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小西真奈美さん、10年以上の糖質制限で体調不良?極端な食事制限から考えたい「無理なく続けられる健康習慣」

小西真奈美さんのInstagram投稿(2026年9月11日)によれば、10年以上にわたって糖質を控える食生活を続けていたところ、あるとき起き上がれないほど体調を崩し、ひどい湿疹にも悩まされたという体験が紹介されています。

その後、はちみつを食生活に取り入れるようになり、徐々に体調が変化していったという体験についても語られています。

これはあくまで一人の体験談ですが、ここで気になったのが、

「極端な糖質制限を長期間続けることで、湿疹や強い疲労などの体調不良が起こることはあるのだろうか?」

ということです。

調べてみると、糖質制限をしているすべての人に起こるわけではありませんが、極端な糖質制限やケトーシスとの関連が報告されている皮膚疾患などがあります。

■糖質制限と関連が報告されている「色素性痒疹」とは?

極端な糖質制限やケトーシスとの関連が報告されている皮膚疾患の一つが「色素性痒疹(しきそせいようしん)」です。

色素性痒疹は、胸や背中などの体幹を中心に、強いかゆみを伴う赤い丘疹や紅斑が現れ、症状が治まったあとに網目状の色素沈着を残すことがある皮膚疾患です。

発症の仕組みは完全には解明されていません。

一方、ダイエットや飢餓状態、糖尿病など、体内でケトン体が増えやすい状態との関連が指摘されています。

日本でも、糖質制限ダイエット中に色素性痒疹を発症した症例が報告されています。

ただし、

「糖質を減らすと湿疹になる」

と単純に結びつけることはできません。

糖質制限を行っているすべての人に色素性痒疹が発症するわけではなく、極端な食事制限や摂取エネルギーの不足など、さまざまな要因が関係している可能性があります。

そのため、糖質制限の有無だけではなく、食事全体のバランスや摂取量まで含めて考えることが大切です。

■極端な糖質制限と「強い疲労」は関係する?

もう一つ気になるのが、「起き上がれないほど体調を崩した」という点です。

ケトジェニック食と体の代謝との関係についても研究が行われています。

健康な正常体重の11人を対象にした小規模な研究では、ケトジェニック食を摂った後に、甲状腺ホルモンの一つであるT3が低下したことが報告されています。

ただし、この変化が強い疲労などの症状を引き起こすと、この研究から判断することはできません。

また、ケトジェニック食と甲状腺ホルモンの関係を調べた小規模な研究では、ケトジェニック食を摂ったあとに甲状腺ホルモンの一つであるT3が低下したことが報告されています。

ただし、こうした変化が「起き上がれないほどの体調不良」の直接的な原因になるとまではいえません。

体調不良にはさまざまな原因が考えられるため、個人の症状について「糖質制限が原因だった」と外部から判断することはできません。

■「はちみつを食べて回復した」はどう考えればいい?

小西さんは、はちみつを食生活に取り入れるようになってから徐々に体調が変化していったという自身の体験を紹介しています。

ただ、ここも切り分けて考える必要があります。

これは個人の体験談であり、はちみつによって症状が治療されたことが医学的に確認されたわけではありません。

ある食品を食べ始めた時期と体調が改善した時期が重なっていても、それだけで「その食品によって治った」と判断することはできないからです。

はちみつに限らず、一つの食品だけを健康効果と結びつけるのではなく、食生活全体の中で考えることが大切ではないでしょうか。

■「甘いものは敵」と決めつけてしまっていない?

今回の体験談でもう一つ注目したいのが、長期間にわたって糖質を強く意識した食生活を続けていたという点です。

健康のために食事を意識すること自体は大切です。

ただ、

「糖質は絶対に避けなければならない」

「甘いものは絶対に食べてはいけない」

というように、健康のために始めた習慣がいつの間にか「絶対に守らなければならないルール」になってしまうと、食事そのものを楽しめなくなったり、必要以上の我慢につながったりすることがあります。

これは糖質制限だけの話ではありません。

脂質を避ける。

塩分を避ける。

毎日必ず運動する。

毎日決められた歩数を歩く。

健康によいといわれる食品を毎日欠かさず食べる。

どれも「健康のため」に始めることですが、健康習慣は厳しくすればするほど健康になるとは限りません。

健康のための習慣が「我慢」になっていませんか?

糖質制限そのものが悪いわけではありません。

体重管理や血糖管理などを目的として食生活を見直すことが役立つ場合もあります。

一方で、極端な食事制限を長期間続けたり、一つの考え方だけに強くこだわったりすることが、自分にとって負担になっていないか、ときどき振り返ってみることも大切です。

健康習慣で大切なのは、完璧に守り続けることではなく、自分の体調を見ながら無理なく続けられる形にしていくこと。

食事も、運動も、睡眠も、

「これだけやれば健康になる」

と考えるのではなく、生活全体のバランスの中で、自分に合った健康習慣を作っていきたいですね。

そして健康のために何かを続けているときこそ、ときどき自分に問いかけてみてはいかがでしょうか。

「この健康習慣、無理して続けていないかな?」

健康になるための習慣だからこそ、無理をせず、長く続けられるものにしていきたいですね。

※強い疲労や湿疹などの症状が続く場合には、自己判断で食事だけを変えて対処するのではなく、医療機関に相談してください。

【関連記事】

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【参考文献・参考資料】

  1. 山佳那子, 田蒔舞子, 飛田泰斗史.「糖質制限ダイエット中に発症した色素性痒疹の1例」 徳島赤十字病院医学雑誌.
    糖質制限ダイエット中の25歳女性に色素性痒疹が発症した症例報告です。尿中ケトン体が4+で、著者らはケトーシスが発症に関与している可能性を指摘しています。
    徳島赤十字病院「糖質制限ダイエット中に発症した色素性痒疹の1例」
  2. 手納信一ほか.「色素性痒疹を合併した糖尿病性ケトーシスの3例」 糖尿病. 2000;43(5):387-391.
    糖尿病性ケトーシスに色素性痒疹を合併した3症例の報告です。色素性痒疹とケトーシスとの関連について検討されています。一方、著者らは偶然の合併の可能性も否定できず、発症機序やケトーシスとの関連について、さらなる症例の蓄積が必要としています。
    J-STAGE「色素性痒疹を合併した糖尿病性ケトーシスの3例」
  3. Sun HY, Sebaratnam DF. Prurigo pigmentosa following a ketogenic diet: a case report. European Journal of Clinical Nutrition. 2022;76:624-625.
    ケトジェニックダイエット開始後に色素性痒疹を発症した19歳女性の症例報告です。著者らは色素性痒疹の病因は不明としながらも、ケトーシスによって誘発される可能性が仮説として示されていると説明しています。
    European Journal of Clinical Nutrition掲載論文
  4. Xiao A, Kopelman H, Shitabata P, Nami N. Ketogenic Diet-induced Prurigo Pigmentosa (the “Keto Rash”): A Case Report and Literature Review. Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology.
    ケトジェニックダイエットに関連した色素性痒疹についての症例報告・文献レビューです。色素性痒疹は原因不明の炎症性皮膚疾患ですが、ケトーシスなどさまざまな誘因との関連が報告されているとしています。
    JCAD掲載論文
  5. Iacovides S, Maloney SK, Bhana S, Angamia Z, Meiring RM. Could the ketogenic diet induce a shift in thyroid function and support a metabolic advantage in healthy participants? A pilot randomized-controlled-crossover trial. PLOS ONE. 2022;17(6):e0269440.
    健康な正常体重の11人を対象にしたランダム化クロスオーバー試験で、ケトジェニック食後にはT3濃度が有意に低下し、TSHには食事による影響が認められなかったと報告されています。小規模な試験である点には注意が必要です。
    PLOS ONE掲載論文







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