「内臓脂肪減少薬」タグアーカイブ

日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」発売!オルリスタットの作用/セルフメディケーション/注意すべきポイント




【今回のニュースの重要なキーワード】

日本初の内臓脂肪減少薬/セルフメディケーション

日本初の内臓脂肪減少薬を4月に販売 食事で摂取の脂肪を便と一緒に排出 大正製薬(2024/3/4、FNN)によれば、大正製薬は、薬局で買える日本初の内臓脂肪減少薬(30日分に当たる90カプセル入りは希望小売価格が8800円)を4月8日に販売開始すると発表しました。

大正製薬、内臓脂肪の減少薬発売 食べた25%を便とともに排出(2024/3/4、共同通信)によれば、内臓脂肪減少薬「アライ」は食事で取り入れた脂肪の約25%を便とともに排出し、脂肪の分解・吸収を抑える仕組みがあり、投与試験では、52週の服用で内臓脂肪面積が20%強、腹囲が5%弱減ったことから、腹囲減少に効果があるそうです。

効能を腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上の)太めな方の内臓脂肪及び腹囲の減少としていることから、いわゆるメタボリックシンドロームの人に向けた治療薬と言えそうですね。

医師の処方せんなしで、薬局で薬剤師の対面販売のもと購入できるということも大事なポイントです。

ただしいくつかのルールが設けられています。

●購入の前には、食事や運動といった生活習慣の改善が分かる記録を薬剤師に見せる
●18歳以上の成人である
●腹囲が男性は85センチ、女性は90センチ以上
▼服用の3か月前から食事や運動といった生活習慣の改善に取り組んでいる

■オルリスタットの作用

大正製薬の製品情報サイトによれば、食事中に含まれる脂肪(トリグリセリド)は、膵臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに加水分解(消化)され、消化管(腸管)から吸収されます。

アライの有効成分であるオルリスタットは消化管管腔内で脂肪分解酵素リパーゼの活性を阻害し、食事由来の脂肪の吸収を抑制。食事由来の脂肪のうち、約25%を便として排泄することが期待できるそうです。

→ 中性脂肪(トリグリセライド)とは|数値・高い原因・下げる(減らす) についてくわしくはこちら

■注意すべきポイントは副作用

副作用として下痢や軟便などが臨床試験で確認されているそうです。

●便が脂っぽくなる/便が近くなる/お腹が張る/下痢/腹痛→脂っこい食事は控えめに

脂肪分の多い食事ほど、消化器症状があらわれやすくなります。

食事内容に応じて油や便の漏れといった消化器症状を軽減させることができるのでできるだけ脂肪分を控えた食生活を意識し、症状をコントロールしましょう。

●おならをすると便が漏れる/気づかない間に肛門から油が漏れる→油漏れ・便もれには便もれパッドで対策

消化器症状による副作用は服用開始の2週間以内に怒りやすく、次第に発症率は落ち着いていきます。

慣れるまでは、おむつや生理用ナプキン、便もれパッドで対策しましょう。

■まとめ|ニュースのポイント

今回のニュースのポイントは、医師の処方せんなしで、薬局で薬剤師の対面販売のもと購入できるということです。

日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」発売、16年を費やし有効性・安全性を担保「ここまでエビデンスを揃えたのは『アライ』以外にないと自負」(2024/3/5、Web東奥)

自分の健康を自分で守る、セルフメディケーションを皆さんにしていただきたいので、今回『アライ』をダイレクトOTCとしてチャレンジしています。つまりは、地域の薬剤師さん(かかりつけ薬局)、ドクター、我々メーカーの三位一体で地域包括のヘルスケアに取り組めるということです。

医師の処方せんなしで、薬局で薬剤師の対面販売のもと購入できるのには、「セルフメディケーション」が推進されていることにあります。

セルフメディケーションのすすめ|第一生命を参考にまとめると、高齢化に伴う慢性疾患および生活習慣病等の医療費の影響などにより国民医療費が増加しており、人生100年時代と言われ、平均寿命と健康寿命の差を短縮して健康寿命の延ばすことが求められる中、政府の方針(「日本再興戦略(2013)」「未来投資戦略(2017)」「骨太の方針2022」)としていかに医療費を抑制して健康的な老後を送るにはどうしたらよいかと考えて、「自分の健康を自分で守る」「軽度な段階ではまず近所の薬局の薬剤師と相談しながら治療する」という「セルフメディケーション」が推進されるようになっています。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

これからますます「健康」の価値が上がり、「未病」「予防医学」の関心が高まっていくでしょうから、しっかりと生活習慣の改善に取り組んでいきましょう!

→ 内臓脂肪を減らす方法|内臓脂肪の落とし方(食事・運動・サプリメント) についてくわしくはこちら







【関連記事】