■環境音楽を聴いた時の気分の変化から自律神経機能を予測|音楽による自律神経バランスの改善に期待|大阪市立大学
by Anita Hart(画像:Creative Commons)
環境音楽聴取時の気分変化から自律神経機能を予測-音楽による自律神経バランスの改善に期待-
(2017/4/27、理化学研究所)
KOKOROスケール[4]注2)を用いて得た主観的気分データの解析結果から、環境音楽の聴取により、気分が「癒し」「眠気」「安心・リラックス感」の方向に大きく動くことが分かりました。さらに、聴取前後での自律神経機能の変化と主観的な気分変化との相関を調べたところ、「癒し」や「安心・リラックス」への気分変化に対しては心拍数が減少すること、「爽快」への気分変化に対しては循環器系自律神経機能の指標であるLF/HF(心拍変動の低周波数成分(LF)と高周波数成分(HF)の比)が減少することが分かりました。
理化学研究所と大阪市立大学の研究グループによれば、環境音楽を聴くことにより疲労感が軽減し、安心・リラックス感が増すこと、そして気分の変化から自律神経機能を予測可能であることがわかったそうです。
■音楽の健康に対する影響
by Garry Knight(画像:Creative Commons)
運動後に気分が落ちつく音楽を聴くと、自律神経活動に良い効果がある|東北大によれば、自分で選んだ気分を落ち着かせるような音楽を運動後に聴くと副交感神経活動の低下を和らげたそうです。
更年期障害の症状の顔のほてり(紅潮)は音楽を聴くと改善する!によれば、更年期障害の症状には、顔のほてり(紅潮)がありますが、アメリカの研究班によれば、呼吸のリズムを整える装置を使った呼吸法治療群の女性で紅潮症状が少なくなり、また、音楽を聴く対照群の女性では紅潮症状が呼吸法治療群よりも少なくなるという結果が出たそうです。
音楽を聴くとトレーニング・エクササイズによる体の負担が軽くなる!?で紹介したカナダのマギル大学の研究によれば、運動をしながら音楽を聴くと、苦しさが和らぎ、体の負担が軽くなるそうです。
音楽のテンポとノリによって、無意識のうちに運動量が変わる!?で紹介したベルギーのGhent大学の研究者、Marc Lemanさんによると、人はエクササイズ中に聴く音楽のテンポとノリによって、無意識のうちに運動量が変わるそうです。
■まとめ
参考画像:環境音楽聴取時の気分変化から自律神経機能を予測-音楽による自律神経バランスの改善に期待-(2017/4/27、理化学研究所)|スクリーンショット
日常的な疲労の蓄積は、自律神経機能バランスの悪化を介して循環器疾患など、さまざまな疾病のリスク要因になることが報告されています。今回の研究をもとに、個人個人の自律神経機能に与える音楽の効果を高精度で予測する技術が開発できれば、個人の健康状態にとってベストな選曲を提案する健康促進ツールの実現につながる可能性があります。
疲労の蓄積が自律神経のバランスを崩し病気の要因になるのであれば、自分自身にとって最もよい音楽を選曲する技術が開発することができれば、病気を予防する音楽ツールができるかもしれません。
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