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■硝酸塩/亜硝酸塩が不足した食事だとカロリー過多でなくてもメタボリックシンドロームを引き起こす
by Logan Ingalls(画像:Creative Commons)
マウスに硝酸塩および亜硝酸塩が不足した食餌を長期に与えると、代謝症候群、血管内皮機能障害および心臓突然死が引き起こされることを明らかにした研究成果について
(2017/3/27、琉球大学)
以上本研究では、食事中の硝酸塩/亜硝酸塩が長期に不足するとマウスに代謝症候群、血管内皮機能不全、および心血管死が引き起こされることを初めて明らかにした。
この機序には、アディポネクチンの低下、内皮型 NO 合成酵素発現の低下、並びに腸内細菌叢の異常が関与していることが示唆された。
私達は通常食とカロリー含有量が同一の低硝酸塩/亜硝酸塩食をマウスに投与した。
マウスの食餌摂取量は 18 ヶ月までの全実験経過を通じて通常食群と低硝酸塩/亜硝酸塩食群の間で差がなかった。
にもかかわらず、低硝酸塩/亜硝酸塩食を食べたマウスは代謝症候群を発症した。
琉球大学大学院医学研究科薬理学の筒井正人教授、喜名美香大学院生、坂梨まゆ子助教らの研究グループが行なったマウスによる実験によれば、硝酸塩/亜硝酸塩が不足した食事を食べさせると、カロリーの取り過ぎや食べ過ぎでなくても、メタボリックシンドロームを引き起こし、心臓病を併発し、早死にしてしまうことがわかったそうです。
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■なぜ、硝酸塩/亜硝酸塩が不足すると、メタボリックシンドロームを引き起こすのか?
なぜ、硝酸塩/亜硝酸塩が不足すると、メタボリックシンドロームを引き起こすと考えられるのでしょうか?
硝酸塩/亜硝酸塩は以前は単なるNO の代謝産物としての認識しかなかったが、最近、硝酸塩が還元反応により亜硝酸塩に、その次に NO に変換される NO の代謝と逆の経路が発見され、近年、硝酸塩/亜硝酸塩は NO 供与体としての新しい役割が注目されている。
レタスやほうれん草などの緑葉野菜に多く含まれている硝酸塩は、還元反応により亜硝酸塩に、そして一酸化窒素に変換されることがわかってきたことで、硝酸塩/亜硝酸塩は一酸化窒素を作り出す役割を持つことが注目されているそうです。
チョコレートで血圧が下がる!?|高血圧モデルラットを用いたカカオポリフェノール(CBP)の血圧上昇抑制効果を確認|明治によれば、一酸化窒素は、血管の収縮と拡張に関与する物質で、血中NO量が減少すると血管は収縮し、血圧の上昇、血管の血栓形成や動脈硬化を引き起こすそうです。
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低硝酸塩/亜硝酸塩食の 3 ヶ月投与は、有意な内臓脂肪蓄積、高脂血症、耐糖能異常を引き起こし、低硝酸塩/亜硝酸塩食の 18 ヶ月投与は、有意な体重増加、高血圧、インスリン抵抗性、内皮機能不全を招き、低硝酸塩/亜硝酸塩食の 22 ヶ月投与は、急性心筋梗塞死を含む有意な心血管死を誘発した。これらの異常はすべて硝酸ナトリウムの同時投与により抑制された。また、これらの異常は、内皮型 NO 合成酵素発現の低下、アディポネクチンの低下、並びに腸内細菌叢の異常と有意に関連していた。
3か月 → 内臓脂肪蓄積、高脂血症、耐糖能異常
18か月 → 体重増加、高血圧、インスリン抵抗性、内皮機能不全
22か月 → 急性心筋梗塞
※内皮型 NO 合成酵素発現の低下、アディポネクチンの低下、腸内細菌叢の異常と関連している
■まとめ
今回の研究によれば、硝酸塩/亜硝酸塩が不足した食事をすると、内皮型NO合成酵素発現の低下、アディポネクチンの低下、腸内細菌叢の異常がメカニズムとして働き、メタボリックシンドロームを引き起こすと考えられます。
『アディポネクチン』とは、脂肪細胞から血液中に分泌されるホルモンで、糖尿病や動脈硬化症などを予防する効果があるといわれており、近年注目されています。
つまり、レタスやホウレン草などの野菜が不足した食事を長期間続けると、食べ過ぎやカロリーの取り過ぎをしなくても、メタボリックシンドロームを引き起こす恐れがあるということです。
→ メタボリックシンドローム について詳しくはこちら
P.S.
ところで、今回研究を行なった琉球大学は長寿県とも知られている沖縄県にありますが、その沖縄ではメタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病になる人が多いことが注目されています。
●【長寿の質】沖縄は全国最下位 「健康寿命」男47位、女46位|聖徳大教授調査で紹介した茨城県立健康プラザ研究員の栗盛須雅子聖徳大学看護学部教授が2010~14年の5年間について調べたところ、「平均寿命」のうち「健康寿命」が占める割合が沖縄県は男性90・4%で47位、女性は83・7%で46位で、全国最下位だったことがわかったそうです。
●沖縄、男女とも中性脂肪値が全国最悪 男性の3人に1人が基準値を超えている!?によれば、全国健康保険協会が公表している2011年度から13年度の健診の結果、沖縄県の男女の中性脂肪 の基準値を超えた人の割合は全国ワーストだったそうです。
沖縄県では、食生活の変化(食生活の欧米化)に伴って、肥満が増加しているというニュースを時々目にしますが、それを裏付ける結果となったようです。
その時のデータによれば、厚生労働省の調査で、沖縄県は、生活習慣病の要因となる肥満者の割合が男女とも全国1位、生活習慣病の代表である糖尿病による死亡率も1位でした。
HDLコレステロールが低く、中性脂肪が高いと酸化LDLコレステロールが増えてくるといわれており、酸化LDLコレステロールは血管壁に付着し、動脈硬化を引き起こすことがわかってきています。
●メタボ「要指導」人口比21・3% 全国最悪 【沖縄】(2009/7/30)によれば、沖縄県で特定健診(メタボ健診)を受けた人のうち、特定保健指導が必要な人が、人口比21.3%で、全国一でした。
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エリカ・アンギャルさんおすすめ!ダイエット7つの食材|たけしの健康エンターテイメント!みんなの家庭の医学
エリカ・アンギャルさんが話を伺ったのは、鈴木信先生(沖縄長寿科学研究センター センター長、沖縄の長寿研究の第一人者)。
※THE OKINAWA WAY(鈴木先生の研究チームが沖縄の長寿者の生活習慣をまとめた本)に、エリカ・アンギャルさんが興味を持ったそうです。
1 海藻類が多い
ビタミン・ミネラルが豊富
海藻は沖縄の代表的長寿食
2 魚
魚に含まれるDHA・EPAには生活習慣病を予防する働きが期待されている。
沖縄の高齢者の主菜は魚が多い
3 オリーブオイル
オレイン酸ががんや動脈硬化を予防する働きがあると考えられている。
4 5色以上の野菜(5色以上)が多い
野菜の多くには、抗酸化成分であるフィトケミカルが含まれている。
フィトケミカルには、動脈硬化や老化を防止する働きが期待されている。
沖縄の長寿者研究によると、色とりどりの野菜を多く摂っているそうです。
5 雑穀米
雑穀米には食物繊維やビタミンが多く含まれている。
食物繊維には、便通の改善、コレステロールの低減に効果がある。
エリカ・アンギャルさんが、食物繊維を薦めるには、もうひとつ理由があります。
それが、GI値。
GI値(グリセリック・インデックス:血糖値の上がりやすさの指標)はエリカ・アンギャルさんのダイエット法の中核をなす考え方。
消化しやすい食品を食べると血糖値が急激に上がる。
⇒インスリンが大量に分泌され、残った糖を脂肪に変えてしまう。
つまり、血糖値を急激に上げないことが、太りにくい体を作ることにつながるということです。
GI値が低い繊維質の食べ物は血糖値が上がりにくい。
6 島豆腐
沖縄の長寿者研究によると、島豆腐などの大豆製品を一日に100g以上食べているそうです。
大豆に含まれるイソフラボンは 更年期症状の緩和や骨粗しょう症の予防効果が期待される成分。
沖縄の女性は、更年期になる年齢が平均より遅いと推測されるそうです。
7 いも
沖縄の長寿者研究によると、いも類をよく食べているそうです。
そこで、まずはレタスやホウレン草といった野菜が不足していて、メタボリックシンドロームが気になる人は、食習慣を見直してみてはいかがでしょうか。