「未分類」カテゴリーアーカイブ

ヘルスケアの進化の先を考える|スマホやアプリを活用した健康管理・遺伝子情報解析サービス

Jogging with our iPhones...

by Ed Yourdon(画像:Creative Commons)




2014年下半期にヒットしそうな5つのテクノロジー

(2014/6/3、btrax)

今回の記事はこれから注目が集まりそうなテクノロジーについて書かれているのですが、その中で「ヘルスケアの進化」が取り上げられていました。

そこで今回は、このブログから現在ヘルスケア分野で起きていることをまとめてみたいと思います。

現在のヘルスケア分野のトレンドの一つは、スマホやアプリを活用した健康管理。

アプリ(センサー)を使い、健康データを集めることで健康管理に活かそうとするものが続々と出来ています。

【関連記事】

そして、もう1つは、遺伝子情報解析サービス。

遺伝子分析をすることによって、難病といわれる特定の疾病の発症リスクを早期に発見できたり、かかりやすい生活習慣病についてアドバイスをしてくれるというものです。

【関連記事】

ただ、先日健康データを集めれば健康になれるわけではないでも書きましたが、人は、楽しい時(遊びに出かける週末)は健康について考えないものです。

それよりもストレスのかからないライフスタイルになれば、結果健康でいられる(健康に対する不安を感じない)のであって、健康データを集めれば健康になれるわけではないのです。

健康データを集めることの先を考えなければいけません。

その先のアイデアとしては、次のようなものではないでしょうか。

【関連記事】

自分で生活習慣を意識的に変えていくことは実に難しいことです。

【参考記事】

人は意識の上では変わりたいと望んでいても、無意識では変化を恐れています。

それには、無意識では、今までの習慣を変えることに不安があるからです。

だからこそ、意識せずに健康管理をできるシステムや変化を感じさせずに健康管理ができるシステムを考えていく必要があります。







【関連記事】

DNA解析サービスに各社参入|DeNAがDNA解析へ、東大医科研と組みヘルスケア分野に参入

DNA

by MIKI Yoshihito(画像:Creative Commons)




社名背負う新事業? DeNAがDNA解析へ 東大医科研と組んでヘルスケア分野に参入

(2014/6/4、東洋経済オンライン)

基本的なスキームは、インターネットで申し込み、送られてきた検査キットで唾液を採取して送り返すと、利用者に病気のリスクや体質についてのレポートがインターネットで通知されるというもの。検査結果に応じた病気予防のアドバイスやカウンセリングなどの提供も予定する。

<中略>

未経験のヘルスケア分野への参入にあたり、DeNAは東京大学医科学研究所との共同研究という形を取った。数千円~数万円の多様な遺伝子解析サービスが乱立する中、東大医科研との共同研究で得たデータに基づいて日本人に合った精度の高いサービスを提供し、差別化を図る。既存事業のモバイルゲームで培ったビッグデータ解析の技術や、サービスを使い続けてもらうための運用ノウハウも活用する。

記事によれば、DeNAは需要が拡大すると予測されるヘルスケア分野を、収益変動の激しい主力のモバイルゲーム事業を支える収益の新しい柱にするために参入するそうです。

それまでモバイルゲームで培ったビッグデータ分析技術を遺伝子解析に生かそうとするやり方は、検索技術を他の事業に活かすGoogle的発想に近いと言えそうですね。

ヤフーもDeNAもスタートアップも、みんな「DNA」ビジネスに興味アリらしい

(2014/6/4、TechCrunch)

ヤフーでは今秋にもHealthData Laboと呼ぶ、遺伝子情報解析をもとにした生活習慣の改善支援サービスを展開する予定だ。このサービスは、前述のジーンクエストと提携したものになる。そういえばヤフー副社長COOの川邊健太郎氏などは、1年以上前から医療分野への興味を語っていた。

遺伝子情報解析を元にした生活習慣改善支援サービスというのは難しいと思っています。

それは、客観的にどんなにいいと言われたことや必要なことであってもそれを継続するのは難しいからです。

例えば、緑内障 患者判断で治療中断18.7%によれば、「大した症状がない」、「継続受診が面倒」、「治療効果が実感できない」など病気自体への理解度が低いことや治療効果についての理解が低いという理由で、患者判断で緑内障の点眼治療を中断してしまっているそうです。

その他の病気でも、現時点ではたいしたことがなかったり、治療効果が実感できない、面倒であるといった理由から患者判断で薬の服用をやめてしまっている人がいるのではないでしょうか。

糖尿病や緑内障の治療が必要な人でも途中で治療を辞める人が多いというのに、ただ分析しただけでは何も変わりません。

データを分析することよりも、いかに良い生活習慣に導いていくのかというその方法を考えていくことのほうがヘルスケア分野においては最も重要な事だと思います。







【関連記事】

P.S.

ただ、この考え方はヘルスケア分野から見た視点なので、現在参入しようとしている企業はビッグデータ分析を活用した遺伝子情報解析サービスのその先をみているのかもしれません。

遺伝子情報をビッグデータとして扱うことも想定している

ということでしたので、遺伝子情報を分析して、医療サービスを行なったり、保険ビジネスに関わったり、はたまた東野圭吾さんの小説「プラチナデータ」の世界のように、DNA検索システムによって、監視するシステムを作るビジネスを行うなど様々な検討がなされているのかもしれませんね。

P.P.S.

遺伝子情報解析サービスにはそろそろ世界的に倫理的な議論が必要になるのではないでしょうか。

【関連記事】

健康データを集めれば健康になれるわけではない

NIKE+ FUELBAND SE

by Kazuhiro Keino(画像:Creative Commons)




究極のウェアラブルはスマートフォンそのもの, と見切ったLarkがハードウェアからアプリに転向

(2014/4/15、TechCrunch)

「Huは曰く、スマートフォンが相当進歩したので、センサを利用するアプリを長時間使っても電池が十分保(も)つようになった。“電力消費の少ないセンサを搭載したスマートフォンは、究極のウェアラブルだ、と悟(さと)ったのよ”、とHuは言っている。」

ウェアラブルデバイスのポイントは、「センサー」と「電池」。

今のスマホは電池が長持ちするようになってきたため、わざわざハードウェアを作るよりもアプリの性能を上げたほうがいいという判断になったみたいですね。

でも、10年以上健康について携わっていますが、そんなに健康のデータを集めて本当に使うのだろうか、と思ってしまいます。

ずっとアクセスデータを見ていますが、人は、楽しい時(遊びに出かける週末)は健康について考えないものです。

それよりもストレスのかからないライフスタイルになれば、結果健康でいられる(健康に対する不安を感じない)のであって、健康データを集めれば健康になれるわけではないのです。

物事の本質はそこにあるのです。







【追記】

ナイキ「FuelBand」開発終了の可能性–今後のウェアラブル戦略とアップルとの関係

(2014/4/16、CNET)

もし、ナイキがウェアラブルデバイス市場を広げた上で、ベストなタイミングで市場を撤退し、各社のデバイスに合わせたアプリを提供することを考えたのであれば、すごい会社だ。

【関連記事】

Appleが健康管理アプリ「ヘルスキット」で健康分野に進出

iPhone 5 with Health

by Health Gauge(画像:Creative Commons)




アップルが健康分野に進出。iOS 8新機能「ヘルスキット」登場!

(2014/6/3、Gizmodo)

米アップル、モバイル向け健康管理アプリ公開

(2014/6/3、ロイター)

【噂】APPLEは、HEALTHBOOKとIWATCHで健康チェック機能を提供する!?などAppleから健康管理機能が提供されるのではないかと噂されていましたが、今回の記事によれば、Appleが「Healthkit」という健康管理アプリを公開したそうです。

「Healthkit」を使えば、血圧や体重などの健康データを集約・統合することができ、健康管理をすることができるそうです。

ロイターの記事によれば、

米スポーツ用品大手のナイキ<NKE.N>と、米メイヨー・クリニックの協力を得て開発を進め、今後モバイル端末向けソフトウェアに組み入れる。

そうです。

先日NIKEがフィットネスガジェットからアプリ開発に注力するという話が出ていましたが、今回のことがあったからなのかもしれません。







【関連記事】

触感覚を仮想的に再現できるシステムで医療が進歩する?

Brooke Army Medical Center performs first robot-aided pediatric surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




NHKと東大、物体の硬さなどの感覚も仮想的に再現できるシステムを開発

(2014/5/22、マイナビニュース)

NHKと東京大学(東大)は5月22日、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを開発したと発表した。

<中略>

東大が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレイを組み合わせることで、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムを実現することに成功したという。

NHKと東大は両者の技術を組み合わせて、触感覚を仮想的に再現できるシステムを開発したそうです。

視覚と聴覚に関するものはどんな遠隔地でも伝えることができるようになりましたが、今回は、触覚を再現するシステムが実現したそうです。

遠隔地医療でどうしても簡単に診察できない人に対して、視覚と聴覚ではどうしても限界が出てきます。

そこで、今回の触覚を再現できるシステムがあれば、触診ができるようになるかもしれません。

もちろん直接手で触れることから比べると圧倒的に情報量は少ないでしょうが、物体の形状と硬さが判断できる技術で何らかの違いがわかるようになれば、それはひとつのデータとして活用できるのではないでしょうか。







【関連記事】

【追記(2015/7/9)】

■仮想力覚提示デバイス「Traxion」

ARの次は『拡張人間』 東大 暦本純一教授の世界

(2015/7/3、Sensors)

「Traxion」は、すごい力で押されたり、引っ張られたりするような「力」を体験できる装置なのだそうです。

他人の「触覚」を伝達することができることによって、医学に活用されるようになるかもしれません。