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スギ花粉症を短期間で治す腸管免疫を利用した新しい免疫療法の開発|九州大学【論文・エビデンス】

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【目次】




■スギ花粉症を短期間で治す腸管免疫を利用した新しい免疫療法の開発|九州大学

Vegan Yogurt

by Mattie Hagedorn(画像:Creative Commons)

腸管免疫を利用したスギ花粉症に対する新しい免疫療法

(2017/5/1、九州大学プレスリリース)

スギ抗原-ガラクトマンナン複合体を用いた腸管免疫を利用した免疫療法は、従来の免疫療法では実現できなかった短期間で治療効果が期待できる新しい免疫療法です。最新の研究(論文)では、標準的治療に比べ、約6割、抗アレルギー薬を減らす効果が認められました。

九州大学医学研究院耳鼻咽喉科学の中川尚志教授、九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 村上大輔助教、澤津橋基広講師らの研究グループは、スギ花粉症を短期間で治す腸管免疫を利用した新しい免疫療法を開発しました。

短期間(約2か月間)の免疫療法でスギヒノキ花粉飛散期中の症状-薬物スコアと特に薬物スコアの改善が認められました。
短期間(約2か月間)の免疫療法でスギヒノキ花粉飛散期中の症状-薬物スコアと特に薬物スコアの改善が認められました。

参考画像:腸管免疫を利用したスギ花粉症に対する新しい免疫療法(2017/5/1、九州大学プレスリリース)|スクリーンショット

スギ抗原と多糖体の一種であるガラクトマンナンとの複合体が含まれたカプセルを2か月間服用する治療法で、最新の研究によれば、標準的な治療よりも、約6割抗アレルギー薬を減らす効果が認められたそうです。




■腸管免疫とは?

腸管での免疫機構と腸内細菌のバランス、疾患との関係を探求

(2012/9/27、NatureAsia)

ヒトの腸は食べ物や外界からの病原菌などの異物に常にさらされている。しかし、腸管免疫はこのような宿主にとって排除するべきものと許容するべきものを選択しながら、500~1000種類、約100兆個といわれる腸内細菌ともバランスを保っている。この腸管免疫のシステムの調子が悪くなると、炎症性腸疾患や自己免疫疾患、食物アレルギーなどが起こることが知られている。

「腸管でできるIgA抗体の質が悪いと腸管粘膜のバリアが落ち、全身の免疫に影響する。この仕組みが自己免疫疾患を発症・増悪する因子になると推測している」。

腸管免疫のシステムの調子が悪くなると、自己免疫疾患やアレルギーを起こしてしまうそうです。

腸内細菌叢と免疫系との間に新たな双方向制御機構を発見

(2014/7/11、理化学研究所)

免疫反応を抑制する制御性T細胞が、IgA抗体の産生を介して、腸内細菌叢のバランスを制御していること、一方で、バランスのとれた腸内細菌叢が、腸管における制御性T細胞の誘導やIgA抗体の産生といった健全な腸管免疫系の形成に有効であることを発見しました。また、外部からの腸内細菌の投与により人為的に腸内細菌叢および免疫系を制御できる可能性を示しました。

理化学研究所は、制御性T細胞が腸管に存在する抗体「IgA抗体(免疫グロブリンA)」の産生を介して、腸内細菌叢のバランスをコントロールし、また、バランスのとれた腸内細菌叢が、腸管における制御性T細胞の誘導やIgA抗体の産生という腸管免疫系の形成に有効であることを発見しました。

腸内フローラとは|腸内フローラを改善する食べ物 について詳しくはこちら

【参考リンク】

【補足】スギ花粉治療法「舌下免疫療法」

●舌下免疫療法

「舌下免疫療法」は、継続的に花粉エキスを口に入れ、体内に花粉を吸収し、免疫細胞を花粉に慣れさせていき、IgE抗体の働きを抑制する物質が出て、拒絶反応が起きなくなるのです。

通常、鼻から花粉が入ると、免疫細胞はこれを外敵と判断し、IgE抗体を作り、花粉に対する拒絶反応を引き起こすのですが、舌下から吸収すると免疫細胞は強い拒絶反応を起こさないので、その性質を利用したのが「舌下免疫療法」です。

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■まとめ

腸管免疫を利用した短期間でアレルギー体質を改善する治療法が開発されるかもしれません。

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【参考リンク(論文・エビデンス)】
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