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腎臓の機能が低下し、腎臓の病気になると、「頻尿(ひんにょう)」という症状が現れますが、なぜ腎機能が低下すると尿(おしっこ)の回数が増える(トイレが近くなる)のでしょうか?
【目次】
■なぜ腎機能が低下すると尿(おしっこ)の回数が増えるの?
by Jorge Láscar(画像:Creative Commons)
腎臓の機能として最も大事なのが、体の中に溜まった老廃物などをろ過して尿を作る機能です。
腎機能が低下すると、尿を濃縮できなくなり、頻尿(夜間頻尿症)という症状が起こります。
一般的な人の尿の回数は、昼5回、夜が0から1回なのだそうです。
健康な状態の時には、夜間は腎臓が尿から水分を吸収して尿量を減らして濃縮しているために、夜の尿の回数が減少しています。
しかし、腎臓からSOSが出ている場合、昼夜逆転現象が起きてしまうそうです。
昼間は、腎臓の処理能力が追い付かないため、尿の量が減り、夜(睡眠)になると、腎臓の処理能力が回復し、尿の量が増えてしまい、夜にトイレに行きたくなり頻繁に目が覚める(頻尿)ということが起きてしまいます。
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■糖尿病になると尿(おしっこ)の回数が増える原因
腎機能低下によって尿の回数が増える例としては、「糖尿病」が挙げられます。
糖尿病とは、血糖値が高くなる病気で、簡単にいうと、上手くブドウ糖を取り入れられない病気です。
糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれてします。
その血液の中にあふれた大量のブドウ糖を排出するため、尿の量が増え、尿(おしっこ)の回数が増えてしまいます。
尿の量・回数が増えている人の中で、特におしっこの泡が消えない人は注意が必要です。
泡がきめの細かいクリーミーで消えない人は、糖尿病の合併症である糖尿病腎症のおそれがあります。
→ 糖尿病腎症の症状・原因・治療 について詳しくはこちら
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■頻尿のその他の原因
●過活動膀胱
過活動膀胱(OAB)の症状・原因と治療法(排尿トラブル改善.com)
過活動膀胱は「急に、がまんできないような尿意が起きる」、「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、がまんができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気で、前立腺肥大症のある人の50~75%には過活動膀胱の症状があると言われます。
過活動膀胱|かねとう腎泌尿器科クリニック
過活動膀胱は蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。
膀胱が過敏になっていて過剰に反応して尿を出そうとするため、尿を溜めて我慢することが難しくなります。
過活動膀胱は、蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。
過活動膀胱になると、膀胱の柔軟性が低下し、膀胱が過敏に反応して、少量の尿でも尿意を感じ、我慢できなくなります。
「急に尿意をもよおす(尿意切迫感)」、「ひんぱんにトイレに行く(頻尿)」、「我慢ができず漏れてしまう」といった症状があります。
【参考リンク】
- 症状は?|過活動膀胱とは|過活動膀胱OAB解決サイト
●年齢による膀胱筋力の低下
●腹部の圧迫によるもの
●前立腺肥大症
●前立腺がん
●糖尿病
糖尿病が原因の場合は、血液内の血糖値を下げるために口渇が強くなり飲水量が増えることと、脳の排尿機能が糖尿病によって障害されてしまうことから頻尿になると考えられます。
通常の頻尿と糖尿病が原因の場合の頻尿の違いの見分け方は、頻尿以外に「のどが渇く」「水分を多く摂るようになる」「多尿」といった症状が併せて起きる場合には、糖尿病の疑いがあります。
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- 糖尿病が原因の頻尿と通常の頻尿の見分け方|糖尿病の症状チェック
- 突然の喉の渇き|なぜ糖尿病になるとのどが渇くのか?|糖尿病の症状
- 尿の量・回数が多い|なぜおしっこ(トイレ)の回数・量が増えるのか?|糖尿病の症状
女性の場合は、加齢による骨盤底筋の衰えに加えて、更年期になると、自律神経が乱れることによって、膀胱が過度に収縮することにより、尿が膀胱にたまっていなくても尿意を感じてしまい、頻尿になると考えられます。
→ 更年期障害の症状・原因・チェック|40代・50代女性の更年期症状 について詳しくはこちら
男性の場合は、更年期になり、男性ホルモン(テストステロン)が低下すると、動脈硬化が進みやすくなり、血管の細い陰茎の血管は細く、動脈硬化の症状が最も早く表れるため、頻尿(おしっこが近い・夜の尿の回数が多い)の症状が起こります。
→ 男性更年期障害の症状・原因|男性更年期 について詳しくはこちら
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■腎臓の病気を予防する方法
腎臓の機能が60%未満に低下した状態の病気を慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)と呼びますが、CKDのリスク要因は、加齢、血尿、高血圧、糖尿病(高血糖)、脂質異常症、肥満と喫煙なのだそうです。
そのため、次のようなことが腎臓病の予防に欠かせません。
- カロリーや脂質を摂り過ぎないバランスのとれた食事
- 運動
- ダイエット(肥満解消)
- 塩分少なめの食事
- 水分補給
- 禁煙
それは、糖尿病と高血圧の危険因子が同じだからだと考えられています。
その他にも、脂質異常症(高脂血症)もリスク要因が重なる部分が多いため、注意が必要です。
→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら
■まとめ
腎機能が低下すると、尿を濃縮できなくなり、頻尿(夜間頻尿症)という症状が起こります。
頻尿(おしっこの回数が増える)以外に、むくみ・体がだるい・疲れやすい・多尿(おしっこの量が増えた)・尿が泡立つ(または泡立ちがなかなか消えない)といった症状がある場合には、腎機能の低下が疑われるので、一度病院でチェックしてみましょう。
→ 腎臓の病気|腎臓病の症状・種類・原因・食事・検査 について詳しくはこちら
→ 頻尿の原因となる病気|男性の前立腺肥大症や過活動膀胱・女性のぼうこう瘤や慢性ぼうこう炎・糖尿病・腎機能低下・更年期障害 について詳しくはこちら
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