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【ヒアラブル】ウェアラブルデバイス、次に注目されるのは「耳の中」!?|耳の中から生体情報が取得可能|耳の穴で反響した音の違いによって個人認証




■ウェアラブルデバイス、次に注目されるのは「耳の中」!?

Portrait in Florence

by Dan Cook(画像:Creative Commons)

ウエアラブル、次の狙い目は「耳」

(2014/11/30、日経デジタルヘルス)

杤久保修氏(横浜市立大学 医学部 社会予防医学 寄附講座・特任教授)は、ウェアラブルデバイスを装着し生体情報の取得場所として「耳」に着目しているそうです。

その理由は2つ。

1.ながら作業が可能

眼鏡型の場合は視界が遮られることによりうっとおしさを感じる可能性がありますが、耳の中ではながら作業ができます。

2.耳の中は様々な生体情報が取得可能

耳の中の温度(耳孔温度)は脳の温度に近く、耳孔温度が脈拍数と同期して変動するような時は体調が良く、リズムが狂うと体調が崩れやすいそうです。

音楽を聞きながらでも健康に関するデータを取得できれば面倒くささもありませんよね。

また、耳の中の温度は脳の温度に近く、脳のリズムを反映するということですので、耳につけるからこそわかる情報もありそうです。

■ヒアラブル端末とは?

耳に“秘書”が住み込み、同時通訳から決済までこなす

(2017/5/19、日経テクノロジー)

ヒアラブル(Hearables)端末は、ヘッドホン(headphone)とウエアラブル(wearable)を合わせた造語で、主にBluetoothを用いたワイヤレスのヘッドホンやイヤホン、補聴器などを指します。

ウェアラブルデバイスの中でも、耳に関連したものを「ヒアラブル」というふうに考えるとよいのではないでしょうか。

■耳の穴で反響した音の違いによって個人認証

NEC、人によって異なる耳穴の形状を音で識別する生体認証技術を開発
NEC、人によって異なる耳穴の形状を音で識別する生体認証技術を開発

参考画像:NEC、人によって異なる耳穴の形状を音で識別する生体認証技術を開発(2016/3/7、NEC)|スクリーンショット

NEC、人によって異なる耳穴の形状を音で識別する生体認証技術を開発

(2016/3/7、NEC)

耳の各部のサイズや形状は人によって異なるため、個人の判別に有効です。一般に音響信号は外耳道から鼓膜に達し、さらに中耳、内耳へと進みます。特に、外耳道を通って鼓膜で反射して返ってくる信号成分と、鼓膜を通過してさらに奥で反射して返ってくる信号成分が重要であることが実験の結果分かりました。本技術は、これら2種類の信号成分に対応する周波数帯を含む少数の特徴量を抽出します。本特徴量により、少ない計算量での動作が可能になるとともに、外的環境の影響を排除することで、安定して高精度な認証(99%以上)を実現します。

NECは、長岡技術科学大学と協力して、耳の穴で反響した音の違いによって、個人を判別する生体認証技術を開発したそうです。

【ピースサインに要注意!?】ネット上に投稿された手の画像から指紋が読み取られてしまう!?によれば、生体認証として、指紋認証や虹彩認証(目)、歩容認証(歩き方)などの個人認証システムが開発されていますが、耳の穴の形状で生体認証する技術も今後注目を集めるのではないでしょうか。

→ NEC、人間の耳には聴こえない音で個人を識別する耳音響認証技術を開発|なりすまし防止、医療現場やコールセンターなどでのハンズフリー認証による業務効率化、スマートイヤホンへの応用に期待 について詳しくはこちら

【参考リンク】

■耳の穴にセンサーを接触させて体温を計測するウェアラブル体温計「degree°」

degree° – continuous thermometer for children

degree°(indiegogoのサイトに移ります)」は、接触型センサー部分を耳の中に入れて体温を常に計測するウェアラブル体温計です。

先ほどの記事で紹介した杤久保修さん(横浜市立大学 医学部 社会予防医学 寄附講座・特任教授)によれば、耳の中の温度(耳孔温度)は「脳の温度に近く、脳が生み出す(生体)リズムを反映する。耳孔温度が脈拍数と同期して変動するような時は体調が良く、両者のリズムが狂うと体調が崩れやすい」とコメントしていましたから、体調管理をするウェアラブルデバイスの装着場所として「耳」を選ぶというのは自然なのかもしれません。

【参考リンク】

■まとめ

耳をウェアラブルデバイスの装着場所として活用することは、1.ながら作業が可能、2.耳の中は生体情報が取得可能であるため、視界が遮られないため、うっとうしさがないため、注目していきたいですね。

また、耳の穴の形状や耳の穴で反響した音は人それぞれ違うため、例えば、個人認証が必要とされるときにも、全てをビデオで録画されることには抵抗がある人もいるかもしれませんが、音によって個人認証ができるようなことができれば、音の記録だけで映像は必要がないため、プライバシーを守りながら、セキュリティ対策ができる可能性がありそうです。







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糖尿病アプリで行動が変化し、空腹時血糖値や収縮期血圧が試験前より改善|東大病院

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【目次】

■糖尿病アプリで行動が変化し、空腹時血糖値や収縮期血圧が試験前より改善

糖尿病アプリ「dialbetics」で行動が変化し、空腹時血糖値や収縮期血圧が試験前より改善|東大病院
糖尿病アプリ「dialbetics」で行動が変化し、空腹時血糖値や収縮期血圧が試験前より改善|東大病院

参考画像:DialBetics ―ダイヤルベティクス―|YouTubeスクリーンショット

東大病院で見えた、糖尿病アプリの効果

(2016/9/20、日経デジタルヘルス)

ICT医療を研究する東大の健康空間情報学講座では、糖尿病患者向けに生活習慣の改善や糖尿病の自己管理のためのアプリ「DialBetics」を開発した。血糖値や血圧、歩数などの計測値に対して自動応答するもので、リスクの高いデータは「ドクターコール」として医師に転送するシステムである。東大の工学部と共同で開発しており、例えば、食事の記録に関しては、撮影画像を認識して料理を提示し、ユーザーの入力を補助する機能も備えた。

脇嘉代さん(東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座 特任准教授)は、糖尿病患者向けの生活習慣の改善や糖尿病の自己管理のためのアプリ「DialBetics」を開発し、東京大学医学部附属病院の2型糖尿病患者を対象に、測定(DialBetics利用)・非測定(非利用)の2群に分けて、3カ月間のHbA1cなどの変化を比較するという実験を行なったそうです。

DialBetics ―ダイヤルベティクス―

試験の結果、体重や血圧、血糖値、運動などを記録した測定群では、食生活で食物繊維を多く摂取し、炭水化物は減らすなど行動変容が見られ、空腹時血糖値や収縮期血圧などが試験前より改善する傾向があった。

測定群では、食物繊維を多く摂取し、炭水化物は減らすなど生活習慣に変化が見られ、また測定結果も空腹時血糖値や収縮期血圧などが試験前より改善する傾向があったそうです。

被検者のアンケートからは、毎日の測定と測定結果へのフィードバックが、生活改善につながっていることが分かったとする。「医薬の試験は投与が終われば効果もなくなるが、行動変容が起きると、実験後も効果が続きやすい」(脇氏)。

この結果からどういうことが考えられるでしょうか。

  • どういう行動をするとどういう結果が出るのかというのが明確になったことで、健康的な生活習慣を選択するようになったのではないか。
  • 測定するということで、健康的な生活習慣を選びがちになるのではないか。

糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がるで紹介した国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

保健指導で4人に1人が脱メタボに成功(2012/3/17)によれば、生活習慣病になりやすいメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と判定され、保健師らによる特定保健指導を受けた人を対象に、厚生労働省が行った大規模な追跡調査で、約4人に1人が1年間でメタボ状態を脱していたことがわかっています。

自分自身で意識的に行動を変えることやアドバイス・指導を受けることで行動を変えたことにより成果を出ているという例はいくつかあります。

しかし、それが長く続かないのが人間です。

脇さんによれば、「行動変容が起きると、実験後も効果が続きやすい」とありますが、肥満の人への減量指導効果は2年で失われる!?-筑波大(2014/12/9)によれば、肥満の人に半年間、専門家が集団での減量指導をした効果は2年で失われることがわかっています。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症を予防するには、医師と相談しながら、治療を継続していく必要があり、患者の大半もその治療方針を理解し、治療の重要性を認識しているのですが、糖尿病の治療を継続していくことができない人が半数もいるそうです。

つまり、自分自身ではどんなに治療の重要性を認識していても、継続するのは難しいのです。

人は忘れる生き物であり、また習慣の生き物です。

だからこそ、継続的に指導をすることが重要になってきます。

以上のことをまとめると、次のようになります。

一人だけの意志で治療継続するのは難しく、生活習慣の改善には何かの手助けが重要であるということ。

そして、保健指導は効果を発揮するものの、その指導効果は2年で失われるため、指導自体も継続することが必要なこと。




■ICTを活用した個人の健康管理がカギ!

医療・健康分野におけるICT化の今後の方向性(平成25年12月、厚生労働省)によれば、

健康寿命を延伸するためには、ICTを利用した個人による日常的な健康管理が重要

だと書かれています。

ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報通信技術)の略です。

ICTを活用した医療分野への活用の例としては次の通り。

  • 電子版お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人が自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し活用する仕組み
  • 地域包括ケアシステム(電子カルテ情報を地域の診療所が参照する)
  • ICTを活用してレセプト等データを分析し全国規模の患者データベースを構築し、疾病予防を促進

ICT医療においては、ICTを活用した個人の健康管理がスタートであり、カギとなります。

今回紹介したような糖尿病患者向けに生活習慣の改善や糖尿病の自己管理のためのアプリが活用される機会が増えていくのではないでしょうか。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







【ビッグデータ関連記事】
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「ストレスの見える化」ができるツールやアプリに注目!|体の動き・皮膚ガス・皮膚の色の変化・声帯の変化・脈拍の変動




【目次】

■「あさチャン」で「ストレスの見える化」特集

Women In Tech - 85

by WOCinTech Chat(画像:Creative Commons)

2017年11月8日放送の「あさチャン」(TBS系)では「ストレスの見える化」について特集されていましたので、これまで紹介してきたストレスの見える化に関するニュース(ツール・アプリ)についてまとめてみたいと思います。

■体の動きでストレスチェックできるツール

スマホのセンサで測り、AIが解析する「組織の活性度(組織の幸福感)」をチェックするツールでできる2つの可能性|ストレス度チェック・イノベーション度チェック|日立

日立製作所は、名札型センサーを活用せずに、スマホに内蔵されている加速度センサーのデータを活用し、デスクワークなどで生じる体の揺れを感知し、そのデータを、AIが解析することで組織の幸福感(組織活性度)を計測する技術を開発しました。

このニュースで興味深いと感じた点はこちら。

「全体的なストレスが高い組織では、無意識に身体が静止してしまう確率が上がることがわかりました」

ストレスがかかっているという状況が体の動きを静止してしまっていることが予想されます。

ここから考えられることは、チームの元気度が計れると同時に、ストレス度もチェックできるのではないかという点です。

うつ病を見える化する光トポグラフィー検査とはどんな検査?によれば、光トポグラフィーは頭に近赤外線を当て、反射してくる光から脳血流の変化を読み取り、脳の活動状態を数値化する装置なのだそうで、健常者の場合は、脳の使い始めにどっと血流量が増え、活動中は高値で維持されるのに対し、うつ病患者は課題の始まりに反応するが、血流量がなかなか増えないという特徴があるそうです。

うつ病の疑いがあっても本人は気づかなかったり、言い出せなかったりする可能性がありますが、光トポグラフィー検査を使えばうつ病を見える化することができます。

この検査と同様に組織の元気度をチェックすることで、より早くストレスがかかっている状況を把握することができるのではないでしょうか。

■皮膚ガスでストレスチェックできるデバイス

皮膚ガスを検知して疲労度やストレス度を測るデバイスの開発|皮膚ガス分析による健康管理で病気予防|東海大学

東海大学関根嘉香教授は皮膚から出るアンモニアに着目し、体の一部に貼るだけで疲労度やストレス度を測るデバイスを開発したそうです。

【大学研究室Vol.8】皮膚から出るガスを疾病予防に役立てる

(2016/11/14、technologist’s magazine)

皮膚ガスの放散経路は、「血液中の化学物質が揮発して直接放散」「血液から汗腺を経由して放散」「皮膚表面で生成して放散」の3つ。皮膚ガスに含まれる化学物質の種類や量の分析により、健康状態の診断に利用できる可能性があるという。

「アルコールが代謝されると、血液中のアセトアルデヒドが揮発して皮膚から放散されます。筋肉が疲労すると乳酸やアンモニアがつくられ、乳酸は体内に溜まりますが、アンモニアは皮膚から揮発します」

皮膚ガスの分析によるストレスチェックなどの健康診断は、採血による精神的・肉体的負担が少なく、また、呼気分析のように、呼気量の多い少ないでガスの濃度が変化する心配や一日に何度も調べる面倒さがないのがメリットとして挙げられます。

【参考リンク】

【関連記事】




■皮膚の色の変化でストレスチェックできるアプリ

【#金スマ】自律神経を整える方法・自律神経測定アプリ(小林弘幸先生)

COCOLOLOはスマホのカメラに指先を当てて、皮膚の色変化から心拍の揺らぎを検知し、ストレスチェックを行うアプリ
スマホカメラに約30秒強、指先を当てて、皮ふの色変化から心拍のゆらぎを検出し、8タイプのキモチ(ストレス・リラックスの傾向、お疲れ具合等)を簡単に「見える化」するアプリで、ストレスチェックができます。

参考画像:COCOLOLO-心拍のゆらぎで8タイプのキモチをチェック-|App Storeスクリーンショット

スマホカメラに約30秒強、指先を当てて、皮ふの色変化から心拍のゆらぎを検出し、8タイプのキモチ(ストレス・リラックスの傾向、お疲れ具合等)を簡単に「見える化」するアプリで、ストレスチェックに最適です。

<中略>

2015年4月23日の「人間情報学会」にて、本アプリのスマホカメラでの測定精度が、専用センサと比較して、80%以上の高い相関を実現していることを、神戸大学、順天堂大学医学部との共同研究成果として発表しています。(なお、単なる心拍数であれば、ほぼ100%の相関を実現)

COCOLOLOはスマホのカメラに指先を当てて、皮膚の色変化から心拍の揺らぎを検知し、ストレスチェックを行うアプリなのだそうです。

【関連記事】

■声帯の変化でストレスチェック

日立システムズ、「音声こころ分析サービス」を開発|なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試験導入

日立システムズは、PSTが開発した声帯の変化(不随意反応)を分析して心の状態を「見える化」する未病音声分析技術MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)を利用し、スマホなどの音声データから心の状態の変化を捉え、病気の予防や兆候の早期発見につなげる「音声こころ分析サービス」を開発したそうです。

なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)の原理
なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)の原理

参考画像:日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入(2017/2/3、日立システムズ)|スクリーンショット

日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入

(2017/2/3、日立システムズ)

感情をつかさどる脳の大脳辺縁系(へんえんけい)は、神経で声帯と直接つながっているため、脳がストレスを感じると、声帯にシグナルが送られます。例えば、リラックスした状態では声帯は緩み声の周波数は低く、また緊張した状態では声帯は固くなり周波数が高くなります。このように心の状態は自分ではコントロールできない声帯の変化(不随意反応)として表れるため、その変化を解析して、心の状態を「見える化」します。

大脳辺縁系は神経で声帯と直接つながっており、声帯の変化は自分ではコントロールできないので、声帯の変化を分析することで、心の状態を「見える化」することができるそうです。

■顔画像から脈拍数を測定し、脈拍の変動からストレスレベルを推定するサービス

働き方の可視化を通じて生産性向上に貢献する「働き方改革支援サービス」を構築

(2017/10/2、パナソニックプレスリリース)

脈拍の変動から推定するストレスチェックサービス(レッツノート専用サービス)

本サービスは、PCのフロントカメラがとらえた顔画像から、リアルタイムに脈拍数を測定し、脈拍の変動からストレスレベルを推定するサービスです。「血管の容量変化に応じて光の吸収量が変化する」特性を利用し、反射光をカメラで観測することで脈拍を測定します。当社独自の撮影画像に含まれるノイズ除去技術により、手や体に触れずともカメラで観測するだけで、脈拍を測定できます。強いストレス状態と推定される従業員の健康管理にお役立ちできます。

血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学で紹介したビデオカメラとコンピューターを内蔵した鏡型ディスプレーの前に立つだけで、その時の血行状態などが分かる血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」は、心拍数変動や脈波振幅変動などから得られる自律神経系指標に基づいた情報を直感的にわかりやすく表示することによって、自覚した体調の変化との関係をあわせることにより、病気のサインに気づくことが期待されると紹介しました。

Panasocicのサービスはこの発想に近い考え方で、PCのカメラでとらえた顔の画像から脈拍数を測定し、ストレスレベルを推定できるというものです。

■まとめ

スマートウォッチは病気の早期発見に役立つ|正常値とベースライン値の確立が重要|スタンフォード大で紹介したスタンフォード大学のマイケル・スナイダーの研究によれば、フィットネスモニターや他のウェアラブルバイオセンサーが心拍数、肌の温度などの異常が起きているかを知らせてくれることにより、病気になっていることを伝えてくれるそうです。

病気が発症してからではなく、健康な体が病気になりそうなサインを見つけるというアイデアは、東洋医学における「未病」という考え方に近いものです。

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。

そのためにも、病気かそうではないかの「Baseline(ベースライン)」を見つける研究に注目が集まっていると考えられます。

フィットネストラッカーのデータから心房細動は脳卒中によるものと判断され救われたケースがあるによれば、すでにフィットネストラッカーをつけている人の心拍数のベースラインと異常値のデータを参考に病気を判断したケースがありました。

Fitbitのデータのおかげで、心房細動は脳卒中によって引き起こされたものであり、電気的除細動を行って良いことが確認されたということです。
フィットネストラッカー「Fitbit Charge HR」に記録されている心拍数のデータを参考に、医師は心房細動は脳卒中によって引き起こされたと判断し、電気的除細動を行なったそうです。

ウェアラブルデバイスで得た生体データによる病気の予兆を検知することで運転手の突然の体調変化による死亡事故を未然に防ぐシステムによれば、リストバンド型の血圧測定デバイスを運転手につけてもらい、脈拍、心電図、体温、呼吸数、血中酸素濃度をクラウド上でモニターすることで、病気の予兆を検知するサービスが考えられています。

また、福井の京福バスではIoTで交通事故を防ぐシステムの実証実験が行われているそうで、運転手がNTTと東レが開発した機能素材を使った衣類を着用することにより、心拍数をリアルタイムでチェックし、また運転手の動作(急ハンドル・急ブレーキ)や車の動きを総合して分析し、事故を未然に防止することを目的としています。

今回でいえば、ストレスにおけるベースラインによって健康管理を行っていくことが重要になっていくのではないでしょうか。
今後、様々な生体データのベースラインを見つけることができれば、スマートウォッチでの健康管理にもっと活かせるようになるのではないでしょうか。

落合陽一「魔法使いの研究室」直方体型人類とタイムマネジメント時代の終わり(前編)(2017/6/6、ほぼ日刊惑星開発委員会)によれば、落合陽一さんはタイムマネジメントからストレスマネジメントの時代へという考え方を提案していました。

これからは、その仕事をすることに対して、好きか嫌いかは別として、ストレスを感じやすい人とストレスを感じない人がいて、それを仕事を選ぶ際や採用する際の基準となっていき、それこそが適材適所につながるのかもしれません。







【ストレスサイン関連記事】
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アンバンドル・リバンドル・エンハンスを視点の一つに組み込もう!|#Fintech #Insurtech #Healthtech #Agritech #Edtech の次は?




■アンバンドル・リバンドル・エンハンスを視点の一つに組み込もう!

Ecomaterials Innovation Lab - Boston, MA

by PopTech(画像:Creative Commons)

Fintech時代の金融機関は新たな顧客価値の創造が問われる(2016/8/4、ハーバードビジネスレビュー)によれば、テクノロジーを活用した金融のイノベーションである「Fintech」によって3つのインパクトがもたらされるとあります。

1.アンバンドル(解体)

例:スタートアップ企業や従来の金融機関以外の企業による伝統的な金融業務が解体

2.リバンドル(再結束)

非金融企業による業際(異なる事業分野にまたがる)の再定義

3.エンハンス(性能向上)

例:ブロックチェーンによって、既存の金融サービスに革新がもたらされる

【参考リンク】

こうしたテクノロジーによる変化は金融業界だけに起きるわけではありません。

Fintechの一つには、保険(Insurance)と情報技術(Technology)が融合した「InsTech(インステック)」がありますし、その他では、Health(健康)とTechnology(技術)が融合したHealthTech(ヘルステック)、農業(Agritech)、教育(Edtech)でもこうした変化が起きています。

【Fintech 関連記事】
ロボアドバイザー(投資・資産運用アドバイスサービス)とは?|IT・金融の活用度が低い日本はフィンテックの手前!?|#Fintech

【Instech/Insurtech 関連記事】

【Agritech 関連記事】

【Healthtech 関連記事】

【Edtech 関連記事】

このように、今まで変化が起きていなかった業態でも、テクノロジーによってさまざまな変化がもたらされるかもしれないのです。

そこで、役立つ考え方が、1.アンバンドル(解体)、2.リバンドル(再結束)、3.エンハンス(性能向上)です。

あなたが携わる仕事の業界に3つのインパクトを当てはめてみるとどんな変化がもたらされるのかという実験ができるのではないでしょうか?

そのためには、あなた自身が顧客に提供する価値のどのような点がひきつけているのか、そしてそれが移行していないかを常にチェックする必要があります。

また、最新のテクノロジーについてのウォッチも重要でしょう。

【関連記事】

成功したビジネスモデルを持っていると、事業のカニバリズム(共食い)を起こしてしまわないかと思って、新しいビジネスモデルには移っていきづらいものです。

理想的には、自分がスタートアップの立場だったり、全くの異業種から企業だという立場に立ち、従来型の業務でアンバンドルできる部分がないかを考えたり、リバンドルができる分野がないかと考えてみるといいのではないでしょうか。




■まとめ

世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う|United, Fragmented, Repeated and Impermanent World

チームラボの作品の「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」のタイトルこそ、アンバンドル・リバンドル・エンハンスの考え方に近いように感じます。(アート作品のメッセージとは違うかもしれませんが、どのようなインスピレーションを受けるかはその人次第と思っていただければ幸いです。)







【関連記事】

なぜ量子コンピューターに注目が集まっているの?




■なぜ量子コンピューターに注目が集まっているの?

量子暗号技術(光子を使った原理的に盗聴できない暗号通信)と量子通信技術(光子検出・量子信号処理技術による超長距離での大容量通信)|未来ICT基盤技術|平成28年版 情報通信白書|総務省
量子暗号技術(光子を使った原理的に盗聴できない暗号通信)と量子通信技術(光子検出・量子信号処理技術による超長距離での大容量通信)|未来ICT基盤技術|平成28年版 情報通信白書|総務省

参考画像:未来ICT基盤技術|平成28年版 情報通信白書|総務省スクリーンショット

量子コンピューターについてのニュースが続々と出てきていますよね。

量子コンピューター、巻き返しへ本腰 NECや富士通

(2018/1/22、日本経済新聞)

量子コンピュータのスタートアップ続々

(2018/1/6、日経ビジネスオンライン)

アメリカのIBMやGoogle、Microsoft、Intelといった大手IT企業や日本のNECや富士通が量子コンピュータの研究開発を行なっており、またスタートアップによる開発も進んでいるそうです。

量子コンピュータが使われてしまうと、これまで利用されていたRSA暗号や楕円曲線暗号が簡単に解読できてしまうと考えられていることから、量子暗号の研究もおこなわれています。

格子暗号LOTUS提案
格子暗号LOTUS提案

参考画像:量子コンピュータ時代に向けた新暗号技術を開発~格子理論に基づき、かつ汎用性に優れた公開鍵暗号を国際標準化に提案~(2018/1/11、NICT 情報通信研究機構)|スクリーンショット

量子コンピュータ時代に向けた新暗号技術を開発~格子理論に基づき、かつ汎用性に優れた公開鍵暗号を国際標準化に提案~

(2018/1/11、NICT 情報通信研究機構)

インターネットを利用するときに使うウェブ・ブラウザ等には、パスワードやクレジットカード番号等の重要な情報を暗号化する機能が組み込まれています。この中で、RSA暗号や楕円曲線暗号などの公開鍵暗号が使われています。
しかしながら、現在広く使われているRSA暗号や楕円曲線暗号は、ある程度性能の高い量子コンピュータを使うと簡単に解読されてしまうことが数学的に証明されています

NICTサイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室は、量子コンピュータでも解読が困難な格子理論に基づく新暗号方式LOTUS(ロータス:Learning with errOrs based encryption with chosen ciphertexT secUrity for poSt quantum era)を開発したそうです。

ところで、なぜ量子コンピュータが注目を集めているのでしょうか?

「量子コンピュータが人工知能を加速する」(著:西森秀稔・大関真之)

量子コンピュータが人工知能を加速する

超電導技術を用いた量子コンピュータは従来型コンピュータよりもはるかに低いコスト(時間や電力)で問題を解ける可能性があるのだ。

量子コンピュータを使うことで、組み合わせ最適化問題を従来型のコンピュータよりもはるかに低いコスト(時間や電力)で問題を解決することができるという期待があります。

最近話題になっているビットコインですが、#マイニング とは?「#ビットコイン などの #仮想通貨 を採掘(マイニング)する」について簡単にわかりやすく!【初心者向け用語集】によれば、ビットコインの送金プロセスを例にとると、ブロックを作成する際には膨大な計算が必要となるのですが、膨大な計算量となることで電力消費も膨大になっているそうです。

「ブロックチェーンの衝撃」(ダイヤモンド社)で紹介されているある試算によれば、ビットコインのマイニングで使用される電力はデンマークのエネルギー消費と同じくらいになるともいわれています。

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 17年8月号 (ブロックチェーンの衝撃)

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たとえば、典型的なコンセンサスメカニズムであるプルーフ・オブ・ワーク(proof-of-work)では、膨大な計算量が必要とされ、それには大量の電力消費が伴う。ある試算では、2020年には、一ビットコインのマイニングに、5500キロワットアワーが必要とされ、その時点でビットコインの採掘に使用される電力は、デンマークのエネルギー消費と同等になるとされている。

【参考リンク】

これから実現したい未来には人工知能やIoTといったテクノロジーが身近になっていくと考えられますが、ビットコインのマイニングのケースにあるように、膨大な電力消費量であったり、環境問題があり、これらの問題を解決するには、時間や電力のコストが低くなるコンピュータの開発が重要であり、だからこそ、量子コンピュータのようなテクノロジーに注目が集まっているのです。







P.S.
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