by Tobias Toft(画像:Creative Commons)
スマホと3Dプリンタを活用した義手がダイソンエンジニアリングアワードを受賞
(2013/12/19、家電Watch)
●国際審査1位 「Titan Arm」
参考画像:家電Watch
リハビリなどで用いられる人の力を増大させる上半身用の外骨格「Titan Arm」(アメリカ)。
同様の製品はこれまでもあったが、高額だった。Titan Armは3Dプリントとアルミニウムを素材をすることで、軽量かつ低コストに抑えていることが評価された。
これまでにも、介護用などでパワードスーツが開発されていました。
今回のTitan Armは製造方法と素材を変更することで、軽量かつ低コストを実現できたのだそうです。
●国際審査2位 「Handie」
参考画像:家電Watch
”Handieは、3Dプリンタとスマートフォンを活用した利き腕を補助するための義手。
失われた手の動きを残された筋肉の電気信号をもとに再現する「筋電義手」と呼ばれるもの”
これまでは、電気信号のキャッチには、専用の機器を使っていたのですが、スマートフォンを活用することにより、価格を抑えることを実現。
腕に付けたセンサーとスマートフォンをBluetoothで接続し、動きをHandieに指令するようにしているそうです。
また、義手は量産化が難しいため、生産コストが高くなっていたのですが、3Dプリンタで作れるように設計し、また、単純な動きのサポートを目的とし、モーター数を減らすことで、高額な筋電義手を安価にすることができたそうです。
今回開発するにいたったきっかけが書かれていたのですが、そこにあったのは「気づき」です。
山浦博志氏は「友人がある日ふと、言った『生まれつき右手がないのが普通だから、今更右手が欲しいとは思わない。でも、雨の日は傘に片手がふさがれてしまって大変だ』という言葉にはっとしました。高能性で、高額な筋電義手は必要なくても、傘をさして荷物を持ったり、ナイフとフォークを同時に使うなど“単純な動き”をサポートする義手への需要があることを知りました」と、開発のきっかけを語った。
ほかの人だったらやり過ごしていたようなことに、ハッと気付いたことがこうしたものを作る上で大事なことなのでしょうね。
●国際審査3位「Cortex」
参考画像:家電Watch
”3Dプリントを利用した骨折補助用鋳型システム「Cortex」。
従来のギブズ包帯の問題点だった、重さや防水性を解決した点が評価された。”
ギブスと言ったらこういうものという概念を外して作られたもの。
●「ARESA」
参考画像:家電Watch
”ペットボトルを使った安全な注射針廃棄容器「ARESA」。
糖尿病患者の増加によってインシュリンを打つ人が増えてきていることを背景として開発された。注射針専用のキャップを使うことで、針をペットボトルの中に閉じ込めることができる。”
これからますます糖尿病の患者が増加し、インスリンを注射する必要がある人が増えることが予想されます。
そのためにも、安全に注射針を廃棄できるものというのは大事ですよね。
ただ、もう一歩進めれば、注射針を使わずにできる方法が考えだされることが期待されます。
【感想】
これこそ「デザイン」の本当の意味だと思います。
見かけをよくするのがデザインではなく、問題解決をするのがデザイン。
「デザインは世界を変える」のです。