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帯状疱疹ワクチンが脳卒中・心不全・虚血性心疾患・心房細動のリスクを下げる!




帯状疱疹ワクチン(特に新しい組換え型のシングリックス=Shingrix)が、帯状疱疹そのものを防ぐだけでなく、認知症や心血管疾患のリスクも下げる可能性を示す研究が、近年相次いで発表されています。

■帯状疱疹ワクチンって何?

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう(水痘)」のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が体の中に潜伏し、年をとったり免疫が弱まったりしたときに再活性化して起こる病気です。

痛い発疹が出ることで有名ですが、実はこのウイルスが神経や血管に炎症を起こし、認知症(特にアルツハイマー病や血管性認知症)や心筋梗塞・脳卒中などの心血管疾患のリスクを高める可能性が指摘されています。

ワクチンでウイルスの再活性化を抑えることで、こうした「副次的な効果」が得られるのでは、というのが仮説です。

最近の研究では、「帯状疱疹を防ぐだけでなく、他の病気のリスクも下げてくれるかも」という結果が次々と出ています。

■心臓や脳の病気への効果

心血管疾患(脳卒中・心不全・虚血性心疾患・心房細動)に関する主な研究最近注目されているのが、Nature Medicine(2026年8月)に掲載された研究です。

米国で2017年に生ワクチン(Zostavax)から組換えワクチン(Shingrix)に切り替わったタイミングを利用して、両方を接種した人を比べたところ、約7年間で次のような傾向が見られました。

・心臓や血管の病気全体(虚血性心疾患・心不全・虚血性脳卒中)のリスクが9%低下
・狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患:約10%低下
・心不全:約12%低下
・虚血性脳卒中:男性で約12%低下(女性では有意差なし)
・心房細動(不整脈の一種):約7%低下

韓国の大規模研究(European Heart Journal, 2025年頃)でも、生ワクチン接種で全体の心血管イベントリスクが約23%低下(心不全26%、冠動脈疾患22%など)という結果が出ています。

■【仮説】なぜ帯状疱疹ワクチンにそんな効果があるの?

ウイルスが再活動すると体の中で炎症が起きやすくなり、それが脳や血管を傷つけて認知症や心臓病を進めやすくする、と考えられています。

ワクチンでウイルスを静かに保つことで、こうした悪影響を減らせるのでは、という仕組みが有力です。

■注意してほしいこと

これらは「観察研究」が中心で、まだ「絶対に効く」と完全に証明されたわけではありません。

リスクが下がる割合は研究によって少し違いますし、絶対的な効果はそれほど大きくない場合もあります。

それでも複数のしっかりした研究で同じ方向の結果が出ているので、「期待できる副次効果」として注目されています。

■【補足】帯状疱疹ワクチンを接種した成人は認知症の発症率が20%低い

学術誌「Nature」に発表された研究によれば、帯状疱疹ワクチンを接種した成人は、接種していない成人に比べ、認知症の発症率が20%低いことがわかったそうです。

→ 認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

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■まとめ

帯状疱疹ワクチンは、ただ痛い発疹を防ぐだけでなく、認知症のリスクを下げたり、心臓や脳の病気を少しでも予防したりする可能性がある、という嬉しい発見が続いています。

特に50歳以上の方は、帯状疱疹そのものを防ぐためにも接種を検討する価値がありそうです。

気になる方はかかりつけの医師に相談してみてください。

【補足】

帯状疱疹ウイルスの再活性化で「体の中で慢性的な炎症を起こしやすくする」ことが、認知症や心臓病・脳卒中のリスクを高める一因だとすると、1)ウイルスの再活性化そのものを抑える(ワクチン)、2)炎症が起きにくい体の状態を作る(生活習慣や食事)、この両方が重要になってくることになります。

アルツハイマー病や血管性認知症、動脈硬化、心不全、心房細動などは、いずれも慢性炎症が深く関わっていることがわかっています。

ウイルスによる炎症はその「火種」の一つに過ぎず、生活習慣による炎症を減らすことは、根本的なリスク管理になります。

「炎症しにくい生活」の例

●食事:野菜・果物・青魚・ナッツ・オリーブオイルなどを中心にした食事(地中海食や抗炎症食)。加工食品・糖質過多・過剰な飽和脂肪酸を控える。
●運動:適度な有酸素運動や筋トレ(やりすぎは逆に炎症を増やすことも)。
●睡眠:質の良い睡眠を十分にとる。
●ストレス管理:慢性的なストレスは炎症を促進します。
●体重管理:内臓脂肪が多いと慢性炎症の元になります。
●禁煙・節酒。

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帯状疱疹ワクチンで認知症の発症率が20%低下!考えられる可能性とは?




学術誌「Nature」に発表された研究によれば、帯状疱疹ワクチンを接種した成人は、接種していない成人に比べ、認知症の発症率が20%低いことがわかったそうです。

【参考リンク】

近年、帯状疱疹ワクチンと認知症リスク低下の関連性を示唆する研究が発表されています。

しかし、帯状疱疹ワクチン自体に認知症予防に役立つ何らかの効果があるのか?、それとも帯状疱疹ワクチンを接種するタイプの人は認知症にそもそもなりにくいタイプの人ではないのか?を見分けることが難しかったのです。

【関連記事】

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下している可能性があるようです。

つまり、ワクチン接種を自らの意志で選ぶタイプの人は、医療に対して肯定的で、なおかつ健康意識も高いと考えられるため、認知症予防につながる行動をしているために認知症になりづらい可能性が高いので、帯状疱疹ワクチンが認知症リスクの低下と直接関連があるのか、それとも直接関係はないが相関的に関連があるのかがわからなかったわけです。

しかし、今回の研究では帯状疱疹ワクチンの接種資格が生年月日が決まるウェールズのデータを利用することで比較することができました。

ウェールズのデータを使用:ウェールズでは、帯状疱疹ワクチンの接種資格が生年月日(1933年9月2日)で決まっていました。この日より前に生まれた人はワクチンを受けられず、後に生まれた人は受けられる、というルールです。

自然実験:誕生日が数日違うだけでワクチンを受けられる人と受けられない人がいるので、両者を比較しました。誕生日が近い人は生活習慣や健康状態がほぼ同じはずなので、ワクチンの効果だけを調べるのに最適です。

■結果:何がわかったの?

ワクチン接種率の急上昇:1933年9月2日以降に生まれた人は、ワクチン接種率が0.01%から47.2%に跳ね上がりました。

認知症の減少:ワクチンを受けた人は、7年間で認知症と診断される確率が3.5%減少し、相対的に20%も下がりました。

性差:特に女性で効果が強く、男性では効果が弱かったです。

他の病気への影響:ワクチンは帯状疱疹を減らすだけでなく、認知症以外の病気や死亡率には影響を与えませんでした。

検証の確かさ:イングランドや死亡診断書データでも同じ結果が出て、結果が信頼できることが確認されました。

■ワクチンが認知症を減らす理由を3つの可能性(メカニズムの可能性)

帯状疱疹の減少:ワクチンが帯状疱疹を防ぐことで、医療機関への受診が減り、認知症診断の機会が減った可能性。ただし、これだけで結果を説明するのは難しい。

ウイルスの再活性化防止:帯状疱疹ウイルス(VZV)が脳に悪影響を与えるのをワクチンが抑えた可能性。抗ウイルス薬を使った分析でも、ウイルスを抑えると認知症が減ることが示唆されました。

免疫系の強化:ワクチンが免疫系を広く活性化し、特に女性で認知症を防ぐ効果があった可能性。インフルエンザワクチンを受けていない人や自己免疫疾患がない人で効果が強いこともわかりました。

■まとめ

なぜ帯状疱疹ワクチンが認知症リスクを下げるのか、そのメカニズムはわかっていないものの、帯状疱疹ワクチンを接種した方が認知症の発症率を下げることがわかったので、帯状疱疹と認知症のどちらのリスクも下げたい方は接種を検討した方がいいのではないでしょうか?

→ 認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

→ 帯状疱疹ワクチンが脳卒中・心不全・虚血性心疾患・心房細動のリスクを下げる! について詳しくはこちら







帯状疱疹ワクチン、2025年4月から定期接種へ 50代から急増し70代がピーク




厚生労働省は50代から急増する帯状疱疹(たいじょうほうしん)のワクチンの定期接種を高齢者を対象に実施することを決めました。

■帯状疱疹とは?

  • 帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルスに最初に感染した後(いわゆる水ぼうそう)、神経に潜伏感染しているウイルスが、加齢、疲労、免疫力低下によって再活性化して起切る病気です。
  • 帯状疱疹は50代以降から罹患率が高くなり、ピークは70代と言われています。
  • 帯状疱疹の主な症状は疼痛(とうつう;痛みのこと)と水疱ができる皮膚病変。
  • 北海道での研究によれば、60歳代以上の帯状疱疹患者のうち、3.4%で入院を要したとされる。
  • 合併症として「帯状疱疹後神経痛(PHN;皮膚病変が治癒した後に疼痛が残り数ヶ月から数年持続し、帯状疱疹患者のうち20%程度が発症し、高齢になるほど罹患率が高いとされている)」がある。発症するとQOLが大きく損なわれる。
  • 帯状疱疹は皮膚に疼痛や水疱が出現するだけでなく、顔面神経麻痺を伴うramsay hunt症候群や眼合併症を引き起こしたり、まれに髄膜炎や脳炎を合併したりすることもある。
  • 宮崎スタディによれば、50代から急増すること、水痘の少ない夏に帯状疱疹が多く、水痘の多い冬は帯状疱疹が少ないという季節性があること、帯状疱疹患者の約7割が50歳以上であったことから、高齢者の増加が帯状疱疹患者数を引き上げている一因になっていると考えられる。
  • ただ2014年から水痘ワクチンが導入されて水痘患者が減少した結果、帯状疱疹の発症数が増加し、季節性が認められなくなっている。水痘の減少によってブースター効果(体内で一度作られた免疫機能が再度抗原に接触することで高まること)を得る機会が少なくなり、発症率が増加している。
  • 高齢化の進行や水痘患者の減少によるブースター効果の減弱によって帯状疱疹患者の増加が予測されるため、ワクチン接種で予防することが望まれる。

「顔面に麻痺の症状が」寺島しのぶ 帯状疱疹ウイルスで52歳の初入院を告白…“口出しする母”考え直すきっかけに(2025年2月19日、女性自身)によれば、寺島しのぶさんは帯状疱疹で顔面にまひの症状が現れ、右耳が聞こえづらくなったそうです。

【参考リンク】

■まとめ

帯状疱疹は、ヒトからヒトへ感染せず、かかった場合にも重篤化するおそれは大きくないのですが、一定割合で帯状疱疹後神経痛(PHN)を合併すること、そして発症早期の治療によって合併症の予防効果も期待できることから、帯状疱疹ワクチンによって帯状疱疹やPHNの発症を予防すれば、高齢者における重症化するリスクを避け、PHNの発症によるQOL低下を防ぐことができると考えたのではないでしょうか?