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■黄疸(おうだん)|なぜ肝臓が悪くなると皮膚や白目の部分が黄色く変色するのか?
【目次】
なぜ肝臓の病気の症状に「黄疸(おうだん:jaundice)」があるのでしょうか。
まずは「黄疸」とは何かについて説明します。
■黄疸とは
黄疸|メルクマニュアル家庭版
黄疸は、血液中の色素であるビリルビンの濃度が異常に高くなったことが原因で、皮膚や白眼の部分が黄色く変色することです。
黄疸|日本消化器学会
黄疸とはビリルビンという色素が何らかの原因で血液中に増加し、その結果、全身の皮膚や粘膜に過剰に沈着した状態を意味します。
黄疸とは、血液中のビリルビン濃度が高くなることによって、皮膚や白目の部分が黄色く変色することを言います。
また、尿の色が濃い、皮膚がかゆくなる、全身の倦怠感、発熱などの症状も現れます。
では、なぜ血液中のビリルビン濃度が高くなるのでしょうか。
■血液中のビリルビン濃度が高くなる原因
(2004/6/1、日本臨床検査専門医会)
このビリルビンは血液の流れに乗って肝臓へ運ばれます。肝臓ではグルクロン酸という物質と結合し胆汁として胆管を通り便の中へ排泄されます。ビリルビンが肝臓でグルクロン酸と結合すると水に溶けやすくなり害の少ないビリルビンとなります。
ビリルビンは、赤血球に含まれる酸素や二酸化炭素を運ぶヘモグロビンの一部が代謝されて出来たものです。
ビリルビンは肝臓に運ばれて、グルクロン酸という物質と結合し、胆汁(肝臓で生成される消化液)として胆管を通り、便の中へ排泄されています。
しかし、何らかの原因によって、血液中のビリルビン濃度が高くなると、黄疸の症状が現れるのです。
血液中のビリルビン濃度が高くなる理由としては、次のような理由が考えられます。
(2004/6/1、日本臨床検査専門医会)
肝炎や肝硬変のように肝臓の機能が落ちた時、あるいは胆汁の通り道が結石や腫瘍などで詰まった時に黄疸が出ることは承知のことと思います。この場合はグルクロン酸と結合したビリルビシが肝臓から血液中へと逆流します。
肝臓
通常、ビリルビンは肝臓に運ばれて、グルクロン酸という物質と結合し、胆汁(肝臓で生成される消化液)として胆管を通り、胆汁の成分として腸の中に排出されています。
しかし、肝臓に炎症などのトラブルがあると、胆汁中にビリルビンを排出できなくなり、血液中でビリルビン濃度が高くなると考えられます。
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胆管
胆石やがんができたことによって、肝臓から小腸へ胆汁(肝臓で生成される消化液)を運ぶ胆管の中が狭くなり、胆汁が流れにくくなることによって、胆汁が胆管から逆流して血管の中に入るようになると、血液中のビリルビン濃度が高くなると考えられます。
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■まとめ
by Pedro Ribeiro Simões(画像:Creative Commons)
黄疸の原因は、主に肝臓や胆管に原因がある場合が多いと考えられますが、その他に、赤血球が破壊されることによって起こる貧血である溶血性貧血(溶血により血液中のビリルビン値が上昇して黄疸になる)など別の病気が原因となっている可能性もあります。
黄疸の症状だけでなく、その他の症状が当てはまったり、血液検査で肝臓の数値に異常があるなど気になることがあった場合には、専門医に診てもらうことをお勧めいたします。
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