人工知能(AI)で糖尿病患者の電子カルテを分析|糖尿病性腎症の発症を予測するシステムを開発|日本IBMと藤田保健衛生大学など

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■人工知能(AI)で糖尿病患者の電子カルテを分析|日本IBMと藤田保健衛生大学など

Tablets and phones

by Zak Mensah(画像:Creative Commons)

人工知能:糖尿病分析 電子カルテで病状把握へ

(2016/7/14、毎日新聞)

藤田保健衛生大学病院が2004年以降の患者約98万人分の検査データなどを匿名化して提供。文脈や単語を解読できる日本IBMのAI「ワトソン」を活用することで、電子カルテの自由記述欄に書かれた「2日前から足がだるい」「寝起きに頭が重い」など通常のコンピューターでは統計処理が難しい言葉も分析する。

日本IBMと藤田保健衛生大学、第一生命保険が共同で、人工知能(AI)で生活習慣病患者の電子カルテを分析し、医療や保険に応用する研究を始めるそうです。

先日、過去の糖尿病患者のビッグデータを用いて、新たな患者の症状の進行や薬の効果を予測するシステムを開発|国立病院機構長崎川棚医療センターと富士通などでは、国立病院機構長崎川棚医療センターと富士通などが、過去の糖尿病患者の治療経過を集めたビッグデータを用いて、新たな患者の症状の進行や薬の効果を予測するシステムを開発したと紹介しましたが、アイデアとしては近いものといえそうです。

IBMの「WATSON」によってがん治療がスピードアップする!?によれば、Watsonは膨大な量の医療データや論文などのデータベースが格納されており、患者のデータを高速で解析し、医療データを照らし合わせることで、患者に最も最適と思われる治療方針を提案することで、医師や患者が意思決定の支援をするシステムです。

このシステムを糖尿病に応用し、AIによってカルテの分析を行ない、適切な食事や運動によって、病気の悪化を防ぐことを目指していくのではないでしょうか。

【追記(2017/9/21)】

AIで糖尿病の合併症の発症を予測

(2017/9/20、NHK)

藤田保健衛生大学と第一生命の研究グループは、糖尿病患者などおよそ13万人の電子カルテのデータの推移や2500万本を超える論文などを人工知能に学習させ、糖尿病の合併症として知られ、心筋梗塞などのリスクを高める「糖尿病性腎症」の発症を予測するシステムを開発しました。

藤田保健衛生大学と第一生命のグループは、糖尿病患者の電子カルテのデータや2500万本を超える論文をIBM Watsonに深層学習(ディープラーニング)させ、糖尿病の合併症として知られる「糖尿病腎症」の発症リスクを予測するシステムを開発したそうです。

どのようなデータを分析したのでしょうか?

糖尿病の合併症、AIで予測 藤田保健衛生大など

(2017/9/20、中日新聞)

腎機能を示す検査データ「eGFR」値や血糖値はもちろん、因果関係が薄いとされがちな検査データも含め24項目の数値を分析。時間経過による変化や既往症の有無も踏まえた。その結果、現時点では腎症の予兆がない初期の糖尿病患者でも、近い将来の見通しとして180日後に発症するかどうか、高い精度で予測することができるようになったという。




■スタッフが患者の治療への取り組みをほめた際に、患者の血糖値の改善傾向が強まる

今回このニュースで気になったポイントはこちら。

糖尿病の合併症、AIで予測 藤田保健衛生大など

(2017/9/20、中日新聞)

「ワトソン」は数値化されたデータだけでなく、電子カルテに記載された医療スタッフと患者とのやりとりなども解読できる。スタッフが患者の治療への取り組みを「褒めた」場合、患者の血糖値の改善傾向が強まることも分かり、心理面での治療支援にも活用できる可能性が出てきた。

「ワトソン」は電子カルテに記載されたスタッフと患者とのやり取りを解読し、スタッフが患者の治療への取り組みをほめた際に、患者の血糖値の改善傾向が強まることがわかったそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまる|なぜ治療が続けられないのか?によれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。

その理由としては、治療に伴う経済的な負担や治療継続へのストレスから治療を続けていくことができないないことが主な理由でしたが、その他の理由としては、継続するのが面倒という人もいるのではないでしょうか。

治療の継続を促す意味で、声をかけ続けることが重要であることがわかってきています。

糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる|国立病院機構京都医療センターで紹介した国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

オンライン診療と対面治療の組み合わせによる禁煙治療の治療継続効果は1.5倍にで紹介したDoes telemedicine improve treatment outcomes for diabetes? A meta-analysis of results from 55 randomized controlled trials.によれば、オンライン診療を受けた糖尿病患者のほうが血糖値(HbA1c)の改善効果があったという成果もえられているそうです。

【参考リンク】

また、AIで糖尿病患者の症状が悪化する原因の一つである「受診中断」を予測するシステムを開発|NTT・東大では、NTTと東京大学は共同で、NTTグループのAI技術(corevo™)を活用し、約900名の糖尿病患者の電子カルテデータを利用して、糖尿病患者の症状が悪化する原因の一つである患者行動「受診中断」を予測するシステムを開発したというニュースを取り上げましたが、治療の継続をしてもらうためにも、こうしたシステムを活用して、治療をやめてしまう可能性がある方にアプローチをして呼び掛けるということが一つの手段として考えられます。

女性医師の治療を受けた患者は生存率が高い!?|医師の患者に対する共感・コミュニケーションが重要な役割を果たしている?では、医療における医師と患者のコミュニケーションの重要性は高まっていることを紹介しましたが、人の行動変容を促すには根気強いコミュニケーションが必要ですので、今後一層病気の治療のためのコミュニケーションが重要になってきているのではないでしょうか?

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら

■健康データを活用して糖尿病予防をするアイデア

【糖尿病予防】ウェアラブルデバイスで健康データを記録し生活習慣を改善するモデル事業|経済産業省(2016/6/22)によれば、ヘモグロビンA1c値が高いが腎機能障害がない糖尿病一歩手前の人にウェアラブルデバイスをつけてもらい、心拍数・歩数・消費カロリー・睡眠の深さ・興奮・リラックス状況などのデータを計測し、そして血圧・体重・食事内容などを半年間記録してもらい、状態が悪化すると警告が出て、医師や看護師、管理栄養士が情報を提供し、生活習慣を改善するモデル事業が行われるそうです。

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「GLUCONOTE」|東大とドコモ、RESEARCHKITで糖尿病と生活習慣の関連性を研究するアプリを開発(2016/3/15)によれば、東京大学とNTTドコモが、Appleの「ResearchKit」を活用し、2型糖尿病患者と糖尿病予備群を対象としたアプリ「GlucoNote」を開発し、糖尿病と生活習慣の関連性を検証するそうです。

■まとめ

これらの研究が進めば、糖尿病の重症化予防につながることが期待されます。

世界的にも糖尿病患者が増えていますので、これらの研究が成功するといいですね。

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【参考リンク】

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■糖尿病の予防

亜鉛

糖尿病の人はインスリンの作用が十分でないため、細胞が十分な量のブドウ糖を血液中から取り込むことができません。

その結果、体のエネルギーが不足し、疲れやすくなります。

すい臓でインスリンを作る際には、亜鉛が欠かせません。

亜鉛にはインスリンの働きを持続させる働きもあります。

→ 亜鉛を含む食品 についてはこちら

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タウリン

タウリンには、すい臓機能を高め、インスリンの分泌を良くする働きがあると言われ、糖尿病の予防に良いとされています。

マグネシウムとタウリンを多く摂取している人は、高血圧高脂血症・糖尿病・肥満が少ないそうです。

→ タウリンを含む食品 についてはこちら

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