6月頭に体調を崩し、7月半ばから入院・治療されている渡邊渚フジテレビアナウンサーのInstagramでは現在の近況が報告されています。
食べられなくなった。
うまく歩けなくなった。
うまく指が動かなくなった。
<中略>
もっと自分を大切にしていればよかった。
身体の悲鳴に耳を傾ければよかった、
心に素直になればよかった。
具体的な病名は明らかにされていませんが、大変な状況は伝わってきます。
40~50代の頑張りすぎる女性は更年期症状などの体調不良の自覚率が高い!自分でできるケアのやり方!で紹介した「ホルモンケア推進プロジェクト」が40~50代の女性333名を対象に行なった「更年期世代女性の体調変化と心理状態」調査によれば、ここ5年で、身体や体調の変化を感じていると答えたのは77.6%で、がむしゃらだと言われた経験がある女性の方がそうでない女性に比べて、体調不良の自覚率が高いという結果が出たそうです。
参考画像:~更年期世代女性の体調変化と心理状態に関する調査レポート~ 40~50代女性は、がんばりすぎの「がむしゃら世代」 「体調不良時には我慢してやりすごす」が4割以上 無理することが習慣化!?(2017/3/27、読売新聞プレスリリース)
周囲からがむしゃらだといわれる女性の方が、そうでない女性に比べて、「シワ・たるみが増えた」を除いて、「疲れやすくなった、体力が落ちた」「痩せにくくなった」「イライラしやすくなった」「以前はできていたことができなくなった」「眠りにくくなった」の項目で上回っていることが分かりました。
周囲からがむしゃらだといわれる女性は不調に対してどのような対処を行なっているのでしょうか?
参考画像:~更年期世代女性の体調変化と心理状態に関する調査レポート~ 40~50代女性は、がんばりすぎの「がむしゃら世代」 「体調不良時には我慢してやりすごす」が4割以上 無理することが習慣化!?(2017/3/27、読売新聞プレスリリース)
「安静もしくは休養する」(56.2%)、「我慢してやりすごす」(41.5%)といった対処法をする女性が多く、「病院に行く」(26.8%)、「薬局に行く」(18.8%)といった具体的に対処する傾向は低いという結果が出ています。
つまり、頑張りすぎる女性は決して体調不良がないわけではなく、体調不良を自覚していながらも、その不調に対して具体的な対処をしない傾向にあります。
日頃から自分の身体の声に耳を傾け、定期的にメンテナンスを行なうことの重要性を今回のケースでより感じますね。
あなたも自分の身体からのサインが出ていませんか?
【追記(2023/12/12)】
渡邊渚さんのインスタ(2023/12/11)には現在の症状を便利グッズ・介護グッズで乗り越えようとしているのが伝わってきます。
力が出ないー!手が震えて箸が持てない!なんて時はこの形状記憶型のユニバーサルスプーンを使ってます。
<中略>
キャップオープナー!入院中ナチュラルウォーターを買って飲もうとしても、ペットボトルの蓋を自分の力では開けられず。看護師さんに手伝ってもらっていたのですが、それも申し訳ないと思っていたら、病院のコンビニでこのキャップオープナーを見つけました。
手が震えるので、形状記憶型のユニバーサルスプーンを使ったり、手に力が入らないため、キャップオープナーでペットボトルのふたを自分で開けたりと、自分のことは自分でできるという範囲を広げることは大事なことですよね。
例えば、加齢やパーキンソン病による手の震えを軽減させるスプーン「リフトウェア」が発売では、原因が不明の手のふるえ(本態性振戦)や、パーキンソン病、脳梗塞などによる手の震えに悩んでいる方々は、日本国内だけでも数百万人いるといわれていますが、センサリング技術などで揺れをコントロールすることで、加齢やパーキンソン病等による手の震えを軽減させ食べづらさを解決するスプーンを紹介しました。
また、パーキンソン病のおじいちゃんのために少女が開発した「こぼれないコップ」がすごい!【デザインは世界を変える】では、よく飲み物をこぼしてしまうパーキンソン病のおじいちゃんのために何とかできないかと考えた女の子が、足が三本あってこぼれにくいコップ「カンガルーコップ」を考えた記事を紹介しました。
【デザイン思考】障がい者のためのデザインは全ての人の役にたつ|エリーズ・ロイ TED TALK聴覚障害を持つエリーズ・ロイさんによれば、耳が聞こえないことによって世界を独自の方法で経験し、理解しているそうです。
そして、その視点が私たちが抱える問題を解決する手助けになってくれるのであり、障碍者のためのデザインをすることが世界に抱える問題を解決に導いてくれるのだそうです。
「車椅子ユーザー同士が体験をシェアできる、世界最大のプラットフォームを作りたい!」|「みんなでつくるバリアフリーマップ」織田友理子さんによるプレゼンテーションで紹介し、Google インパクトチャレンジのグランプリを受賞した「みんなでつくるバリアフリーマップ」のNPO法人PADM代表織田友理子さんのツイートによれば、車椅子の人は4.5センチの段差は一人では超えることのできないため、初めての場所に行く時、時間をかけた綿密なリサーチをしなければならないそうです。
そこでプレゼンされたのが、「みんなでつくるバリアフリーマップ」です。
どういう場所が行きやすい場所なのかをマップ化することができれば、それだけ多くの人が訪れることにつながります。
また、車いすユーザーが行きやすい場所というのは高齢者の方にとっても、お子さんをお持ちのご家族にとっても安全で行きやすい場所になると考えられます。
オストメイト(人工肛門保有者、人工膀胱保有者)のための生活支援アプリ「オストメイトナビ」にyろえば、オストメイト(人工肛門保有者、人工膀胱保有者)の方は外出時に排泄、排尿に不安を抱えているため、対応トイレの位置情報を共有するアプリというのは重要なサービスであり、こうした視点から街を変えていく重要性を感じたことを思い出します。
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問題解決するためのアプローチには様々な方法があると思いますが、「イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則」(著:スティーブン・ジョンソン)で紹介された保育器のエピソードが印象的です。
Steven Johnson:スティーブン ジョンソン「良いアイデアはどこで生まれる?」
(Jul 2010、TED)
詳しい内容はTED TALKを見てもらったり、本を読んでいただくことにして、大まかな内容をまとめると、次の通りです。
未熟児を暖めるための近代的な新生児用の保育器を使い、途上国における幼児死亡率が高いという問題を解決しようと、保育器を送るのですが、これには実は問題が2つありました。
一つは、4万ドルと高価なこと。
そして、もう一つは、修理ができないこと。
4万ドルの保育器をアフリカのある村に送って、数年は役になっても、修理をする部品もなければ、技術者もいないため、お金を送って解決できる問題でもなく、壊れたらそのまま放置されてしまうのです。
そこで、ティモシー・プレステロが考えたのは、途上国にあるもので新生児用の保育器を作るというアイデアです。
途上国では、車が走っており、また車をメンテナンスする技術者もいます。
そのアイデアを基に作ったのが、車の部品だけで作った新生児用の保育器です。
ヘッドライトを熱源として、バッテリーで動かします。
壊れた時には車の部品を入手すれば、修理をすることができます。
このエピソードで大事だと感じたのは、最先端のものだから問題解決するための素晴らしいアイデアというわけではなく、その問題を解決したい人たちにとって、最も最適なアイデアこそ素晴らしいアイデアだということです。
その視点から考えると、障がいを持つ方が自身が直面する問題をデザイン思考を持って解決するというのはいい方法だと考えられます。
■デザイン思考
先程の「車の部品だけで作った新生児用の保育器」のケースを基にデザイン思考について考えてみたいと思います。
Elise Roy エリーズ・ロイ:障がい者のためのデザインは全ての人の役に立つ
(Sep 2015、TED)
デザイン思考は 革新と問題解決のプロセスです それには5つの段階があります 第1段階は問題を定義し その制約を理解することです 第2段階は実生活の中で 人々を観察し 人々に共感することです 第3段階はたくさんアイデアを出すこと 多ければ多いほど 大胆であればあるほど いいのです 第4段階は試作です できる限り 見つかるものを全て集めて 解決法を模倣し 試験して 改善します 最後に 実行です 考えた解決法が 持続可能であるようにします
【第1段階】問題を定義しその制約を理解する
- 途上国における幼児死亡率が高い
- 近代的な新生児用の保育器は高い
- 修理ができる技術者がいない
【第2段階】実生活の中で人々を観察し人々に共感すること
- 途上国では、車が走っている
- 車をメンテナンスする技術者もいる
【第3段階】たくさんアイデアを出すこと
【第4段階】試作(解決法を模倣し試験して改善する)
- ヘッドライトを熱源として、バッテリーで動かす。
- 壊れた時には車の部品を入手すれば、修理をすることができる。
【第5段階】実行(考えた解決法が持続可能であること)
- 壊れた時には車の部品を入手すれば、修理をすることができるということから、「車の部品だけで作った新生児用の保育器」というのは、第5段階の考えた解決方法が持続可能であるという要件を満たしています。
いろんな立場の人たちがデザイン思考をもって問題解決に向けてアプローチをするともっと世界はよい方向に進むのではないでしょうか?