ロスマリン酸摂取後の脳内ドーパミンがアルツハイマー病を予防する ポリフェノールの新たな作用機序
(2019/6/18、東京大学)
東京大学大学院農学生命科学研究科の小林彰子准教授と金沢大学大学院医薬保健学総合研究科山田正仁教授、福島大学平修教授らの研究グループは、ポリフェノールの一種、ロスマリン酸を摂ったマウスの脳内において、ドーパミンをはじめとするモノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称)の濃度が上昇し、それらがアルツハイマー病の主病態であるアミロイドβ凝集を抑制することを明らかにしました。
現在アルツハイマー病を根治する薬は存在しないことから、ロスマリン酸の摂取により、脳内で合成が活性化される成分(モノアミン)がAβ凝集を抑制するという新たな作用機序の発見は、ポリフェノール摂取によるアルツハイマー病の予防や治療法の確立に繋がることが期待されます。
参考画像:ロスマリン酸摂取後の脳内ドーパミンがアルツハイマー病を予防する ポリフェノールの新たな作用機序(2019/6/18、東京大学)
■ロスマリン酸とは?
ロスマリン酸は、ポリフェノールの一種で、ローズマリーやレモンバーム、シソ、えごまなどのシソ科ハーブ類の植物に多く含まれる成分です。
【参考リンク】
- Tomoki Hase, Syun Shishido, So Yamamoto, Rei Yamashita, Haruka Nukima, Shu Taira, Tsudoi Toyoda, Keiko Abe, Tsuyoshi Hamaguchi, Kenjiro Ono, Moeko Shinohara, Masahito Yamada, Shoko Kobayashi, Rosmarinic acid suppresses Alzheimer’s disease development by reducing amyloid β aggregation by increasing monoamine secretion. Sci Rep 9, 8711 (2019). https://doi.org/10.1038/s41598-019-45168-1