りたいですね!
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→ DHA・EPAとは|DHA・EPAの効果・効能・食品・摂取量 について詳しくはこちら
【参考リンク】
- Emeline Dierge, Elena Debock, Céline Guilbaud, Cyril Corbet, Eric Mignolet, Louise Mignard, Estelle Bastien, Chantal Dessy, Yvan Larondelle, Olivier Feron,Peroxidation of n-3 and n-6 polyunsaturated fatty acids in the acidic tumor environment leads to ferroptosis-mediated anticancer effects,Cell Metabolism,2021,ISSN 1550-4131,https://doi.org/10.1016/j.cmet.2021.05.016.