by gerrit.photography(画像:Creative Commons)
■【ピースサインに要注意!?】ネット上に投稿された手の画像から指紋が読み取られてしまう!?
【コラム】自分が自分であることを証明するにはどうしたらいいのだろう?で紹介したのは、Twitter、Facebook、LINE、Gmail、AppleID、iCloudなど全てが乗っ取られてしまった場合、パスワードを再発行してもらおうとしても、何にもログインできないため、本人だとしても自分が自分であることを証明できないということがあったケースです。
このことは未来感のある話だと思ったけど、今起きていることです。
今は、いろんなサービスがSNSと関連付けられています。
アプリにログインするにも、GmailやFacebook、Twitterなどを使ってログインすることが多いですよね。
簡単にログインできるので便利なのですがが、もしこうしたものすべてが乗っ取られてしまったら、どんなサービスも利用できないということにもなりかねません。
もし、自分が自分であることを証明するためのものをすべて乗っ取られた場合、どうやって証明すればいいのでしょうか?
これからの未来は手続きを簡単に省略していくためにSNSを活用して自分であることを証明することもあるでしょう。
しかし、もしすべてのアカウントを乗っ取られてしまったら、自分であることを証明する手段がなくなってしまいます。
現実的な解決手段としては、アカウントを乗っ取られないようにするという予防手段しかありません。
そのためには、同じパスワードを使いまわさないようにするのが現時点での最善の選択です。(もっと別の手段があったら教えてください)
ただ、パスワードを全部変えるのは面倒くさいですよね。
現在でも、指紋認証・虹彩認証などが出てきていて、もう少し先の未来ではパスワードという存在がなくなるでしょう。
【関連記事】
- 深層学習を用いた高精度歩容認証技術によって、個人認証・個人識別が可能になり、未来科学捜査やゲートのない世界の実現の可能性がある|#大阪大学
- #ライフスタイル認証|IDやパスワードに頼らず #IoT #ビッグデータ を活用し個人の生活習慣で認証する技術|#東京大学
- NEC、人間の耳には聴こえない音で個人を識別する耳音響認証技術を開発|なりすまし防止、医療現場やコールセンターなどでのハンズフリー認証による業務効率化、スマートイヤホンへの応用に期待
【参考リンク】
- 歩く姿で個人がわかる「歩容認証」:未来科学捜査への期待(科研費NEWS)
- 歩く姿で人物を特定する!犯罪捜査に威力を発揮する認証システムを開発(2014/11/10、WAOサイエンスパーク)
- 耳にはめるだけ、個人認証や位置特定「ヒアラブルデバイス」 NECが新開発(2017/5/23、ITmediaニュース)
- イヤホンからの音の反射で“耳認証” NECが開発(2016/3/7、ITmediaニュース)
長岡技術科学大学の協力により、耳の穴で反響した音の違いによって、個人を判別する生体認証技術を開発したと発表した。
しかし、それで安心かといったらそうではありません。
パスワードの代わりの存在自体が乗っ取られてしまったら・・・。
すでにそんなことが起きています。
指紋がネットで狙われている! 手の画像、悪用恐れ……国立情報学研が新技術の実用化目指す
(2017/1/10、ITmedia ニュース)
スマホの普及でネット上に大量の画像が投稿されるようになったことでリスクも増大している。過去にはドイツで記者会見の画像などを基に「国防相の指紋を盗み取った」とある人物がネット上で発表し、衝撃を与えた事例がある。第三者に指紋のデータを読み取られた場合、プライバシーの侵害や金銭的な被害を受ける恐れがあり、情報技術が進展する今後は一層注意が必要となる。
個人認証システムとして使われる指紋認証ですが、国立情報学研究所によれば、インターネット上に投稿された写真(画像)から指紋を読み取ることが可能なのだそうで、指紋データが流出することで指紋認証を悪用した犯罪の恐れがあるそうです。
国立情報学研究所が開発したのは、白い酸化チタンで特殊な模様を描いた透明フィルム。指先に貼るか塗って使用する。指紋の一部を隠すだけでなく、自分とは違う別の指紋の特徴を作り出す効果がある。
国立情報学研究所が開発した特殊な模様を描いた透明フィルムを使用したり、手袋をつけることで指紋データの流出を防ぐ提案がされていました。
テクノロジーの進歩に合わせて、様々な個人認証システムが出てきていますが、今回のケースのように指紋がコピーされてしまうようなときに、果たして自分が自分であることを証明するにはどうしたらよいのでしょうか?
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海外ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」では、ロンドンの有名な施設3か所のセキュリティを同時に破るという犯罪を行なったモリアーティがその意味を問うシーンで、シャーロックは
「1つ1つでは意味がなく、3箇所すべてを破ったことに意味があるとするならば、どんなセキュリティをも突破する鍵を手に入れたということだ」
と答えたことに対して、モリアーティは
「どんな厳重なセキュリティをも無効化するコードを手に入れたのだ!」
と答えています。
【参考リンク】
- 「SHERLOCK(シャーロック)」シーズン2 3話(シーズン2最終話)「ライヘンバッハ・ヒーロー The Reichenbach Fall」ネタバレ批評(レビュー)(2013/1/9、ミステリ通信 創刊号)
どんなセキュリティをも突破するカギを持つということは、同時に最も強固なカギを作ることもできるということではないでしょうか。
理想としては、同じ鍵でも使う人によって「開けられる/開けられない」という仕組みが面白いのではないでしょうか。
その人の持つ体温・触れ方・使い方・癖というものは真似したくてもまねできるものではないでしょう。
そうしたコピーしたくてもコピーできないもの(一つのもので完結するのではなく、モノと人の組み合わせで完成する)をこれからの鍵になるのではないでしょうか?
P.S.
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映画「トランセンデンス」を見て、人工知能(コンピュータ)について考えたことその人の記憶(思い出)こそがアイデンティティ(「自分は何者であるのか」)なのだと思っていました。
しかし、この映画を見た後、その考えは間違っていると感じました。
自分自身を証明するものは何なのでしょうか。
【参考リンク】
アイデンティティを形作るものは記憶ではなく、その人のモラル
(2015/10/12、TROPE)
回答を分析した結果、 家族やパートナーは患者の記憶が失われても「(患者は)人が変わった」とは感じていませんでしたが、患者のモラルに関する特徴が変化したとき、人が変わったと感じていることがわかりました。
つまり、その人であるということを証明する一つのヒントが「モラル」です。
どんなに姿・形が変わっても、その人のもつモラルが同じならば、その人だという証明になるかもしれません。
■ブロックチェーン技術がアイデンティティを守ってくれるようになる!?
【追記(2017/6/2)】
ドン・タプスコット:ブロックチェーンはいかにお金と経済を変えるか|TED
「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)の中ではアイデンティティの話が出てきます。
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ブロックチェーン技術を使えば自身のアイデンティティを守ることもできるようになり、また、必要に応じて個人の情報を開示することもできるようになるそうです。
アイデンティティを守る方法について漠然とした考えを持っていましたが、ブロックチェーンという新しい技術によって可能になるかもしれません。
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