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Pinterest がボディアクセプタンスを称える新しい広告ポリシーを導入(2021/7/1、Pinterest)によれば、Pinterestは2021年7月1日以降すべての広告で減量を謳う文言と画像の掲載を禁止することとなりました。
このニュースで重要な部分はここです。
Pinterest は体型や体の大きさに関係なく、あらゆる人が自分の居場所だと思える環境を作るため、ユーザーがダイエット広告を目にすることなく夏の計画や大切なことに集中できるようサポートします。
個人は「なりたい自分になる」もしくは「あるがままの自分で生きられる居場所を作る」ことを求め、ブランドやコミュニティは「なりたい自分になる」ことを後押ししたり、「あるがままの自分で生きられる居場所」を提供するという記事を以前書きましたが、Pinterestはあらゆる人にとっての安心できる居場所作りをすることを宣言したわけですね。
Pinterest は主要プラットフォームの中で、あらゆるダイエット広告を禁じる唯一の企業となったことにより、一時的には広告収益が減少するかもしれませんが、あらゆる人にとって安心できる場所を作り上げることができれば、多くの人が利用するようになり、結果的に収益が上がっていくのではないでしょうか?
Pinterest の改訂後のポリシーでは、以下を禁じます。
- 減量に関する文言や画像
- 減量やダイエット商品に関するお客様の声
- 特定の体型を理想化または否定するような文言や画像
- BMI(体格指数)や類似の指標を参照すること
- 着用または皮膚への塗布による減量効果を主張するあらゆる商品
これは、Pinterest ですでに禁じられている以下の広告コンテンツへの追加の禁止事項となります。
- 減量または食欲抑制を約束するピル、サプリメントやその他の商品
- 減量前と減量後の比較画像
- 脂肪吸引法や脂肪燃焼などの減量手術
- ボディシェイミング(特定の体型タイプや外見を馬鹿にしたり傷つけたりする画像や言葉)
- 非現実的な美容効果
Pinterest では、「ボディニュートラル」という新しいウェルネスムーブメントの検索が大幅に増加しており、特に自己肯定感についての情報が多く検索されています。
なぜPINTERESTで「セルフラブ」の検索が急上昇しているのか?/宇多田ヒカルの『PINK BLOOD』の歌詞も「セルフラブ」のメッセージ/大坂なおみ選手はメンタルヘルスの話題をオープンにでも取り上げましたが、自己肯定感を高めるキーワードに注目が集まっており、「ボディニュートラル」もその言葉の一つに含まれるようです。
■まとめ
ただ一つ心配になるのは誰もがその体型でいていいんだよというメッセージを受け取ることにより、健康が悪化するのではないかという点です。
この十年は世界各国で税収アップと国民の健康悪化(肥満や糖尿病など)に伴う医療費の増加を減らすために、起業に新しい税を設ける動きが見られます。
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つまり、どこの国でも肥満による健康悪化に伴う医療費の増加には悩まされているのです。
今の現状を見ると、消費者に対してはダイエットをする必要なんてなくてありのままの自分でいいよというメッセージを出す一方で、行政側はメーカーに対して厳しい基準を設けて、税金をとるという姿勢になりつつあるんですね。
これらの考え方は矛盾しているようで、実は一つの方向に進んでいるように感じます。
2016年に英国では砂糖を加えたソフトドリンクメーカーに対して「砂糖税」を課したというニュースをはじめとして、世界各国で健康問題の解決と税収アップのために、企業に対して健康に関する税金をかける動きが広がっています。https://t.co/D6iVXY3GLg
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) October 2, 2020
イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすようにメーカーに対して食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。https://t.co/g6lgfAvD75
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) October 2, 2020
世界各国は、健康格差をなくす手段の一つとして、個人に健康管理を任せるのではなく、社会全体で個人の健康を支える仕組みに切り替えていくことにより、医療費の削減を目指すという流れになってきているわけですね。https://t.co/g6lgfAvD75
— 健康美容ブログ「HAKUR」|女性の知りたいがココにある! (@4050health) October 2, 2020
例えば、イギリスでは実際にメーカーに対して食品の塩分量の目標値を設定したことにより、塩分量の削減に成功したそうです。
つまり、世界各国は個人に健康管理を任せるのではなく、個人にはありのままの自分で生きることを認め、政府は企業に対して厳しい健康基準を設けて、社会全体で個人の健康を支える仕組みにすることにより、結果として医療費削減を目指すという方向に変わってきているわけですね。