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■世界の全盲者の数は2050年には3倍になる!?|なぜこれほどまでに視力障害の人が増加するという予測が立てられているのか?
by PACAF(画像:Creative Commons)
The Lancet Global Healthに掲載された論文によれば、2015年には全盲の人の数は3600万人であり、中等度および重度の視力障碍者の数は約2億1700万人なのだそうですが、2050年には世界の全盲の人の数は1憶1500億人になり、また中等度および重度の視力障碍者の数は2050年には約5億8800万人になる可能性があるそうです。
2050年までに50億人が近視(近眼)になると予想されている!?で紹介した豪州のニューサウスウェールズ大学のBrien Holden研究所によれば、2050年までに50億人が近視になっていると予想されるそうです。
また、緑内障の発症リスクを高める要因|2050年までに緑内障を発症する米国人が約2倍になるで紹介した米国眼科学会(AAO)によれば、2050年までに緑内障を発症するアメリカ人が約2倍になると予測しています。
なぜこれほど視力障碍の人が増加するという予測が立てられているのでしょうか?
●高齢者の増加
(2017/8/3、AFPBB)
だが、人口増加や高齢化が進む中、視覚障害を抱える人の数は増え続けている。視覚障害の大半は、高齢者にみられるからだ。
高齢化が進むため、視力障碍者が増えると考えられるそうですが、気になるポイントは、影響を受ける大半はアフリカやアジアで暮らす人々であるという指摘です。
●紫外線による活性酸素の影響・喫煙・肥満・糖尿病が関係している?
ランセット・グローバルヘルス(The Lancet Global Health)に掲載された論文は、影響を受ける大半は、アフリカやアジアで暮らす人々だと指摘している。
「なぜミャンマーで白内障患者が急増したのか」から白内障の原因について考えるによれば、世界で最も失明率が高い国はミャンマーで、その70%が白内障によるものなのだそうです。
環境要因のポイントは、リスク要因にさらされる量が多いほど白内障になりやすくなるということです。
ミャンマーで白内障が急増している原因として挙げられているのは、紫外線による活性酸素の影響、喫煙(ミャンマーでは喫煙率が高い)、肥満(米を多く食べる食事に加えて、糖分の多いものを多く摂取する食生活)や糖尿病です。
白内障の原因としては、遺伝と加齢による影響が最も大きいですが、紫外線などの環境要因によって白内障になるリスクが高くなってしまいます。
「糖尿病白内障」を抑制する物質発見|エピジェネティクスの働きを阻害することで糖尿病による白内障を予防する点眼薬への期待|福井大によれば、最近では、白内障が左右の目で進行度に差がある例に着目し、糖尿病白内障の予防を「エピジェネティクス」という現象から研究がすすめられています。
●スマホなどにより近眼人口が増加
また、2050年までに50億人が近視(近眼)になると予想されている!?によれば、シンガポール、中国、台湾、香港、韓国、日本の都市部に近眼人口が集中しているそうです。
都市部に近眼人口が集中しているという事実から考えられるのは2つ。
1.VDT症候群
VDTとは、Visual Display Terminal(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)の略で、パソコンなどの画面表示装置を備えたコンピュータ機器のことをいいます。
VDTによって仕事は合理化され、効率が良くなっているようなのですが、VDT作業が増えるに伴い、目はますます疲れるようになっています。
2.スマホ
スマホを使い続けると目が疲れる理由は「距離」と「まばたき」によれば、スマホとパソコンとで異なるのが「距離」。
パソコンの場合、通常45センチ程度の間隔をあけて操作しますが、スマホの場合、手に持って操作するため、距離を近づけて使用してしまい、近い人は15センチ程度で使用している人もいます。
目には「水晶体」があり、カメラでいうとレンズに当たります。
この水晶体を、近くを見るときには厚くし、遠くを見るときには薄くなるように調節を行なっています。
近くにピントを合わせるために毛様体筋の調節を行なっているのですが、スマホを見る際には、パソコンよりも距離が近くなっているため、この毛様体筋にさらに負担がかかっていると考えられます。
■まとめ
眼科検診で失明が36%減少する!|緑内障・糖尿病網膜症・変性近視・加齢黄斑変性・白内障が失明の主な原因によれば、失明の主な原因は、緑内障・糖尿病網膜症・変性近視・加齢黄斑変性・白内障であり、この5つが全原因の4分の3を占めており、視覚障害の半数が70歳以上で、72%が60歳以上であることから高齢者に対する対策が重要といえます。
こうした目の病気を予防するために重要なのが「眼科検診」です。
杏林大学大学院医学研究科の山田昌和教授(眼科)は、眼科検診によって5つの病気の発見率や失明の減少率を調べたところ、失明は緑内障で45%減、加齢黄斑変性で41%減、変性近視で24%減、糖尿病網膜症で17%減、白内障で4%減となり、5つ全体で検討したところ、失明を36%減少させることができると予測しています。
緑内障と診断された時、すでに66%の人は視野が欠けていたで紹介した緑内障フレンド・ネットワークの調査によると、緑内障と診断された時、既に3人に2人は視野が欠けていたことがわかったそうです。
40歳ごろから緑内障などの目の病気になる人が増えてきますので、失明を防ぐためにも、40歳をめどに一度眼科検診を受けてみて、定期的に眼科で診てもらうことをオススメします。
→ 目の病気・症状 一覧 について詳しくはこちら
【参考リンク】
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