速読は実は不可能だと科学が実証|本を読む本当の目的とは?


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by Pedro Alonso(画像:Creative Commons)




速読は実は不可能だと科学が実証

(2016/2/19、ライフハッカー)

「現存する科学的根拠によれば、速度と正確さには反比例の関係があり、読み手が読むべき文書にかける時間が短いと、その分だけどうしても理解が劣ってしまいます」とカリフォルニア大学の心理学者であり、その研究論文の著者でもあるElizabeth Schotter氏は述べています。

本を読むのが遅い私にとっては、速読できる人に対して憧れがありましたが、今回の記事によれば、速読は不可能なのだそうです。

効率的な斜め読み、すなわち、テキストの中で情報量の多い部分を優先して読むことは、読んでいるものを深くまんべんなく理解したいときではなく、要点さえわかればいいときには効果的です。現に、データによれば「速読」がもっとも効果的にできる人は、実際には効果的に斜め読みができる人であり、それができる理由は、読もうとしている題材について既にかなりの知識があるので、文章のキーポイントだけを素早くピックアップできるからです。

ある分野についての本を読むとき、最初の一冊目はほとんど何を書いているかわからないため、要点をつかむのに苦労するものです。

しかし、同じ分野の本を何冊も読んでいくにつれて、その分野に関する知識が積み上がっていくので、その本が伝えたいポイントを早くつかむことができるようになります。

ただ、本を読む本当の目的は、早く読むことではなく、その本を通じて新しい自分を見つけることであったり、新しい知識を手に入れたり、著者自身が体験したことを疑似体験することだったりすることだと思います。

つまり、速さが重要な要素ではないはずです。

また、読んだ数・量も同様です。

たった一冊の本でもその人の人生を変えるようなことはあるはずですし、何冊読んだから偉いというものでもないはずです。

自分にとって価値ある一冊が見つけられただけで、もっといえば一文を見つけられただけで、それは素晴らしいことなのです。







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