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「才能」とは長い間同じ姿勢で同じ情熱を傾けられる力|羽生善治さんの言葉より




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by aotaro(画像:Creative Commons)

棋士・羽生善治さんの著書「決断力」の言葉から「才能」について考えてみたいと思います。

以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。(p170)

「決断力」(著:羽生善治)

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成功する人が共通して持つ「グリット」という能力とは?によれば、成功する人が共通して持つ能力として、物事を最後までやり遂げる力が挙げられています。

「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことです。

IQの高さより自己鍛錬が大事によれば、持って生まれた才能(IQの高さ)よりも継続して努力することの方が学業の成績が伸びるという結果が出たそうです。

どんなに才能に恵まれていても、その才能を伸ばすための長期的・継続的な努力が足りなければ成功するのは難しいということであり、その力も才能だといえるということでしょう。

■「グリット」という才能を育てる方法

それでは、どのようにすれば子供の時に「物事を最後までやり遂げる力」を育てることができるのでしょうか。

「グリット」の提唱者でもある心理学者のAngela Lee Duckworth(アンジェラ・リー・ダックワース)氏もその答えはまだ分かっていないようですが、グリットを持った子供を育てるために1番役立つと思われる考え方として「グロース・マインド・セット」を紹介しています。

成功する人が共通して持つ「グリット」という能力とは?

「グロースマインド・セット」というのは、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック博士が発展させた考えで、内容としては「知能は生まれつき固定されたものではなく、後天性のもの、努力を重ねることによって変えることができるものである」という考え方です。

ドゥエック博士の研究では、子供たちに脳と知能の発達について予め学習させ、知能は生まれつきのものではなく、挑戦し続けること、努力することによっていくらでも伸ばすことが可能であると教え込んだ後に難しい問題を解かせると、子供たちは難しい問題に対しても失敗を恐れず、自ら進んで挑戦しようとすることが分かりました。

つまり、才能は生まれつきのものではなく、挑戦し続けることによって伸ばすことができるという考えを教えると、子供は失敗を恐れず挑戦しようとするそうです。

「チェスの神童」と呼ばれ、映画化されたノンフィクション『ボビー・フィッシャーを探して』のモデルであり、太極拳推手の世界選手権覇者ともなったジョッシュ・ウェイツキンの「習得の情熱」(著:ジョッシュ・ウェイツキン)ではトップクラスの競技者になるためのart of learning(習得の技法)について書かれているのですが、この本の中でも、難しい課題に直面した時にはいろいろな方法を駆使しながら学習するタイプの方が自らのレベルを向上させる可能性が高いと書かれています。

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発達心理学という研究分野をリードするキャロル・ドゥエック博士は、人々が知能というものをどう捉えて解釈しているのかについて、その解釈の違いを、実態理論(entity theory)と増大理論(incremantal theory)に区分した。

「実態理論者」の子供たち(親や教師の影響でそういう考え方をするようになった子供たち)は、「自分はこれが得意だ」という言い回しをよく使い、成功や失敗の理由を、自分の中に深く根付いていて変えることのできない能力のレベルにあるとする傾向が強い。

つまり、ある特定の課題における知能や技術のレベルそのものを、進歩させることのできない固定された実体としてとらえているということだ。

一方で、いろいろな方法を駆使しながら学習する増大理論者(ここでは「習得理論者」と呼ぶことにする)は、結果が出た時に「頑張って取り組んだおかけだ」、または「もっと頑張るべきだった」というフレーズを使う傾向が強い。

このように、知能の在り方を習得理論で解釈する子供は、頑張って取り組めば難しい課題でも克服することができる。

すなわち、初心者でも一歩一歩進むことで漸次的に能力を増大させ、ついには達人になることだって可能だという感覚を持っている傾向がある。

結果も重要かもしれませんが、もし子供が失敗をしたとしても、失敗を恐れず新しいことにチャレンジしようという気持ちで失敗をしたのであれば、そのこと自体を褒めてあげることが大事なのだと思います。







P.S.
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