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高齢者向け住まい(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)と医療・介護の連携について考えることが未来の生活・社会を考えることにつながる!?




■高齢者向け住まいと医療・介護

The Coopers

by Ted Van Pelt(画像:Creative Commons)

高齢者向け住まい(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)の概要|平成28年版厚生白書
高齢者向け住まい(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)の概要|平成28年版厚生白書

参考画像:高齢者向け施設・住まいの概要|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

高齢者向け施設・住まいといっても、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループと、高齢者のそれぞれの状態に応じて必要な生活支援、介護等のサービスを利用しながら生活できるような、様々な住まいの確保が必要です。

高齢者向け住まい・施設の件数|平成28年版厚生白書
高齢者向け住まい・施設の件数|平成28年版厚生白書

参考画像:高齢者向け住まい・施設の件数|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

平成28年版厚生白書

有料老人ホームや2011(平成23)年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(平成13年法律第26号)の改正によって創設されたサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者向け住まいについては、近年に急激に増加している

平成28年版厚生白書によれば、サービス付き高齢者向け住宅など、高齢者向け住宅は、近年急激に増加しているそうです。

高齢者向け住まいと医療・介護の連携イメージ|平成28年版厚生白書
高齢者向け住まいと医療・介護の連携イメージ|平成28年版厚生白書

参考画像:高齢者向け住まいと医療・介護の連携イメージ|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

「サービス付き高齢者向け住宅」「有料老人ホーム」などの高齢者向け住まいに、24時間対応の「定期巡回・随時対応サービス」などの介護サービスや、診療所などの医療機関や訪問診療などの医療を組み合わせた仕組みの普及を図る。

その人(家族)に最も適切な高齢者向け住宅を選び、どんな介護サービスや医療を組み合わせるのが最適かを考えていくことは、まさに「Society5.0」の考え方ではないでしょうか?

CYBERDYNE株式会社と損害保険ジャパン日本興亜株式会社の包括的業務連携のお知らせ~サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合による健康で豊かな社会システム䛾構築~

(2017/10/25、サイバーダインプレスリリース)

Society5.0: 「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」(Society1.0、2.0、3.0)、そして、現在の「情報社会」(Society4.0)に続く未来社会として政府によって掲げられた「超スマート社会」(5 番目の社会)のコンセプト。科学技術イノベーションが先導する新たな社会のイメージで、AI(人工知能)や IoT (モノのインターネット)等が本格的に社会実装されます。

Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)

「必要なもの・サービスを、必要な⼈に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる⼈が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。」(第5期科学技術基本計画)

「Society5.0」とは、必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、AI(人工知能)や IoT (モノのインターネット)などのテクノロジーを活用することで、社会の多様なニーズにきめ細やかに対応でき、生き生きと快適に暮らすことができる社会のことを言います。

これまでの社会は、あらゆるものを標準化することによって、人間がその標準化された社会に合わせて生活をすることで問題を解決してきましたが、Society5.0では、多様な違いを持ったままで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会になっていくことを目指しています。

【関連記事】

「少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンス(医療・介護など)になる!」と発想を転換してみない?では、世界に先行して高齢化社会に突入している日本は、医療費削減のアイデアやよりよい介護の方法を実行できる立場にあり、それらのやり方をスタンダードにすることができるというビジネスチャンスがあるのではないか?と提案しました。

これからの介護のための車イスはどのように変わっていくの?では、テクノロジーが安全をサポートする車いすのようなアイデアが標準的なものになると考えれば、車いすの人の世界も広がっていくのではないかと書きました。

また、日常の買い物に困る「買い物弱者(買い物難民とも呼ばれる)」や移動手段に困る「交通弱者(移動弱者とも呼ばれる)」も増えていて、そうした社会的問題を解決する一つのアプローチとして、スマートモビリティやパーソナルモビリティについて考えられていますが、こうした問題を解決する際に、「一人乗り用のシェアできる無人自動運転が可能な車いす」といった新しいアイデアが役立つようになるかもしれません。

【参考リンク】

つまり、高齢者向け住宅、そしてそれに伴う医療・介護の連携を考えることは、未来の世界を創造することにつながるのではないかと考えられるのです。

■スマートホーム

最近では、スマートホームに関するアイデアもニュースになっています。

Meet the 3rd generation Nest Learning Thermostat

スマートホームのデバイスの一つとしてスマートサーモスタット「Nest」というさまざまなセンサーと人工知能が搭載された温度を調節する装置で、Nestと電化製品との連携によって、室温を快適に保ちながら、節電&省エネもできるというものを以前紹介しましたが、今回MITが開発したワイヤレスで睡眠をモニターできる技術と組み合わせれば、寝室をより快適にするためのデバイスにもなるとも考えられます。

RFID Light Bulb: Enabling Ubiquitous Deployment of Interactive RFID Systems

ディズニー研究機関、RFIDリーダー内蔵LED電球を開発–新規インフラ敷設が不要

(2017/8/4、CNET JAPAN)

Walt Disneyの研究機関Disney Researchは、RFIDリーダーやネットワーク通信機能を組み込んだLED電球を開発。電球用ソケットにねじ込んで構築、拡張できるRFIDシステムを提唱した。

また、Disney Researchが開発したRFIDリーダーやネットワーク通信機能を組み込んだLED電球と組み合わせるというアイデアも面白そうです。

AIスピーカーを搭載した組み込み型スマートステーション端末を新築全戸に標準装備

(2017/11/7、レオパレス21ニュースリリース)

<レオパレス21>スマートスピーカー搭載端末を新築全戸に

(2017/11/12、毎日新聞)

この度採用するスマートステーション端末は、AI音声認識スピーカー機能に加え、既に標準搭載されているスマートロック『Leo Lock』との連携や家電制御、AIスピーカーを利用した様々な音声案内サービス、また、センサー連携による住環境の自動制御が可能な組み込み型設備です。

レオパレス21は、音声で音楽の再生や家電操作、天気予報やニュースといったインターネットサービスとの連携ができるAI(人工知能)スピーカーを搭載し、エアコン、テレビ、照明といった備え付けの家電の制御、スマートロックとの連携などができるスマートステーション端末を、2018年1月からの新築全戸に標準装備すると発表しました。

ICTに係る商品・サービスやビジネス|第2節 経済成長へのICTの貢献~その具体的経路と事例分析等~|第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~|平成28年版 情報通信白書|総務省

スマートホームとは、住宅とICTが融合して、エネルギーの需給量を調整し、省エネルギー・節電を実現したり、センサー等による宅内の見守りや防犯、宅内の家電等の遠隔制御などを可能とした快適な暮らしを実現できる住まいである

スマートホームは、HEMS(Home Energy Management System)という電気やガスなどの使用量をモニターで可視化したり、自動制御することによって、家庭の省エネルギーのための管理ができたり、また、センサーなどによって家族の見守りや防犯ができる住まいのことですが、今回挙げたアイデアを考えるように、その人(家族)に最も適切な高齢者向け住宅を選び、どんな介護サービスや医療を組み合わせるのが最適かを考えることは大事になりそうです。







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育児と介護を同時に行なう「ダブルケア」の原因と実態とは?

【目次】




■育児と介護を同時に行なう「ダブルケア」の原因と実態とは?

Mom

by John Benson(画像:Creative Commons)

内閣府の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(2016年)によれば、一人や一つの世帯が同時期に介護と育児の両方に直面する「ダブルケア」の実態は次のようになっています。

ダブルケアを行う者の年齢構成|平成28年版厚生白書
ダブルケアを行う者の年齢構成|平成28年版厚生白書

参考画像:ダブルケアを行う者の年齢構成|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

ダブルケアに直面する前後の業務量や労働時間の変化|平成28年版厚生白書
ダブルケアに直面する前後の業務量や労働時間の変化|平成28年版厚生白書

参考画像:ダブルケアに直面する前後の業務量や労働時間の変化|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

●ダブルケアを行う者の推計人口は25万3千人

●男女別では、男性が8万5千人、女性が16万8千人と女性が男性の約2倍であり、女性に負担が偏っている

●ダブルケアを行う者は30歳~40歳代が多く、男女ともに全体の8割を占めている

●「業務量や労働時間を減らした」者は、男性で約2割、女性で約4割となっており、そのうち離職して無職になった者は、男性で2.6%、女性で17.5%となっている

晩婚化・晩産化(出産年齢の高齢化)が進んだ結果、子育てと親の介護を同時に行わなければならない問題である「ダブルケア」に注目が集まっているそうです。

このことは、日本だけでなく、アメリカにも同じような事が起きています。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアによれば、アメリカにおける事情としては、アメリカのベビーブーマー世代が高齢化するにつれて介護を必要とする高齢者の増加や介護を必要とする期間の長期化、必要な介護を受けるための経済的な仕組みが整っていないことにより、親の介護を自宅でする結果、就労することができないというのが現状のようです。

この問題には、なぜか女性が無償の介護を請け負わざることをえなければならないこと、介護サービスを受けるための経済的な仕組みが不足していること、介護を必要とする高齢者の増加と介護期間の長期化ということが隠されています。

主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書
主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書

参考画像:主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

今回取り上げるポイントは、女性への負担が大きいということです。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業していないそうで、その理由としては、女性の36%が介護のために仕事に就けないそうです。

女性が無償の介護を行なわずに就労していた場合の収入や年金を考えると、大きな損失を生んでいることがわかります。

【参考リンク】

本来であれば、男性と女性が介護の役割を分け合うというのが必要だと思うのですが、家族内で高齢者の主介護者役割を担うのはなぜか女性が圧倒的に多いそうです。

この問題を解決するためには、介護の役割は男女で分け合うと意識を改めて、両方にとって介護負担を軽くするために、テクノロジーや様々な仕組みを活用していくということが必要になるのではないでしょうか。




■まとめ

「ダブルケア」を身近な問題と思うか|平成28年版厚生白書
「ダブルケア」を身近な問題と思うか|平成28年版厚生白書

参考画像:「ダブルケア」を身近な問題と思うか|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「高齢社会に関する意識調査」(2016年)における 「「ダブルケア」の問題はあなたにとって身近な問題だと思うか」という質問に対する回答に対しては、45.4%の人が「ダブルケア」の問題を身近な問題として「思う」「どちらかというと思う」と回答しています。

現役世代の多くが「ダブルケア」の問題を抱えてしまう可能性がありえます。

ダブルケアに関する調査2018(2018/7/18、ソニー生命)によれば、「育児より介護が先に始まった」という割合はダブルケアラーの12%、30代では20%に及び、また、過去にダブルケアが続いた期間は「3年超」39%、「10年超」10%となり、かなりの負担がかかることが分かります。

だからこそ、いかに育児の負担と介護の負担を軽くすることができるのかが重要になってきます。

特に、女性への負担が大きく、介護のために労働時間を減らしたり、無職になったりするケースもあり、無償の介護を行なわずに就労していた場合の収入や年金を考えると、大きな損失を生んでいることがわかります。

女性が働きながらでも、子育ても介護もできるようにするためにはどのようにしたらよいか、自分事として考えていく必要があるのではないでしょうか?







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要介護(要支援)認定者数は2015年には約608万人|要介護者にならない段階(フレイル)で食い止める対策が重要




■要介護(要支援)認定者数は2015年には約608万人

Generations

by Florian .(画像:Creative Commons)

要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書
要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書

参考画像:要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

平成28年版厚生白書によれば、要介護(要支援)認定者数は、2000年の約218万人から2015年には約608万人と増加しています。

その理由としては、生活習慣病(慢性疾患)中心への疾病構造の変化や高齢化の進展が挙げられています。

実際に高齢者人口は増加しており、高齢化率(65歳以上人口割合)は1950年4.9%→1985年10.3%→2005年20.2%と上昇し、2015年には26.7%と過去最高となっており、今後の予測としては、2025年30.3%となるなど、2060年まで高齢化率はずっと上昇していくことが見込まれているそうです。

年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書
年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書

参考画像:年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

つまり、この予測をもとにして、現状のままの仕組みで行くとすれば、要介護者の数は増加していくでしょう。

大事なことは、少子高齢化社会というトレンドは短期間では変わらないわけですから、介護度の改善などいかに要介護者の数を減らしていけるかがポイントになってくるわけです。




■「自立支援に軸足を置いた介護への移行」「人工知能や介護ロボット(センサーを含む)などテクノロジーを活用した新しい介護の仕組み」がキーワード

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|新産業構造ビジョン|経済産業省
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最大化に向けて、高齢となっても自分らしく生きることの出来る「生涯現役社会」の実現に向けて、自立支援に向けた介護や質・生産性の⾼い介護の提供の実現が必要であるとして、できないことのお世話中心の介護から、自立支援に軸足を置いた介護への移行が必要であり、効果のある自立支援の取り組みが報酬上評価される仕組みを確立すべきとあります。

要介護度等の改善に対するインセンティブの例として、品川区や川崎市、岡山市や福井県など複数の自治体がインセンティブ措置を講じているそうです。

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最⼤化に向けて、⾼齢となっても⾃分らしく⽣きることの出来る「⽣涯現役社会」の実現に向けて、⾃⽴⽀援に向けた介護や質・⽣産性の⾼い介護の提供の実現が必要であるとして、ケアプラン作成を⽀援するAI(人工知能)や介護現場のニーズに基づいた介護ロボット(センサー含む)を開発・活⽤が必要になるとあります。

こうしたことを受けて、今後介護に関しては、「自立支援に軸足を置いた介護への移行」「人工知能や介護ロボット(センサーを含む)などテクノロジーを活用した新しい介護の仕組み」がキーワードとなっていくのではないでしょうか?

■重介護問題

「自立支援に軸足を置いた介護への移行」には重介護問題の解決にも役立つことが期待されます。

革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステム」全体計画について|科学技術振興機構

「重介護」とは、全介助・部分介助・見守りが多数組み合わされ、介護される側・介護する側にとって身体的及び精神的に重く厳しい状態であり、継続的な介護が困難な状態である。排泄の例では、全介助ではなく部分介助状態となっている方であってもその介護生活が、介護される側・介護する側にとって重く厳しく継続的な介護が困難な状態の場合は重介護となる。一方、脳・神経・筋系の障害によって身体機能改善が見込めないとされていた要介護者について、機能改善が見込める革新技術によって、介護される側・介護する側にとっての重く厳しい介護生活が緩和され、生活の継続が困難な状態から改善される場合には、重介護が改善される一例となる。

少子高齢化に伴って、介護される側(要介護者・寝たきり高齢者・患者)・介護する側(家族・社会)への重く厳しい負担がかかることを「重介護問題」を解決を目指すことが求められています。

要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省|スクリーンショット

75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円によれば、今後高齢者人口と高齢者世帯の増加に伴いサービス市場は拡大し、介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円に迫るそうですが、介護職員は2025年には約38万人不足するおそれがあるそうです。

介護福祉士ピンチ!?介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%によれば、公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」の調査によれば、2016年度の介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%だったそうです。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業しておらず、女性の36%が介護を理由に仕事に就けないそうです。

「重介護問題」は遠い未来の問題ではなく、今目の前にある問題なのです。

そのためには、要介護者の自立度を高め、介護者の負担を軽減する取り組みが重要になってきます。

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■要介護者を減らす対策

要介護者の数を減らすには、どのようにしたらよいのでしょうか?

要介護者の数を減らす方法には大きく分けて2つあります。

1.介護度を改善すること、または介護度を悪化させないこと

2.テクノロジーを活用することによって、これまで要介護者にできなかったことをできることようにすること。

1.介護度を改善すること、または介護度を悪化させないこと

介護を必要とする期間をいかに短くするか、介護度を改善または悪化を防ぐという対策を行なう必要があると思います。

●食事(栄養管理)

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

それでは、具体的にどのように対処したらよいのでしょうか?

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省

地域在住の 70 歳代の高齢者を 3 年間観察したところ、3 年間の除脂肪体重の減少が、登録時の総エネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量に依存し、五分位で最もエネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量が多い群(平均91.0 g/日、1.2 g/kg体重/日)では、最も低い群(平均56.0 g/日、0.8 g/kg 体重/日)に比較し、交絡因子で調整後においても除脂肪体重の減少が 40% 抑制されていた 39)。

また、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは 3 年後の筋力の低下と関連し 40)、さらに高齢女性の 3 年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されている 41)。

日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされている 42)。

39)Houston DK, Nicklas BJ, Ding J, et al. Health ABC Study. Dietary protein intake is associated with lean mass change in older, community-dwelling adults : the Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study. Am J Clin Nutr 2008; 87 : 150─5.
40)Bartali B, Frongillo EA, Stipanuk MH, et al. Protein intake and muscle strength in older persons : does inflammation matter? J Am Geriatr Soc 2012 ; 60: 480─4.
41)Beasley JM, LaCroix AZ, Neuhouser ML, et al. Protein intake and incident frailty in the Women’s Health Initiative observational study. J Am Geriatr Soc 2010 ; 58: 1063─71.
42)Kobayashi S, Asakura K, Suga H, et al. High protein intake is associated with low prevalence of frailty among old Japanese women: a multicenter cross-sectional study. Nutr J 2013; 12: 164

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

つまりは、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないために低栄養になってしまっていると考えられます。

低栄養はタンパク質が不足したことで起こると考えられますが、●たんぱく質(アルブミン)不足を予防するには、肉を食べるとよいそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?で紹介した熊谷修教授(人間総合科学大学人間科学部)によれば、肉をよく食べてアルブミンを上げたグループはほとんど食べないグループに比べて死亡リスクが低いそうです。

また、アルブミン値を上げるためには、鶏のささみよりも牛肉のほうが良いそうです。

それは、牛肉に含まれる「飽和脂肪酸(アルブミンを作り出すエネルギーとなる)」を一緒に摂ることができるからなのだそうです。

お肉を選ぶ場合には、脂身のある肉(豚肉やもも肉)のほうが良いそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?によれば、「15の食生活指針」に沿った食生活を実践してもらったところ、アルブミンは増加し、血色素の低下も見られなり、つまり、栄養改善の効果があらわれたそうです。

  1. 3食のバランスをよくとり、食事を抜かずにきちんと食べましょう。
  2. 油脂類の摂取が不足しないようにしましょう。
  3. 肉、魚、乳製品、卵などの動物性たんぱく質を十分に食べましょう。
  4. 肉と魚の摂取は1:1の割合にしましょう。
  5. いろいろな種類の肉を食べましょう。
  6. 牛乳は毎日200ml以上飲むようにしましょう。
  7. 野菜は緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)や根菜(大根、ごぼう、いもなど)など、いろいろな種類を毎日食べるようにしましょう。
  8. 食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯の量を減らしましょう。
  9. いろいろな調理のしかたや、食品の正しい保存法を覚えましょう。
  10. 酢、香辛料、香り野菜(ねぎ、にんにくなど)を十分に取り入れましょう。
  11. 調味料を上手に使い、おいしく食べましょう。
  12. 和風、中華風、洋風といろいろな料理を食べましょう。
  13. 家族や友人との会食の機会をたくさんつくりましょう。
  14. 噛む力を維持するために、義歯は定期的に点検をしましょう。
  15. 「元気」のための健康情報をすすんで取り入れましょう。

※2から6までの5項目が、低栄養を防ぐための動物性食品や油脂類の摂り方に関する項目です。

お肉はタンパク質が豊富で、実はバランス栄養食品です。

野菜よりも鉄分が豊富で、かつ肉は野菜より鉄分の吸収率が5から10倍高い。

またビタミンも豊富で、特にビタミンB1は豚ヒレ肉100gでレモンの17倍含んでいるそうです。

さらにミネラルも豊富なのだそうです。

ただ、あなたやあなたの家族の食事をどのようにチェックしたらよいかわからない人もいると思います。

そこで、最近取り上げられているのが、「10食品群チェックシート」です。

「10食品群チェックシート」は、様々な種類の食材が摂れているかをチェックするシートです。

  • 牛乳(チーズなど乳製品)
  • 大豆
  • 緑黄色野菜
  • 果物
  • 海藻

10食品群チェックシート|PDF(NHKチョイス@病気になった時)

http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/pdf/160430.pdf

10品目チェックシート|PDF(NHKためしてガッテン)

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/10hinmoku.pdf

【関連記事】

●口腔ケア・食事(食べ方)

●オーラルフレイル

オーラルフレイルを知って健康寿命を延ばそう|自分の歯が多く保たれている人は、健康寿命が長く、要介護期間が短い|東北大学によれば、東北大学の松山祐輔歯科医師が行なった研究によれば、自分の歯が多く保たれている人は、寿命が長いだけではなく、健康寿命(日常生活に制限のない期間)が長く、要介護でいる期間が短いことがわかったそうです。

食べこぼしやわずかなむせ、噛めない食品の増加というのは一つ一つを見るとささいなことですが、こうした症状が合わさって起こるということは口腔機能の低下のサインであり、オーラルフレイルという口腔機能低下を含む身体の衰えの一つです。

オーラルフレイルについて調べていたところ、「オーラルフレイル仮説」という考え方があることを見つけました。

オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)
オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)

参考画像:食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)|スクリーンショット

食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)によれば、オーラルフレイル仮説とは「前フレイル期」「オーラル・フレイル期」「サルコ・ロコモ期」「フレイル期」と4つのフェーズ(段階)に分かれていて、フェーズが移行するに伴い、QOLの低下・日常生活機能の低下、病気にかかりやすくなる、服薬する薬の種類が増えていくという考え方です。

ポイントとなるのは、第1期の「前フレイル期」と第2期の「オーラル・フレイル期」の段階で、歯磨きをしっかり行う、歯科医院に定期的に通ってチェックしてもらうなどいかに対策を行なっていくかということです。

この考え方が浸透すれば、定期的な歯科医院でのチェックで、サルコペニアやロコモティブシンドローム、フレイルに移行する前に、何らかの対策が必要であることを促すという流れができることにより、要介護状態になることを防ぐことができるようになるかもしれません。

●嚥下障害

要介護者の約6割に咀嚼や嚥下に問題がある|嚥下障害チェックテスト・嚥下障害対策(健口体操・嚥下体操)で紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の約6割に咀嚼(そしゃく。かむこと)や嚥下(えんげ。飲み込むこと)に問題があるそうです。

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサインとは?によれば、厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

高齢者にとって肺炎は怖い病気であり、肺炎を引き起こす原因としては、「嚥下障害(えんげしょうがい)」によって起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が挙げられます。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

そのため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になります。

1.口腔ケア

口の中の細菌を繁殖させないようにするために、歯磨き(入れ歯の人は入れ歯の洗浄)で口の中を清潔に保ちましょう。

また、唾液の分泌が減ると、口が乾きやすくなり、雑菌だらけの唾液が肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすおそれがあるので、唾液の分泌をうながすようにしましょう。

唾液がよく出る健口体操

童謡の「むすんでひらいて」に合わせて口を動かす

「むすんで ひらいて ベロを出して むすんで

またひらいて ベロ出して そのベロを鼻に

ベロを右に ベロを左 ベロをぐるぐる回します」

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また、ドライマウスにも気を付けましょう。

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2.誤嚥を防ぐ対策(嚥下反射を改善する嚥下障害対策)

●胃液の逆流を防ぐ

嚥下障害と誤嚥性肺炎

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。

誤嚥予防のために、食後すぐに横にならずに、2時間程度座った姿勢を保つことで、胃液の逆流を防ぎましょう。

→ 逆流性食道炎の症状・原因・治し方・食事 について詳しくはこちら

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嚥下体操

嚥下反射を改善させるために、嚥下体操を行ないましょう。

(1)腹式呼吸

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。

吸うのを4回、吐くのを8回。

(2)首の体操

  1. 前に後ろに動かします。
  2. 右に左に動かします。
  3. 首筋を伸ばします。

(3)肩の体操・腕の体操

肩をゆっくり上げてそのままにして、ストンと落とす。

片方の腕を上げて、もう片方の手で引っ張ります。

(4)発音練習

唇を使って、「ぱっ・ぱっ・ぱっ」「まっ・まっ・まっ」と発音し、舌を使って「たっ・たっ・たっ」「らっ・らっ・らっ」と発音します。

【参考リンク】

●運動

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態のことをいいます。

加齢による筋力やバランス能力の低下によって、ロコモティブシンドロームになっているそうです。

ロコモティブシンドロームを予防するには、どうしたらよいのでしょうか。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでは不十分で、筋力強化なども併せて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指す。

それが、介護予防にもつながる。

痛みに対する治療だけでなく、日頃から筋力を強化することで運動の状態を維持していくことが、大事なようです。

毎日運動している人としていない人との間には体力に大きな差がある!?|2014年度体力・運動能力調査で紹介したスポーツ庁の2014年度体力・運動能力調査によれば、高齢者(65~79歳)で、ほとんど毎日運動している人と運動をしない人では、体力に大きな差があることがわかりました。

記事の中には、ロコモティブシンドロームの予防に取り組む目安の五項目が紹介されています。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

日本整形外科学会は、予防に取り組む目安として五項目を紹介している。

片脚立ちで靴下がはけない
▽階段を上るのに手すりが必要
▽横断歩道を青信号で渡りきれない
▽十五分くらい続けて歩けない
▽家の中でつまずいたり滑ったりする-。

この5項目のうち、一つでも当てはまる人は、ロコモティブシンドロームを予防するロコモーショントレーニングを薦めているそうです。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

効率よく筋力強化ができるのが目を開けての「片脚立ち」。

松井医長によると、片脚立ちは両脚立ちに比べ二・七五倍の負荷がかかり、一日三回、左右一分間の片脚立ちは、約五十三分間の歩行に相当するという。

支えが必要なら、机に手をついて行ってもよい。

「スクワット」はお尻を低く下ろせばより筋力が鍛えられるが、継続するには浅い角度の方が安全だ。

脚はかかとから三〇度くらい外側に開き、体重が脚の裏の中央にかかるように意識する。

現在の筋肉を維持しようという人がウォーキングだけをしても、筋肉は衰えていってしまいます。

筋肉を衰えさせないためにも、筋トレが必要。

ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングとして紹介されているのは、「片脚立ち」と「スクワット」です。

片手だけまたは手を使わずに床に座ったり立ったりできる人は長生きできる?によれば、中高年で床に座ったり立ったりが片手だけで、または手を使わずにできる人は筋骨格がしっかりしており、それができない人に比べて長い寿命が期待できるそうです。

また、おすすめなのが「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。

2.テクノロジーを活用することによって、これまで要介護者にできなかったことをできることようにすること。

メディアアーティスト・落合陽一、「介護市場を開放したい」

(2017/9/12、ニュースイッチ)

身体の不自由な人を抱きかかえて入浴するには腕力がいるし、車いすで移動する時には絶えず周囲に注意が必要。コミュニケーションで高齢者の気持ちを明るくし、生活を活発化することなど、技術の活躍する場は多い。

介護作業を支援するロボットや介助者がいなくても使える車いす、コミュニケーションロボットなど介護の現場で役立ちそうなアイデアが紹介されています。

Telewheelchair at Laval Virtual Awards

そこで筑波大の落合研究室では、既存の電動車いすに介助者の目の代わりとしてリコーの全天球カメラ『シータ』を組み合わせた「Telewheelchair(テレウィールチェアー)」の研究を進めている。特別ではないハードウエアの組み合わせを、ソフトウエアで結合して機能を追加したのが特徴だ。映像を転送して遠隔操作したり、障害物を検知して自動で停止する。

例えば、Digital Nature Groupでは、「Telewheelchair」というアイシン精機の電動車いすとRICOHの360°すべてを撮影する全天球カメラ『THETA』を組み合わせて、ソフトウェアで結合し、VRでリモートコントロールしたり、障害物を検知して自動で停止するという車いすを開発しているそうで、この車いすであれば、介助者の負担を軽減することになることが期待されます。

また、排泄に関してなど、人によっては人間(身近な家族や介助者)よりもロボットのほうが恥ずかしくないので良いという分野もあるのではないでしょうか。

The Future of Hotel Delivery Service

ResidenceInnLAXCaseStudy (Japanese Subtitles)

人間用エレベーターも乗りこなす「荷物お届けロボット」、品川プリンスホテルに現る

(2017/9/14、ITmediaニュース)

 Relayは、レーザーセンサーと3Dカメラを使って屋内の環境や現在位置を特定する技術「SLAM」(Simultaneous Localization and Mapping)を利用しているという。

ロボットベンチャー企業の「Savioke」が開発したのは、部屋へ荷物を届けることに特化した自律走行型ロボット「Relay(リレイ)」です。

Relayは客から荷物の運搬を依頼されたホテルのスタッフの指示を受け、自分でエレベーターに乗り降りして、部屋の前に到着すると電話をかけて、ドアが開き、荷物をお客さんが取り出すと、自動で戻るという仕組みです。

こうしたアイデアこそ介護者の負担、介護される側の心理的負担を軽減してくれるのではないでしょうか?

■まとめ

介護については、どれか一つの対策をとるのではなく、さまざまな対策を組み合わせて行なっていかないと解決しない問題だと思います。

しかし、少子高齢化や要介護者の問題ははネガティブな側面だけではなく、ポジティブにとらえると一つのチャンスになる可能性があり、「少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンス(医療・介護など)になる!」と発想を転換してみない?でも紹介しましたが、日本は高齢化社会の新しいイメージを伝えるモデルケースとして、高齢化社会を引っ張るリーダーとなる可能性もあります。

例えば、大人用紙オムツの売上が子供用オムツの売上を追い抜いた!?|日本の紙おむつが国際規格化|高齢化社会がビジネスチャンスに変わる!?によれば、大人用紙おむつの評価方法に関する規格「ISO15621尿吸収用具―評価に関する一般的指針」が改訂し、欧米の「テープ止め型(体にテープで固定するタイプ)」ではなく、日本が提案する装着車の症状や生活環境に合わせたきめ細かい高齢者介護学科脳になるパンツ型やテープ止め型のおむつに吸着パッドを挿入するタイプなどを規格化されました。

つまり、世界に先行して高齢化社会に突入している日本は、医療費削減のアイデアやよりよい介護の方法を実行できる立場にあり、それらのやり方をスタンダードにすることができるというビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?

また、こうした考え方を発展させれば、人間と機械(人工知能・ロボット)と一体化して、人間の能力を強化・拡張していくことによって、未来の社会基盤を構築していくことにもつながると思います。

この考え方は、ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)という暦本純一さんが提唱するコンセプトで、人間とテクノロジー・人工知能が一体化することで、知覚、認知、身体、存在感の4つの分野で人間の能力を強化・拡張していくIoA(Internet of Abilities:能力のインターネット)という未来社会基盤の構築を視野に入れた、最先端の研究を体系化していく学問領域です。

【関連記事】

https://twitter.com/ochyai/status/863280246140698624で落合陽一さんはAIやロボットなど自動化技術によって、高齢化社会で成長する方法を提案しています。

高齢化社会をベースにすると発想を転換すると、それに合わせたテクノロジーが生まれることによって、もしかすると、若者にとっても過ごしやすい社会になるかもしれませんし、すでにそうした兆しも見えています。

ぜひこれをチャンスに変えてほしいですね。







【ロコモティブシンドローム関連記事】
続きを読む 要介護(要支援)認定者数は2015年には約608万人|要介護者にならない段階(フレイル)で食い止める対策が重要

「#Noom」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始




■「#Noom」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始

「Noom」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ
「Noom」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ

参考画像:世界4500万DLのヘルスケアアプリNoomが、AIと専門のコーチによる新プログラムをリリース(2016/5/25、Noom Japan株式会社プレスリリース)|スクリーンショット

世界4500万DLのヘルスケアアプリNoomが、AIと専門のコーチによる新プログラムをリリース

(2016/5/25、Noom Japan株式会社プレスリリース)

NY発のヘルスケアアプリを運営するNoomはこれまでのAI(人工知能)による行動学習システムに加えて、正しい健康習慣を身につけるために構成された16週間のカリキュラムと、オンライン上のコーチングを行なう新プログラムをリリースしました。




◆特徴その1 行動変容を促す、16週間のカリキュラム

成功するプログラムをステージごとに分けて考えているようです。

Noomのサイトを参考に紹介します。

ステージ1 意識を変えよう

まず、今の自分の状態を知り、正しい食事・運動・睡眠などの知識を知るのが最初のステップです。

ステージ2 行動を変えよう

課題を見つけ、動機づけを行いながら、具体的な行動を実行に移していきます。

ステージ3 習慣を変えよう

健康習慣を身につけて、プログラム終了後も継続できるようにしていきます。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

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また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

では、どのようにすれば習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、このプログラムにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?

どのような目標を立てるのかも大変重要です。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、

「いかに小さな成功であってもそれを積み上げることで自信につながる」

NFLコーチ ビル・パーセルズの言葉を紹介しています。

手の届く範囲の目標を掲げて、それを達成することにより、小さな成功を感じることは、その人にとっての自信になるはずです。

◆特徴その2  学習機能により、一人ひとりに最適化

世界4500万DLのヘルスケアアプリNoomが、AIと専門のコーチによる新プログラムをリリース

(2016/5/25、Noom Japan株式会社プレスリリース)

食事や運動の記録をアプリが学習し、一人ひとりの食生活にあわせて最適化されていく。ユーザの1日の食事内容は、健康度に応じて緑、黄、赤に分けた3色グラフに分けられ、自分の食事の健康度を知ることもできる。

人工知能(AI)を活用して、食事や運動の記録を学習し、最適化していくそうです。

最適化とは具体的にどのようなものかはわかりませんが、明確でわかりやすい方法を示すことが重要だと考えられます。

◆特徴その3 コーチングサポートと、仲間とのコミュニケーションの場

世界4500万DLのヘルスケアアプリNoomが、AIと専門のコーチによる新プログラムをリリース

(2016/5/25、Noom Japan株式会社プレスリリース)

コーチがユーザのやる気を引き出し、継続をサポートする。アプリ内では、Noom のトレーニングを受けた専門コーチと一対一のコミュニケーションを行い、コーチは生活の記録から「何をどう改善していけばいいか」をアドバイスする。

これまでにも備わっていたNoomのグループ機能をうまく用いて、同じ健康目標をもつ利用者同士のコミュニケーションを促し、コーチや仲間と一緒に減量ができるようにしている。認知行動療法など、心理学的なアプローチを組み込んだプログラムとなっている。

新しい習慣に変える上で重要なのが、習慣になるまでが大変だということで、そのモチベーションをいかに保たせるかということです。

そこで、Noomでは、コーチによるアドバイスや利用者同士のコミュニケーションを行うことでモチベーションを維持しようという取り組みを行うそうです。

ダイエットは仲間と一緒に取り組むと成功しやすい!?によれば、ダイエットのモチベーションを保つのは一人では難しいようで、女性の場合には、一緒にダイエットをしてくれる仲間を探すことがダイエット成功の近道なのだそうです。

女性の脳の特徴を活かしてダイエット|ためしてガッテン(NHK)によれば、友達と一緒に運動をしたり、ダイエット情報(体重グラフ分析)の交換をすると、楽しくダイエットが出来るそうです。

また、女同士のウラの顔|ホンマでっかTV 4月25日によれば、女子にはグループで目標を立てて皆で協力した方が成績が伸びやすいそうです。

NASAの男女混成チームを見ると、成功の要因はチームのコミュニケーションがとれていること。

コミュニケーションを円滑にする女性特有の能力。

そして、目標を達成しようという男性が得意な能力。

それらがうまく組み合わさるとき、最強の力を発揮するチームが生まれるのではないか。

男性だけだと、競争が優先されるため、より遠くまで探査できるが、人命救助がおろそかに。

女性だけだと、お互いを気遣うあまり、探査が思うように進まない。
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社会的な「つながり」をダイエットに活用する|社会的な絆が強い人の影響を人は受けやすいによれば、近くに住んでいる人よりも社会的な絆が強い人の影響を人は受けやすいので、ダイエットを一緒に努力しているメンバーが時にはライバルとして、時には応援する人として、社会的絆が強くなればそれだけダイエットへの影響を強く与えることができるということではないでしょうか。

■まとめ

健康のためにはバランスの良い食事と運動が重要とよくいわれますが、そういわれたからといって、人は習慣を変えないものです。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

つまり、「健康のためにはバランスの良い食事と運動をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような、○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょうというのは、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

「健康のためにはバランスの良い食事と運動をしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあります。

もし、Noomを改善するとしたら、人工知能(AI)を活用して、様々な人の生活習慣をデータとして読み込ませ、個人のユーザーのデータと比較し、比較したデータの中から、最も変化を与えるのに効果的な生活習慣1つを提案するように変えてみてはどうでしょうか。







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見たら体感したくなる!「介護入浴向け泡シャワー装置」(モリタ)が開発された理由・効果|#所さんお届けモノです




■「介護入浴向け泡シャワー装置」が開発された背景・効果|#所さんお届けモノです!

「介護入浴向け泡シャワー装置」(モリタ)
「介護入浴向け泡シャワー装置」(モリタ)

参考画像:【モリタグループ】泡シャワー装置デモンストレーション|YouTubeスクリーンショット

2017年11月19日放送の「所さんお届けモノです!」では福祉・介護の展示会で見つけた「介護入浴向け泡シャワー装置」(モリタグループ)を紹介しました。

【モリタグループ】泡シャワー装置デモンストレーション

なぜ「介護入浴向け泡シャワー装置」を開発することになったのでしょうか?

「入浴介助」「洗髪」「身体の清拭」は事業者のみの介護が多く、それ以外は主な家族等介護者のみが多い|介護内容別にみた介護者の組み合わせの構成割合|グラフで見る世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省
「入浴介助」「洗髪」「身体の清拭」は事業者のみの介護が多く、それ以外は主な家族等介護者のみが多い|介護内容別にみた介護者の組み合わせの構成割合|グラフで見る世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省

参考画像:介護内容別にみた介護者の組合せの構成割合|グラフで見る世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省|スクリーンショット

介護内容別にみた介護者の組合せの構成割合|グラフで見る世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果からによれば、「入浴介助」「洗髪」「身体の清拭(体をふく)」は事業者のみの介護が多いことから考えられるのは、入浴に対するニーズに高いのですが、入浴介助は負担が大きいため、事業者による介護に頼っているという現状があることがわかります。

施設業務の改善要望点|福祉用具・介護ロボット実用化支援事業 事業報告書|厚生労働省
施設業務の改善要望点|福祉用具・介護ロボット実用化支援事業 事業報告書|厚生労働省

参考画像:施設業務の改善要望点|福祉用具・介護ロボット実用化支援事業 事業報告書(平成24年3月、厚生労働省)|スクリーンショット

ただ、福祉用具・介護ロボット実用化支援事業 事業報告書(平成24年3月、厚生労働省)によれば、施設内で行っている業務で苦慮している点・改善したい点について要望の多かった点として、「入浴に関する介護負担の軽減」(5割強)という入浴介助における介助者の負担が大きいという実態があります。

また、介護入浴向け泡シャワー装置の開発と評価Ⅰ 装置の開発( Development and Evaluation of Foaming Shower System for Care Bathing:Ⅰ- Development – )で紹介されている介護施設によるヒアリングではさまざまな問題点があることもわかったそうです。

●肌乾燥予防のため、良く泡立てた泡で優しく体を洗うことの重要性は理解していても、泡立ての手間や難しさから、十分に泡立った状態で洗えていない

●泡がほとんどない状態で全身を擦り洗いすることに力が必要で、また洗う際に介護者が上下に体勢を変える動作が多いことが負担

●寒い時期には寒さを訴える高齢者が多く、保温のため洗身中にもシャワーでお湯をかけ続けることがある

こうした課題をもとに考えられたアイデアが、適度に泡立てられた温かい泡で全身を覆いながら体を洗うことにより、被介護者の入浴満足度の向上(泡による保温と肌の乾燥予防)と同時に介護者の負担軽減をするというものです。

そこで、考えられたのが、消防車の消火装置(CAF:Compressed Air Foam System)として用いられている技術を応用した「泡シャワー装置」です。

この「泡シャワー装置」に期待される効果は、先程紹介したように、泡の保温性から被介護者の入浴満足度が向上されるだけでなく、しっかり泡立てられた泡で洗うことにより肌への摩擦が小さくなることから肌の健康にも良いことが期待できます。

また、介護者にとっては泡立てる作業やシャワーで被介護者の体を温めるという作業がなくなることで作業がシンプルになり、作業時間が短縮することが期待されます。

泡による保温効果については、介護入浴向け泡シャワー装置の開発と評価Ⅱ 保温性の評価(Development and Evaluation of Foaming Shower System for Care Bathing:Ⅱ- Evaluation of the thermal effect -)によれば、泡により皮膚の温度低下が抑制され、被験者は温かく感じており、洗い流した後もしばらく残ったことから、泡の身体保温効果が高いと考えられるそうです。




■まとめ

以前、「少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンス(医療・介護など)になる!」と発想を転換してみない?では、世界に先行して高齢化社会に突入している日本は、医療費削減のアイデアやよりよい介護の方法を実行できる立場にあり、それらのやり方をスタンダードにすることができるというビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?と提案しましたが、「介護入浴向け泡シャワー装置」(モリタグループ)は介護における問題を解決するためのシャワー装置でありながら、若い世代にとっても新しいスタンダードとなりうるシャワー装置になる可能性があるかもしれません。







【参考リンク】
続きを読む 見たら体感したくなる!「介護入浴向け泡シャワー装置」(モリタ)が開発された理由・効果|#所さんお届けモノです