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マツコ&つんく対談 NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」|信念を持ちすぎないほうがいい|荘子「受け身こそ最高の主体性」

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by Gauthier DELECROIX – 郭天(画像:Creative Commons)




■マツコ&つんく対談 NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」|信念を持ちすぎないほうがいい|荘子「受け身こそ最高の主体性」

NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」は前半と後半でゲストとインタビュアーを“スイッチ”しながらインタビューを行う番組ですが、つんく♂(シャ乱Q)さんとマツコ・デラックスさんの回では、マツコさんが言っていた、信念を持ちすぎないほうがいいという言葉が印象的でした。

マツコさんは自身の人生のターニングポイントは全部他者であり、自分が「私がこうである」と思ってやるよりも他の人に望まれていることをやっている割合が大きいと語ります。

自分がやりたいことを実現させるには?|#石原さとみ さんと #向井理 さんのインタビューから感じたことで紹介した向井理さんのインタビューでは同じようなことを言っていたのが印象的です。

俳優・向井理インタビュー「一円でもお金を貰ったらプロの仕事をする」

(2014/11/24、Newspicks)

向井:「俺が本当にやりたいのはこれだ」という自我が強過ぎると、かえって、届かない場合が多い。そうなると、誰からも評価してもらえず、本当にやりたいことが表現できるステージが降りてこない。評価を貰った上で、自分が本当にやりたいことがゆくゆくは体現できると思うのです。

こうしたことを書くと、マツコさんや向井さんの生き方は一見受け身の生き方であり、主体性のない生き方のように感じるかもしれない。

しかし、本当にそうなのだろうか。

『NHK「100分de名著」ブックス 荘子』には「受け身こそ最高の主体性」という言葉が出てきます。

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荘子は、外側で起きる変化を全て受け容れられる柔軟さを持ってこそ、最も強い主体性が得られると説きました。

自分の置かれた環境の中で自分を最大限に没入させることができる人、つまり、自分の意志などという人為を埋没させ、状況に完全に浸りきれる人=主体的な人格という意味です。

荘子は、本当の主体性はいかにして得られるのかを考え、それは完全な受け身に徹した時だと説きました。

自分自身が持つ意志を人為的なものと考えて否定し、周りの変化の全てを受け入れて、身を任せ、その時を楽しむという完全な受け身の姿勢こそが、自由で主体性のある生き方ができるということなのだと思います。