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【世界初】アトピーのかゆみを改善する「インターロイキン31」を標的とする新薬「ネモリズマブ」の効果確認|京大など

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■【世界初】アトピーのかゆみを改善する「インターロイキン31」を標的とする新薬「ネモリズマブ」の効果確認|京大など

【世界初】アトピーのかゆみを改善する「インターロイキン31」を標的とする新薬「ネモリズマブ」の効果確認|京大など
【世界初】アトピーのかゆみを改善する「インターロイキン31」を標的とする新薬「ネモリズマブ」の効果確認|京大など

ボラム・キム|unsplash

「世界初」アトピーのかゆみ改善する新薬、京大院教授ら研究チーム発表 31年めどに市販化へ

(2017/3/2、産経ニュース)

開発中の新薬「ネモリズマブ」は、アトピー性皮膚炎のかゆみと関係すると考えられているタンパク質の一種「インターロイキン31(IL(アイエル)-31)」を標的にした治療薬。皮下注射で月1回程度の投与を行う。

 チームは、軟膏(なんこう)などの外用剤で十分な治療効果を得られていない日米欧5カ国のアトピー患者計264人を対象に、臨床試験を実施。新薬の投与から12週間後、6~7割の患者でかゆみが50%以上軽減された。薬の副作用もなかった。

京都大大学院医学研究科の椛島健治教授らの国際研究チームは、アトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こすと考えられている物質「インターロイキン31(IL(アイエル)-31)」をターゲットにした新治療薬「ネモリズマブ」をアトピー性皮膚炎患者を対象に治験を行なったところ、投与から12週間後、6~7割の患者でかゆみが50%以上軽減されるという結果が出たそうです。

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新薬投与の1週間後には、眠りにつくまでの時間が約15分早くなり、安眠している時間も約20分増加したといい、かゆみによる不眠の症状が改善されたという。

かゆみを抑えることにより、安眠している時間が増えることは生活の質(QOL)が向上することが期待されます。

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チームは、アトピーのかゆみを抑える世界初の新薬としており、開発元の製薬大手、中外製薬(東京都中央区)は平成31年をめどに実用化を目指す。

2019年をめどにアトピー性皮膚炎のかゆみを抑える世界初の新薬としての実用化を目指していくそうです。

【追記(2020/7/10)】

アトピー性皮膚炎を対象としたネモリズマブの国内第Ⅲ相臨床試験(比較試験)結果がThe New England Journal of Medicine に掲載(2020/7/9、マルホ)によれば、中等症~重症のそう痒を有する 13 歳以上のアトピー性皮膚炎の患者さん 215 名(ベースラインのそう痒 VAS 中央値は 75.4)を対象に、ネモリズマブ群とプラセボ群に分けて、16週間かゆみや症状の変化を調べたところ、そう痒 VAS(痒みの程度を判定する評価指標)-42.8%、EASI 変化率(アトピー性皮膚炎の皮膚所見の重症度と病変範囲から全身のアトピー性皮膚炎の重症度を数値化した評価指標)はネモリズマブ群 -45.9%と改善したことがわかり、その結果がThe New England Journal of Medicine に掲載されました。

→ アトピー性皮膚炎とは|アトピーの症状・原因・改善方法・予防 について詳しくはこちら







【参考リンク】
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#加藤綾子 さんは子どもの頃、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー(米、小麦、肉)に悩まされていた!どんなやり方で改善したの?

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【目次】

■加藤綾子さんは子どもの頃、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー(米、小麦、肉)に悩まされていた

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by Holly Lay(画像:Creative Commons)

加藤綾子アナが語った「幼少期の苦悩」と「支えてくれた母」

(2016/11/16、NEWSポストセブン)

「私、小さい頃からアトピー性皮膚炎だったんです。ひどい症状に長い間悩まされてきました。お米、小麦、お肉のアレルギーで、それらを少しでも口にすると眠れなくなるほど悪化することも。子供が大好きなハンバーグやケーキなども、一切食べることができず、満たされない気持ちを常に抱えていたんです。

カトパンという愛称で親しまれている加藤綾子さんはこどものころからアトピー性皮膚炎の症状に悩まされ、ひどいかゆみのために夜に体を思いきり掻きむしり、泣き叫び続けたこともあったそうです。

また、お米、小麦、お肉のアレルギーでもあったそうです。

アトピーを告白した女性の芸能人・有名人の方には、加藤綾子さんの他にも、木村文乃さんがいらっしゃいます。

→ #木村文乃 さんが #インスタグラム に #アトピー であることを投稿し、反響を呼んでいる について詳しくはこちら

アトピー性皮膚炎は、保湿剤で乳児の発症率3割減少するによれば、アトピー性皮膚炎のある乳児は、食物アレルギーを持っていることが多く、また、国内では未就学児の10~30%がアトピー性皮膚炎を患っているそうです。

皮膚のバリアーを高めてアトピー予防|アレルギーマーチを防ぐには?によれば、子どもの場合、成長とともに、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ぜんそく、鼻炎と進む傾向があるため、「アレルギーマーチ」と呼ばれているそうです。

国立成育医療研究センターの松本健治・免疫アレルギー研究部長は「乳児期に湿疹があると、さまざまな抗原が入りやすくなって、アレルギーマーチを引き起こすと考えている。湿疹を放置せずに早く治療することが食物アレルギーやぜんそく、花粉症などの発症予防につながる可能性がある」と推測しています。

子供(乳児)の時に湿疹があるとアレルギーマーチを引き起こす恐れがあるので、子供の時にしっかりと治療することがアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ぜんそく、鼻炎の発症を抑えることにつながりそうです。




■加藤綾子さんのアトピーをお母さんが献身的に支えてくれた

そんな加藤アナを献身で支えたのは母だった。徹底した食事療法や合う病院探しなど細やかなケアを続け、支えてきたという。

加藤綾子さんの場合は、中学2年生の夏に、食事療法やいい医師との出会いもあって、症状は改善していったそうですが、それも献身的に支えてくれたお母さんのおかげともいえそうです。

アトピー性皮膚炎「脱出」には心のケアも大切|かゆくなくても無意識にかいてしまう動作(嗜癖的掻破)がある人が多い!で紹介した東京慈恵会医科大付属第三病院皮膚科診療部長の上出良一教授によれば、「患者の中には、かゆくなくても無意識にかいてしまう動作(嗜癖的掻破(しへきてきそうは))がある人が多い。不安だったり、逆にほっとしたりしたときです。かくという行為が、安心、ストレス解消につながってしまう」そうです。

 幼稚園の頃、白いご飯とは違う、茶色い雑穀米のお弁当に驚いた男の子に『虫を食べてる!』とからかわれて傷ついたことや、ひどいかゆみで夜中体を思い切り掻きむしり、泣き叫び続けたこともありました」

いちばん悪化して肌がボロボロになってしまった中学生のとき、友達に“気持ち悪い”と思われているのではないかと学校に行けなくなってしまったことがありました。

もしかすると、加藤綾子さんの子供の頃もからかわれて傷ついたときや肌が一番悪化した中学生のころには、ストレスを解消するためにのために嗜癖的掻破をしたことでアトピーを悪化させ治りにくくしていたようなことがあったのかもしれません。

アトピー性皮膚炎「脱出」には心のケアも大切|かゆくなくても無意識にかいてしまう動作(嗜癖的掻破)がある人が多い!で紹介した上出教授によれば、「一番つらいと感じている話題に触れると、無意識にかこうとするしぐさが出る。ストレスをなくすのは無理でも、それに気づくだけで嗜癖的掻破を減らすことができる。」そうです。

アトピーの改善には食事療法や医師による治療などが重要だと思いますが、もう一つ大事なことは不安やストレスを解消して、いかに無意識にかきむしる行為から抜け出していくか、なのではないでしょうか。

→ アトピー性皮膚炎とは|アトピーの症状・原因・改善方法・予防 について詳しくはこちら







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大気汚染物質がアトピー性皮膚炎のかゆみの症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大

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■大気汚染物質がアトピー性皮膚炎のかゆみの症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大

AhR活性化によるアトピー性皮膚炎発症・増悪メカニズム
AhR活性化によるアトピー性皮膚炎発症・増悪メカニズム

参考画像:大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明‐痒みの制御をターゲットとした新規治療法開発の可能性‐(2016/11/15、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明‐痒みの制御をターゲットとした新規治療法開発の可能性‐

(2016/11/15、東北大学プレスリリース)

今回の成果により、大気汚染物質が転写因子AhRを活性化させることで神経栄養因子arteminを発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰に痒みを感じやすい状態を作り出すことがわかりました。過剰な痒みにより皮膚を掻いてしまうことで皮膚バリアが破壊され、皮膚から多くの抗原が侵入してアレルギー性皮膚炎を引き起こすと考えられます。本研究の結果は、これまでアトピー性皮膚炎の治療に対症療法的に使われてきたステロイド剤などに加えて、AhRの活性を抑える化合物や、arteminの働きを抑える物質をアトピー性皮膚炎の治療薬として利用できる可能性を示しています。

東北大学大学院医学系研究科の日高高徳医員、小林枝里助教、山本雅之教授らは、大気汚染物質が転写因子(DNAに結合して遺伝子の発現を制御するタンパク質のこと)AhRを活性化させることによって、神経栄養因子(神経の生存や成長、分化を促すタンパク質のこと)artemin(アルテミン)を発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰にかゆみを感じやすい状態を作り出すというアトピー性皮膚炎の諸症状を引き起こすメカニズムの一部を解明したそうです。

今後は、AhRの活性やarteminの働きを抑える物質を見つけることによって、アトピー性皮膚炎の痒みをターゲットとした新しい治療薬の開発が期待されます。

→ アトピー性皮膚炎とは|アトピーの症状・原因・改善方法・予防 について詳しくはこちら







【アトピー関連記事】
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アトピー性皮膚炎の症状を慢性化させる原因物質「ペリオスチン」とメカニズムを解明|佐賀大学

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by Mario Antonio Pena Zapatería(画像:Creative Commons)

アトピー性皮膚炎慢性化 原因を解明

(2012/6/12、NHK)

アトピー性皮膚炎の症状を慢性化させる原因物質とメカニズムを解明したと、佐賀大学などの研究グループが発表しました。

<中略>

その結果、アレルギー物質が体内に入ったときに作られる「ペリオスチン」というタンパク質が別のタンパク質と結合した際に炎症を引き起こす物質ができるため、炎症が慢性的に続くことが分かりました。

佐賀大学などの研究グループによれば、アレルギー物質が体内に入ったときに作られる「ペリオスチン」というタンパク質が別のタンパク質と結合した際に炎症を引き起こす物質ができるため、炎症が慢性的に続くことが分かったそうです。

研究に当たった出原教授は「アトピー性皮膚炎の治療にはステロイド剤や免疫抑制剤が主に使われているが、今回の研究を基に新薬が開発されれば、副作用を心配せずに治療ができる」と話しています。

アトピー性皮膚炎の治療法が今後変わっていくかもしれません。

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【アトピー関連記事】
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アトピー性皮膚炎は、保湿剤で乳児の発症率3割減少する|国立成育医療研究センター

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■アトピー性皮膚炎は、保湿剤で乳児の発症率3割減少する|国立成育医療研究センター

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by Amy Kellogg(画像:Creative Commons)

<アトピー性皮膚炎>保湿剤で乳児の発症率3割減少

(2014/10/1、毎日新聞)

乳児に保湿剤を毎日、約8カ月間塗ることでアトピー性皮膚炎の発/率を3割減らせたと、国立成育医療研究センターのチームが1日、発表した。保湿剤に予防効果があることを示したのは世界で初めてという。

世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連)

(2014/10/1、国立成育医療研究センター)

成育出生コホート研究におけるランダム化臨床研究介入試験で、新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かりました。そして、アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連することも確認されました。

国立成育医療研究センターのチームによれば、両親や兄弟にアトピー性皮膚炎の患者や経験者がいる乳児に、生後1週間から約8カ月間保湿剤を毎日塗ることでアトピー性皮膚炎の発症を3割減らすということがわかったそうです。

つまり、保湿剤には、皮膚の機能が低下することを予防する効果があることが分かったそうです。

【関連記事】

今回のニュースではもう一つアトピー性皮膚炎に関して興味深い発見がありました。

<アトピー性皮膚炎>保湿剤で乳児の発症率3割減少

(2014/10/1、毎日新聞)

また、アトピー性皮膚炎のある乳児は、食物アレルギーを持っていることが多い。食べ物の成分(抗原)が機能の低下した皮膚から体内に侵入することが一因とされ、今回も、発症した乳児は、未発症の乳児に比べて、卵アレルギーの可能性を示す抗体値が高くなっていた。

国内では未就学児の10~30%がアトピー性皮膚炎を患っているとされる。

世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連)

(2014/10/1、国立成育医療研究センター)

微量の血液でアレルギー反応をおこすIgE抗体を測定する新規方法をもちいることにより、アトピー性皮膚炎あるいは湿疹を発症した乳児では卵白に対するIgE抗体が非常に高い値(オッズ比4倍以上)を示すことを確認しました。

ポイントは3つ。

  • アトピー性皮膚炎のある乳児は、食物アレルギーを持っていることが多い。
  • アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連する
    アトピー性皮膚炎あるいは湿疹を発症した乳児では卵白に対するIgE抗体が非常に高い値を示す
  • 国内では未就学児の10~30%がアトピー性皮膚炎を患っているとされる。

アトピー性皮膚炎に関しては悩んでいる人がこれだけ多いということなので、こうした知識をいろんな人に知ってほしいですね。

→ アトピー性皮膚炎とは|アトピーの症状・原因・改善方法・予防 について詳しくはこちら







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