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抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」とは?増やす方法・食べ物・オメガ3との関係|カズレーザーと学ぶ。




「DEL-1(デルワン)」というタンパク質をご存じでしょうか?

DEL-1は体内で作られるタンパク質で、炎症や骨代謝、老化細胞などとの関係が研究されています。

テレビ番組では「抗老化タンパク質」「若返りタンパク質」として紹介されたこともあり、

「DEL-1とは何?」
「DEL-1を増やす方法は?」
「何を食べたらいいの?」
「オメガ3を摂ればDEL-1は増えるの?」

と気になった方も多いのではないでしょうか。

私がDEL-1について初めて知ったのは、2025年1月14日放送の『カズレーザーと学ぶ。』でした。

番組ではDEL-1とオメガ3脂肪酸との関係や、アマニ油、サバなどが紹介されていました。

その後、DEL-1の研究はさらに進んでいます。

そこでこの記事では、DEL-1とは何か、増やす方法、オメガ3や食べ物との関係について、『カズレーザーと学ぶ。』で紹介された内容と、その後の研究をあわせて整理します。

■DEL-1(デルワン)とは?

DEL-1(Developmental Endothelial Locus-1)とは、おもに血管の内皮細胞から産生される抗炎症作用をもつタンパク質です。

以前から抗炎症作用や骨代謝などとの関係が研究されてきました。

デルワンは主に血管内皮細胞から出てきて体の中をぐるぐると回っており、炎症を抑える役割があることが発見されています。

デルワンは腎臓や腸管、神経系でたくさん作られていて、再生もでき、肌にも効果的なのだそうです。

デルワンは老化細胞に「(免疫細胞に)食べてくれ!」という自らの除去をお願いするシグナルを出すことを判断/指令してくれることで、細胞の再生を促進することがわかりました。

デルワンの産生量は加齢とともに減少して、30-40代から激減します。

老化細胞が増えると、炎症性サイトカインが出てきて、DEL-1を抑制して、悪循環を起こします。

また、若返りの効果もあり、歯を支える骨を再生してくれます。

老化すると、破骨細胞(骨を溶かす細胞)が活性化すると同時に骨を作る機能が少しずつ遅れてきて、破骨細胞のほうが強くなってくると、骨粗しょう症のようになります。

デルワンは骨を壊す細胞に対して強力に作用して抑え、骨芽細胞に働きかけて骨の再生を手助けすることがわかってきました。

デルワンの数値が高いとスキンケアの反応が良いそうです。

肥満になるとデルワンは下がる。デルワンを欠損させたマウスは太っている。

例えば2015年に発表された研究では、DEL-1が破骨細胞への分化を抑え、非ヒト霊長類における炎症性の骨減少を抑制したことが報告されています。

さらに2026年には、DEL-1が老化した骨髄間葉系幹細胞を選択的に死滅させ、その後の除去も促す「生体内セノリティック(老化細胞除去)タンパク質」として働くことが、新潟大学などの研究グループによって報告されました。

つまりDEL-1は、炎症だけではなく、骨や老化細胞との関係からも研究されているタンパク質ということになります。

■DEL-1を増やす方法は?

では、一番気になる、「DEL-1を増やすことはできるの?」という疑問について見てみましょう。

DEL-1との関係で注目されているのが、オメガ3脂肪酸です。

私が最初にDEL-1について知った『カズレーザーと学ぶ。』でも、DEL-1とオメガ3脂肪酸の関係が紹介されていました。

また、DEL-1についてはオメガ3に由来する炎症収束性脂質メディエーター「リゾルビン」との関係についても研究されています。

元の記事で紹介した研究資料では、減少したDEL-1発現がリゾルビンによって定常状態まで回復したことが報告されています。

つまり、DEL-1とオメガ3の関係には研究上の背景があります。

ただし、「オメガ3を摂れば誰でもDEL-1が増える」とまで単純に考えないことも大切です。

細胞や動物などを対象とした研究で分かったことと、私たちが毎日の食事としてオメガ3を摂った場合の影響は分けて考える必要があります。

■DEL-1と関係する食べ物は?

オメガ3脂肪酸は、大きく見ると

・αリノレン酸
・EPA
・DHA

などがあります。

食品としては、

αリノレン酸を含む食品

・アマニ油
・えごま油
・クルミ

EPA・DHAを含む食品

・サバ
・イワシ
・サンマなどの魚

などがあります。

『カズレーザーと学ぶ。』では、オメガ3脂肪酸を含む食品としてアマニ油やサバが紹介されていました。

→ オメガ3脂肪酸を含む食品 について詳しくはこちら

ただ、ここで注意したいのは、

「DEL-1を増やす食品=○○」

と一つの食品に決めてしまわないことです。

現時点では、「DEL-1との関係が研究されているオメガ3脂肪酸を含む食品」くらいに考えておくのがよさそうです。

■『カズレーザーと学ぶ。』ではDEL-1について何が紹介された?

ここで、私がDEL-1について知るきっかけになった『カズレーザーと学ぶ。』で紹介された内容をまとめておきます。

2025年1月14日放送のテーマは「2025年イイ顔になる最新科学」。

番組では、新潟大学の前川知樹研究教授がDEL-1について解説しました。

番組をもとに当時の記事に記録したポイントを整理すると、

DEL-1は抗炎症作用をもつタンパク質
加齢とともにDEL-1の産生が減少する
老化細胞とDEL-1の関係
DEL-1と骨の維持・再生との関係
DEL-1とオメガ3脂肪酸との関係

などが紹介されていました。

■スキンケアだけでは老化は防げない!

老化細胞が肌の中で増えてしまうと、体の外から行う通常のスキンケアではその細胞を取り除くことが難しいため、シミやシワの原因となってしまいます。

そこで必要になるのが体の中からのアプローチであり、そのカギとなるのが抗老化タンパク質「DEL-1」です。

DEL-1をコントロールすることができれば、肌の再生力もアップし、肉体も若返る可能性があるそうです。

その中でも、食生活という観点から興味深かったのがオメガ3でした。

当時の記事には、番組で紹介された内容として「10歳の高齢サルにオメガ3脂肪酸を与える実験では、4カ月後にDEL-1発現量が約1.5倍に増加した」と記録しています。

そしてオメガ3を含む食品として紹介されたのが、アマニ油やサバでした。

この番組を見たときには、

「オメガ3とDEL-1にはこんな関係があるんだ!」

というところに興味を持ったのですが、その後研究を追ってみると、DEL-1と老化細胞との関係もさらに詳しく分かってきました。

■その後の研究で分かってきたDEL-1と老化細胞の関係

2026年1月、新潟大学などの国際共同研究グループからDEL-1について新たな研究成果が発表されました。

研究グループは、DEL-1が老化細胞を選択的に死滅させ、さらにマクロファージによる除去を促す「生体内セノリティック(老化細胞除去)タンパク質」であることを報告しています。研究成果は2026年1月20日に国際学術誌「Advanced Science」に掲載されました。

老化細胞は、ストレスや加齢などによって増殖を停止した細胞です。

新潟大学によると、こうした老化細胞は炎症物質を放出し、周囲の組織に影響を与えます。

今回の研究では、

DEL-1
↓
老化した骨髄間葉系幹細胞に選択的に作用
↓
老化細胞の死滅を促す
↓
マクロファージによる除去も促す

という仕組みが示されました。

新潟大学は、この仕組みを体に備わった「天然の老化細胞除去システム」と表現しています。

2025年に『カズレーザーと学ぶ。』を見た時に興味を持った「DEL-1と老化にはどんな関係があるのだろう?」という疑問について、その後の研究でさらに仕組みが見えてきたわけですね。

■DEL-1と骨粗しょう症・歯周病との関係

DEL-1では「骨」との関係についても研究が続けられています。

2026年の研究では、DEL-1を欠損させたマウスでは老化細胞が蓄積して骨粗しょう症が重症化した一方、DEL-1を過剰発現させたマウスでは老化細胞が効率よく除去され、骨密度が維持されたと報告されています。

こうした研究成果から、骨粗しょう症や歯周病などの治療法への応用が期待されています。

ただし、「DEL-1を増やせば人間が若返ることが証明された」という意味ではありません。

ここはテレビなどで使われる「若返りタンパク質」という言葉と、実際の研究成果を分けて考える必要があります。

■運動でもDEL-1は増える?

DEL-1については、食事だけでなく運動との関係も注目されています。

2026年10月に前川研究教授が解説したメディア記事では、普段あまり運動習慣のなかった40~50代の男女24人が1時間のウォーキングを1カ月間続けたところ、DEL-1量が平均約1.5倍になったという取り組みが紹介されています。

同じ記事では、40~50代の男女10人を対象としたアマニ油摂取についてもDEL-1量の変化が紹介されています。

興味深い内容ではありますが、今回確認できたものは小規模な取り組みについて研究者がメディアで紹介した情報です。

そのため、「ウォーキングをすればDEL-1が1.5倍になる」とすべての人に一般化するのではなく、今後の研究にも注目したいところです。

■結局、DEL-1を増やすために何をすればいいの?

ここまで調べて、「じゃあ結局、何をすればいいの?」と思った方もいるかもしれません。

現時点では「DEL-1を増やすためにこの食品だけを食べればいい」と考えるより、

・魚などオメガ3脂肪酸を含む食品を普段の食事に取り入れる
・アマニ油やえごま油なども食生活に取り入れる
・適度に体を動かす

といった健康習慣を考えるきっかけとしてDEL-1研究を見る方がよいのではないでしょうか。

「若返り成分があるから、これだけ食べる」という考え方ではなく、普段の食生活や運動を整える中で、その仕組みの一つとしてDEL-1研究にも注目する。

そんな捉え方が現時点ではよさそうです。

■DEL-1について「分かっていること」と「まだ分からないこと」

●分かってきたこと

DEL-1は体内で作られるタンパク質で、抗炎症作用や骨代謝などとの関係が研究されてきました。

2026年の研究では、DEL-1が老化した骨髄間葉系幹細胞を選択的に死滅させ、その後の除去も促すことが報告されています。

●注目されていること

DEL-1とオメガ3脂肪酸との関係が研究されています。

また、小規模な取り組みとして、運動やアマニ油摂取後のDEL-1量についての情報も紹介されています。

●まだ慎重に考えたいこと

特定の食品を食べることで、人のDEL-1がどの程度増え、それによって老化や健康にどの程度の影響があるのかについては、

「この食べ物を食べればDEL-1が増えて若返る」

と単純化しない方がよいでしょう。

研究結果と毎日の健康習慣の間には、一段階置いて考える必要があります。

■まとめ

DEL-1(デルワン)は、体内で作られ、抗炎症作用や骨代謝、さらに老化細胞との関係が研究されているタンパク質です。

私がDEL-1を初めて知ったのは、2025年1月14日放送の『カズレーザーと学ぶ。』でした。

当時特に興味を持ったのが、「DEL-1を増やす方法」そして、「DEL-1とオメガ3の関係」でした。

番組では、オメガ3を含む食品としてアマニ油やサバなどが紹介されました。

それから研究を追っていくと、2026年にはDEL-1が老化細胞を選択的に死滅させ、その除去を促す生体内セノリティックタンパク質として働くことが報告されました。

つまり、『カズレーザーと学ぶ。』をきっかけに知ったDEL-1について、その後も研究が進んでいるということですね。

ただ、ここから、「若返るために○○をたくさん食べよう」と考えてしまうのは少し違います。

DEL-1とオメガ3や運動との関係は興味深いものですが、魚やアマニ油、えごま油などを含めた日々の食生活や運動について考えるきっかけの一つとしてDEL-1研究を見る。

今のところは、そのくらいの距離感がよいのではないでしょうか。

今後も新しい研究が発表されたら、この記事に追記していきたいと思います。

【参考リンク】

■デルワンサプリ

島根県産えごま油|オメガ3(αリノレン酸)を摂ろう!
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長崎県産えごま油(50g)
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【補足】

筋肉量が多い人ほど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ない!マイオネクチンがメラニンの生成を抑えている!|ポーラ化成で紹介したポーラ化成工業が行ったゲノム研究(GWAS)によれば、シミができない体質の人は、生まれつき筋肉の性質が異なる可能性があること、また、体重当りの体幹と下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないことが分かったそうです。

また、筋肉で作られる「マイオネクチン」が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆され、さらには、体の筋肉量が多いほど、シワ、毛穴の目立ち、色ムラなどが少ないことも明らかになったことから、美肌体質の秘密は、筋肉がカギを握っている可能性があるようです。

今回の番組では運動とデルワンの関係については説明がなかったのですが、筋肉量が多い人ほどど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ないことから、もしかすると筋肉とデルワンにも関係もあるのかもしれませんね。

【参考リンク】

減少した DEL-1 発現は、抗炎症作用をもつオメガ3脂肪酸であるリゾルビンを作用させることで、定常状態まで回復させることができた

■まとめ

以前オメガ3の美肌効果については次のように紹介しました。

オメガ3の美肌効果|オメガ3を摂取するとなぜ美肌になるのか?|摂取量の目安によれば、オメガ3が十分にあると、オメガ3は血管にも作用し、血管を拡張する力を持っているため、血流を改善することにより、血液の循環はとてもスムーズです。

その結果、肌には栄養分が運ばれていくことにより、皮膚の細胞の新陳代謝を活発にして、肌を美しくしてくれると考えられます。

しかし、血液中にオメガ3が不足すると、栄養分の運搬が滞ってしまいがちになり、新陳代謝が活発ではないため、肌が荒れてしまうと考えられます。

麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3が細胞にあると本来の細胞の機能が維持でき、皮脂の供給などすべてがバランスよくいくそうです。

また、分泌を促してくれる下の方の細胞にオメガ3がないと指令が来なくなるそうです。

→ EPAを摂ると、赤血球がしなやかになり、顔色が良くなり、目の下のクマがなくなる!【美と若さの新常識】 についてくわしくはこちら

今回の記事を参考にして考えると、オメガ3を摂ることで抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」が増えて、肌の衰えやシワ、シミの原因となる「老化細胞」を取り除き、肌の再生を助ける役割を果たしているため美肌になっていると考えられるんですね。

→ オメガ3脂肪酸を含む食品 について詳しくはこちら

【追記】

2025年5月29日放送の「ひるおび!」で新潟大学・前川知樹教授が解説し、抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」が健康寿命を延ばすことに期待されるそうです。

→ 健康寿命を延ばすカギ!?デルワン減少チェックリスト【ひるおび】

→ 抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」で若返り!デルワンを増やす方法とは?【ホンマでっかTV】 について詳しくはこちら







【関連記事】

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毎日30〜60gのくるみを習慣的に摂取することは、慢性的な低度炎症を抑え、心臓病リスクの低下が期待できる

ロマ・リンダ大学(米国)とバルセロナ病院クリニック(スペイン)が共同で行った研究(WAHA研究)では、健康な高齢者(63〜79歳)600人以上を対象に、1日30〜60gのくるみ(殻なしハーフで約1/4〜1/2カップ、エネルギー摂取量の約15%)を日常の食事に加えるグループと、くるみを食べない対照グループに分け、2年間追跡調査しました。

■結果

血液中の10種類の炎症マーカーのうち、6つが有意に低下しました。

最大で約11.5%の減少が見られ(GM-CSFなど)、特に強力な炎症促進物質であるIL-1βも有意に減少しています。

この慢性的な低度炎症(「Inflammaging」=老化に伴う炎症)の軽減は、心臓病リスク低下のメカニズムの一つと考えられており、コレステロール低下以外の効果としても注目されています。

また、同じ研究の一部で調べられた白血球テロメア長(生物学的老化のマーカー)については、くるみを摂取したグループでテロメア短縮の速度が遅くなる傾向が見られました(統計的にほぼ有意、p=0.079程度)。

ただし「確実に遅らせる」とまでは言えず、「傾向がある」レベルです。

■まとめ

毎日30〜60gのくるみを習慣的に摂取することは、慢性的な低度炎症を抑え、心臓病リスクの低下が期待できる方法の一つです。

くるみはオメガ3(ALA)、ポリフェノール、食物繊維などが豊富です。カロリーは高めですが、適量なら食事に取り入れやすい「長寿食」の一つなので、ぜひ食習慣の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

【くるみ関連記事】

【炎症関連記事】







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【決定版】抗炎症食で防ぐ慢性炎症!ハーバード式×地中海式和食と注目の栄養素まとめ(タウリン・亜鉛・オメガ3)




「しっかり食べているのに疲れが取れない」「年齢とともに将来の認知症や生活習慣病が心配……」。

その原因、体内で静かに進行する「慢性炎症」かもしれません。

ハーバード公衆衛生大学院などが提唱する「抗炎症食」をベースに、最新の研究で判明した「臓器老化の転換点」や「和食の弱点を補う食事術」、さらに注目の抗炎症栄養素(タウリン・亜鉛・オメガ3)までを一挙に解説します。

慢性炎症は、認知症、糖尿病、うつ病、さらには臓器の老化など、多くの健康問題に共通して関わる重要な因子として注目されています。

■慢性炎症が引き起こす全身・臓器への影響

●臓器老化の波(30代・50代の転換点)

全身の臓器が一律に老けるのではなく、30代でまず血管や消化管、卵巣などの変化が始まり、50代に入るとさらに多くの臓器で老化が加速する傾向があることが報告されています。

この背景にも、微小な慢性炎症の蓄積が関与していると考えられています。

●認知機能・うつ病との関連

・認知症リスク

炎症を促進する食事(精製炭水化物、赤身肉・加工肉、清涼飲料水など)を多く摂る人は、認知症の発症リスクが高まるという研究結果があります。

・うつ病と腸・環境

うつ病は単なる「脳の神経伝達物質の不均衡」だけでなく、腸内細菌叢の乱れや環境要因によって全身や脳内に引き起こされる炎症反応も、要因の一つとして注目されています。

●女性ホルモン(エストロゲン)の減退

エストロゲンには抗炎症作用があります。

閉経に伴いエストロゲンが減少すると、体内の慢性炎症が広がりやすくなり、生活習慣病や骨粗鬆症などのリスクが高まる可能性が指摘されています。

■ハーバード流「抗炎症食」×「地中海式+和食」のアップデート

ハーバードが推奨する抗炎症食の基本は、「炎症を抑える食材を増やし、炎症をあおる食材を減らす」ことです。

これを日本の食生活に落とし込む際のポイントは以下の通りです。

●推奨される食品(抗炎症)

・主食・穀物

玄米、雑穀、全粒粉パン、オートミール

・油脂類

エキストラバージンオリーブオイル、魚油(EPA/DHA)、アマニ油(非加熱で)

→ オメガ3を多く含む食べ物

・タンパク質

青魚(サバ・イワシなど)、大豆製品、鶏肉

・野菜・果物

緑黄色野菜、葉物野菜、ベリー類、柑橘類、トマト

→ アブラナ科の野菜 について詳しくはこちら

・その他

ナッツ類、豆類、緑茶、コーヒー、ダークチョコレート(カカオ70%以上)、スパイス(ターメリック・生姜など)

●控えるべき食品(前炎症)

・主食・穀物

白米(多量)、精製小麦製品、砂糖入りパン

・油脂類

マーガリン、ショートニング、トランス脂肪酸を含む加工油脂、過剰な飽和脂肪

・タンパク質

赤身肉(牛肉・豚肉の過剰)、加工肉(ハム・ソーセージなど)

・飲料・加工食品

清涼飲料水、人工甘味料を多く含む加工品

・その他

アルコールの過剰摂取、超加工食品

■「和食」の弱点を「地中海式」で補う

「和食=健康」というイメージは強いですが、抗炎症の観点からは主に次の3つの弱点が指摘されています。

和食が抱える3つの弱点

●塩分の多さ(高血圧や炎症を促しやすい)
●精製白米による高GI(食後高血糖や糖化反応を招きやすい)
●現代の日本の食生活では、使う油の種類や量を見直す余地がある

日本の食生活には魚からEPA・DHAなどのn-3系脂肪酸を摂るという強みがあります。そのため、「日本人にはオリーブオイルが不足している」と単純に考える必要はありません。魚や大豆などを生かしながら、料理によってナッツ類やオリーブオイルなどを取り入れるのも一つの選択肢です。

伝統的な和食が悪いという意味ではありません。現代の日本人の食生活を考えた場合に、改善できるポイントがあるという意味で「弱点」と表現しています。

今日からできる「和食×地中海式」3つのアップデート

伝統的な和食の長所(魚、発酵食品、大豆製品)を活かしつつ、
●主食を未精製穀物(玄米・雑穀)に変える
●調理油にエキストラバージンオリーブオイルを取り入れる
●減塩を意識する

といった工夫を加えることで、より抗炎症に適した食事にアップデートできます。

白米を完全にやめる必要はありません。献立や好みに合わせて、玄米やもち麦、雑穀などを取り入れ、主食の選択肢を増やしてみましょう。

白米そのものだけを見るのではなく、ごはんと一緒に魚、大豆製品、野菜、海藻など何を食べるかという「食事全体」で考えることが大切です。

■注目すべき抗炎症・抗糖化栄養素の役割

食事のベースを整えた上で、特定の栄養素が炎症や酸化・糖化の抑制に役立つ可能性があります。

●タウリン(抗炎症・抗酸化)

タウリンは抗炎症・抗酸化作用が報告されており、細胞の酸化ストレスを緩和したり、炎症性サイトカインを抑える働きが研究されています。また、AGEs(糖化最終生成物)の生成を抑える可能性を示す報告もありますが、まだ研究途上の部分もあります。

→ タウリンの多い食べ物 について詳しくはこちら

●亜鉛(インスリン抵抗性と炎症の改善)

亜鉛はインスリンの合成・分泌や受容体の感度に関与しています。補給することで血糖値を劇的に下げるわけではありませんが、インスリン抵抗性の改善や体内の慢性炎症レベルの低下に寄与することが、複数の研究で示されています。

→ 亜鉛を含む食べ物 について詳しくはこちら

■まとめ

慢性炎症を抑え、健康寿命を延ばすための基本は「ハーバード式の抗炎症食+地中海式の考え方を取り入れた和食」で日常の炎症レベルを低く保つことです。

その上で、必要に応じてタウリンや亜鉛、EPA/DHAなどの栄養素を意識すると、さらにサポートになる可能性があります。

30代や50代といった臓器老化の転換点を意識しながら、早期から食生活を整えていくことが大切です。

【補足】地中海食をそのまま日本に持ってくる必要はない

地中海食の研究で健康との関連が報告されているからといって、日本人がこれまでの食生活をやめて、地中海地域と同じ食事をする必要があるということではありません。

食事は一つの食品や栄養素だけで成り立っているものではありません。日本には、魚介類、大豆製品、野菜、海藻、発酵食品、ごはんなどを組み合わせてきた食文化があります。

だからこそ大切なのは、「和食か地中海食か」という二者択一ではなく、和食のよいところを生かしながら、現代の食生活で改善できる部分を他の食文化から学ぶことではないでしょうか。

例えば、生野菜やトマトをおいしく食べるためにオリーブオイルを使う。間食としてナッツを取り入れる。白米だけでなく、ときどき玄米やもち麦を選んでみる。

「健康にいい食品」を追加すること自体が目的なのではなく、無理なく、おいしく、続けられる食習慣につながるかどうかという視点も大切です。

【関連記事】







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【あさイチ】オメガ3の上手な摂り方!美と健康に良いアブラの新常識|1月8日

 > 健康・美容チェック > オメガ3 > 【あさイチ】オメガ3の上手な摂り方!美と健康に良いアブラの新常識|1月8日




2020年1月8日放送のNHK「あさイチ」のテーマは「美と健康の理想食!アブラの新常識」でオメガ3と健康・美容との関係について取り上げました。

■オメガ3に期待される効果

心筋梗塞・脳梗塞・肝臓がん・乳がん
ADHD・筋肉痛・疲労回復・持久力アップ
美肌・花粉症・産後うつ・イライラ・夫婦仲

●血液中のオメガ3:オメガ6の割合で心臓病での死亡リスクが変わる。

1:1<1:2<1:4

オメガ6の割合が多くなるにつれて心臓病での死亡リスクが上昇する。

理想のオメガ3:オメガ6の比率は「1:2」。

ですが、多くの日本人の比率は「1:10」以上の割合になってしまっています。

●虚血性心疾患(心筋梗塞)

●肝臓がん

●乳がん

オメガ3系脂肪酸摂取による不安症状の軽減によれば、オメガ3系脂肪酸を少なくとも 2,000mg 以上摂取した場合に抗不安効果を認めることが分かりました(JAMA Network Open, 2018;1(5):e182327)。

乳がんサバイバーを対象に観察研究を行ったところ、血中アルファリノレン酸の割合が高いほど、再発不安が低いという関連を見出しました(J Affective Disorders, 2019)。

【参考リンク】

●大腸がん

●ADHD

●筋肉痛

●疲労回復

●持久力向上

【関連記事】

●美肌

●花粉症

●妊娠前期

■オメガ3の摂取量

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2010年版)によれば、オメガ3(EPA・DHA)を1日に1000mg以上摂取することが望ましい。

オメガ3

EPA・DHA

オメガ3はたんぱく質と一緒に摂るのがいいので、毎日の食事に魚介類を食べるのが理想の食事ですが、毎日は大変なので、えごま油やアマニ油などのオメガ3のオイルを摂るといいですね。

■オメガ3の多い食品

サバ 2120mg
サンマ 3780mg
マグロ(トロ) 5810mg
サーモン 1590mg
いわし 2100mg
うなぎ 2420mg
カキ 290mg
ムール貝 280mg
イクラ 4700mg
たらこ 1190mg
アン肝 7680mg
くるみ 8960mg
エゴマ油 58310mg
アマニ油 56630mg
しそ油 60000mg
サチャインチオイル 48600mg

■オメガ6の多い食品(可食部100g当たり)

牛肉(カルビ)1070mg
豚肉(バラ) 3320mg
鶏肉(もも) 2680mg
ソーセージ 3380mg
卵 1490mg
バター 1860mg
アボカド 2030mg
マヨネーズ 23080mg
カレーパン 2190mg
ポテトチップス 12010mg
ドーナツ 5700mg
シュークリーム 930mg
大豆油 49670mg
コーン油 50820mg
ごま油 40880mg
米油 32110mg

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(第七訂)」他から作成

■オメガ3と中性脂肪

【ガッテン】スプーン1杯のえごま油で体重・中性脂肪が減る!オメガ3とオメガ6のバランスが重要!

ニッチェ近藤さん、小さじスプーン1杯のオメガ3(えごま油)の摂取でダイエット・中性脂肪低下効果(#NHK)

■オメガ3と美肌

麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3が細胞にあると本来の細胞の機能が維持でき、皮脂の供給などすべてがバランスよくいく。

オメガ3の美肌効果

EPAを摂ると、赤血球がしなやかになり、顔色が良くなり、目の下のクマがなくなる!

■オメガ3と花粉症

順天堂大学の横溝岳彦教授らの研究グループは、DHAやEPA、αリノレン酸といったオメガ3脂肪酸の食事摂取がアレルギー性結膜炎(花粉症)を改善させるメカニズムの解明に成功。

オメガ3脂肪酸(DHAやEPA、Αリノレン酸)がアレルギー性結膜炎(花粉症)を改善する!|順天堂大学

【参考リンク】

Dietary omega-3 fatty acids alter the lipid mediator profile and alleviate allergic conjunctivitis without modulating Th2 immune responses

■オメガ3と脳の関係

オメガ3を摂取することがストレスやイライラの軽減につながると考えられています。

■オメガ3とこころの健康

●エゴマに含まれるαリノレン酸はうつ病のリスクを軽減―ハーバード大|#あさイチ(NHK)【論文・エビデンス】

●心的外傷後のストレス反応の強さがオメガ3を摂取していた人の方が下がる

●オメガ3で心も変わる|オメガ3を摂っていないと母性の発動が遅れたり、産後うつになりやすい

オメガ3を摂っていないと母性の発動が遅れ、子供にあまり興味を示さない、興味を示すまでに時間がかかると考えられるそうです。

【参考リンク】

【関連記事】

■オメガ3を効果的に摂取するには?

●タンパク質と一緒に摂取する!

●オメガ3を摂取するタイミングは朝食がおすすめ!

【林修の今でしょ講座】亜麻仁油(αリノレン酸)で血管若返り!亜麻仁油の一日の必要摂取量!摂るタイミング!注意点!亜鉛を含む牡蠣で効果アップ!や亜麻仁油(オメガ3)を朝から飲んで運動すると脂肪燃焼を早める!|#林修の今でしょ講座によれば、オメガ3系脂肪酸を摂取して運動をすると、脂肪燃焼を早めるという結果が出ているそうです。

【参考リンク】

●えごま油やアマニ油の保管場所は「冷蔵庫」がおすすめ!

オメガ3のオイルは熱や光、空気に触れると酸化しやすいので、直接光が当たらず、温度管理ができる「冷蔵庫」で保管しましょう。

開封後は空気に触れて酸化しやすいので、早めに使い切りましょう!

【補足】

Αリノレン酸(えごま油・亜麻仁油)の注意するポイントは「加熱に弱い」という性質があるのは本当!?

こんな実験もあります。

サンマに含まれるEPA・DHAが調理方法によってどれだけ減少するかという大阪ガスが行った実験によれば、調理時のEPA保持率はフライ(200度)43%、グリル(350度)77%、フライパン91%であり、DHAではそれぞれ48%、75% 99%でした。

EPA・DHAが減少する理由は、脂の飛散と熱分解・酸化にありますが、フライでは脂の飛散と熱分解・酸化、グリルでは脂の飛散、フライパンでは加熱分解が減少メカニズムと考えられます。

つまり、熱に弱い性質があるといわれていますが、フライパンで加熱する程度ではほとんど影響がないことがわかります。

また、エゴマ (シソ) 油の加熱安定性と食品成分添加の影響によれば、180℃、70分までの加熱では、大豆油に比べてエゴマ油の劣化は若干進んでいたものの、α-リノレン酸の残存率も90%以上であり、栄養的に支障がなかったそうです。

熱に弱い性質があるからといって使わないよりも、積極的にαリノレン酸が豊富なオメガ3を料理に活用しましょう!

→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効果・効能・食べ物(オイル)・ダイエット について詳しくはこちら

→ DHA・EPAとは|DHA・EPAの効果・効能・食品・摂取量 について詳しくはこちら

→ 【NHKスペシャル】体にいい油「オメガ3」!|オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスがカギ!【食の起源】|1月12日 について詳しくはこちら

島根県産えごま油|オメガ3(αリノレン酸)を摂ろう!
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「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

オメガ3脂肪酸(EPA, DHA, DPA)を多くとっている人ほど、結腸がんの発生リスクが低い!




n-3およびn-6不飽和脂肪酸摂取と大腸がんとの関連について(国立がん研究センター)によれば、オメガ3脂肪酸(EPA, DHA, DPA)を多くとっているグループほど、結腸がんの発生リスクが低いことが分かりました。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効果・効能・食べ物(オイル)・ダイエット について詳しくはこちら

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南極の宝石(オメガ3サプリメント)
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【補足】

ナッツの健康・美容効果|カシューナッツ・ピーナッツ・アーモンド・ピスタチオ・クルミ・マカダミアナッツ|#世界一受けたい授業で紹介したボストンのダナ・ハーバー・ガン研究所の博士らが行なった研究によれば、週に57グラム以上のナッツを食べた人のほうが食べなかった人より、結腸ガン経験者の再発率とガンによる死亡率が低いということがわかったそうです。

オメガ3(EPA・DHA)の抗炎症効果で脳梗塞・心筋梗塞・ガンから身を守る!によれば、オメガ3脂肪酸の多い魚およびオメガ3脂肪酸摂取量が多いグループの肝がん(肝臓がん)リスクは低いと報告されています。

なぜオメガ3は肝がんのリスクを下げるのでしょうか?

それは、オメガ3の抗炎症作用とインスリン抵抗性の改善作用です。

オメガ3には抗炎症作用があると報告されており、肝臓がんの多くは慢性肝炎を経て発症するため、オメガ3による抗炎症作用を通して肝がんの発生を抑えているのではないかというのが一つ。







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この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
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ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
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「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

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この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

▶ 料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
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