乳児期のビタミン D 欠乏の予防に関する提言(2025年3月24日、日本小児医療保健協議会栄養委員会)によれば、最近、ビタミンD欠乏の乳児が増加しているそうです。
ビタミンD欠乏は、低カルシウム血症やビタミンD欠乏性くる病などの原因となるため、ビタミンD欠乏予防に取り組むことが大事なのですが、なぜビタミンD欠乏のお子さんが増えているのでしょうか?
1)赤ちゃんのビタミンD充足度は、お母さんのビタミンD充足度と比例しているのですが、お母さんのビタミンDが不足しているから
近年、ビタミンD欠乏の乳児が増加しており、0~5か月の乳児の52%がビタミンD欠乏という報告もあります。
日本人思春期・青年期女性のビタミンD充足度を調べた論文によれば、約半数の女性がビタミンD欠乏であり、また、ビタミン D 欠乏の妊婦が多く、胎児のビタミンD濃度は母体のビタミンD濃度と比例するため、女性や妊婦のビタミンD欠乏は赤ちゃんのビタミンD欠乏のリスク要因になっています。
2)お母さんが紫外線防止のために日光を浴びないようにしているから(過度に日焼け止めを塗っているから)
3)ビタミンDを含む食事をしていないから
魚を食べる機会が減っているためビタミンDの摂取が不足しています。
例:鮭は15gで5μg、卵黄1個で2.5μgがビタミンDが含まれています。
ビタミン D は、カルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にし、筋力を高めてくれるので、カルシウムも一緒に摂取しましょう。
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【参考文献】
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