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<マグロ過食に注意>妊婦が食べ過ぎると胎児の運動機能や知能の発達に影響がある可能性も|東北大




■<マグロ過食に注意>妊婦が食べ過ぎると胎児の運動機能や知能の発達に影響がある可能性も|東北大

Tuna steak

by Laughlin Elkind(画像:Creative Commons)

マグロ過食に注意 妊婦から胎児へ影響、低濃度でも 東北大調査

(2016/11/28、毎日新聞)

マグロやメカジキなどメチル水銀を比較的多く含む魚介類を妊婦が食べ過ぎると、生まれた子の運動機能や知能の発達に悪影響が出るリスクが増すことが、東北大チームの疫学調査で分かった。

東北大チームの疫学調査によれば、水俣病の原因物質であるメチル水銀を比較的多く含むマグロやメカジキなどの魚介類を妊婦が食べ過ぎると、一般的な食用に問題のない低濃度の汚染でも胎児の運動機能や知能の発達に影響がある可能性が分かったそうです。

【参考リンク】

今回のニュースを見た人は魚を食べていいのかなと考えてしまう人もいるかもしれませんが、今回のニュースにおける重要なポイントはこの部分だと思います。

研究チームの仲井邦彦・東北大教授(発達環境医学)は「目安を守れば、影響は心配しなくてよいと考えられる。魚には貴重な栄養も含まれており、妊婦が魚を断つことは好ましくない。食物連鎖の上位にいるマグロなどを避けサンマなどを食べるなど、魚種を選ぶことが大切だ」と話す。

魚には貴重な栄養が含まれているため、妊婦が魚を食べないというのは好ましくなく、以前も妊娠中1週間340Gの魚を食べると胎児の発達に良い?|#ホンマでっかによれば、1週間に340g以下の魚類を摂っていた妊婦から生まれた子供は、340g以上摂っていた妊婦からの子供に比べて、言語能力、運動能力、社会性、すべての面で発達が遅れていたという調査結果から、妊婦は1週間に340g以上の魚を食べるようにしたほうがいいということをお伝えしました。

大事なのは、食物連鎖の上位にいるマグロやメカジキなどの大型の魚ではなく、サンマなどの魚を選ぶようにしたらよいということです。




■妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量(筋肉)の目安

妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて(Q&A)(平成17年11月2日)|厚生労働省

近年、魚介類を通じた水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされています。この胎児への影響は、例えば音を聴いた場合の反応が1/1,000秒以下のレベルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。妊婦は、注意事項を正しく理解するように努めて下さい。
魚介類は健やかな妊娠と出産に重要である栄養等のバランスの良い食事に欠かせないものです。

水銀濃度が比較的高い魚介類を食べてはいけないというわけではなく、週一回が望ましいとされる魚を同じ週に2回以上食べる場合にはその食べる量を減らしたり、次の週に食べる量を減らしたりといった工夫をするとよいそうです。

■1回約80gとして妊婦は週に1回まで(1週間当たり80g程度)

  • キンメダイ
  • メカジキ
  • クロマグロ
  • メバチ(メバチマグロ)

■1回約80gとして妊婦は週に2回まで(1週間当たり160g程度)  

  • キダイ
  • マカジキ
  • ユメカサゴ
  • ミナミマグロ
  • ヨシキリザメ

参考1)マグロの中でも、キハダ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)、ツナ缶は通常の摂食で差し支えありませんので、バランス良く摂食してください。
参考2)  魚介類の消費形態ごとの一般的な重量は以下のとおりです。
寿司、刺身  一貫または一切れ当たり  15g程度
刺身  一人前当たり  80g程度
切り身  一切れ当たり  80g程度







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水俣病の原因「メチル水銀中毒」の神経障害メカニズムを解明|新潟大

参考画像:メチル水銀は血管内皮増殖因子の発現亢進により血液脳関門の障害を来すことが明らかに!-水俣病の病態解明と治療開発につながる発見- (2017/1/25、新潟大学)|スクリーンショット




■水俣病の原因「メチル水銀中毒」の神経障害メカニズムを解明|新潟大

メチル水銀は血管内皮増殖因子の発現亢進により血液脳関門の障害を来すことが明らかに!-水俣病の病態解明と治療開発につながる発見-

(2017/1/25、新潟大学)

メチル水銀中毒の神経障害メカニズムとして,血管のバリア機能の障害が重要であることを初めて明らかにしました。

なぜメチル水銀中毒で,小脳や後頭葉が侵され,ふらつきや視野の狭窄といった障害が出現するのかを初めて明らかにしました。

従来有効な治療法がなかったメチル水銀中毒に対し,新たな治療法として,VEGF を標的とする抗体療法を見出しました。

新潟大学の高橋哲哉助教及び下畑享良准教授らが行なったラットの実験によれば、水俣病の原因とされるメチル水銀中毒のメカニズムを解明したそうです。

その結果,VEGF は水俣病で障害のみられる小脳・後頭葉で増加し,特に小脳における顕著な発現が認められました(図)。VEGF は血管バリア機能の破綻を起こしますが,実際に小脳では血管内の物質が,脳組織へ漏れ出していることを確認できました。このためにメチル水銀中毒に伴う血管内の有害物質が脳内に漏れ出して神経障害が生じると考えられました。VEGFの作用を中和する抗 VEGF 抗体を,メチル水銀中毒ラットに投与したところ,運動機能の障害(後肢交叉現象)に改善がみられました。

メチル水銀を投与すると、小脳や後頭葉で血管内皮増殖因子(VEGF;血管バリア機能の破たんを起こす)が増加し、小脳において血管内の有害物質が脳内に漏れ出したことによって、神経障害が生じると考えられます。

また、抗VEGF抗体をメチル水銀中毒ラットに投与したところ、運動機能の障害(後肢交叉現象)に改善がみられたことにより、水俣病の解明と治療法の解明につながることが期待されます。







P.S.

<マグロ過食に注意>妊婦が食べ過ぎると胎児の運動機能や知能の発達に影響がある可能性も|東北大で紹介した東北大チームの疫学調査によれば、水俣病の原因物質であるメチル水銀を比較的多く含むマグロやメカジキなどの魚介類を妊婦が食べ過ぎると、一般的な食用に問題のない低濃度の汚染でも胎児の運動機能や知能の発達に影響がある可能性が分かったそうです。