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安くて電気を使わず人力で動く血液遠心分離機「Paperfuge」|回転するおもちゃからインスピレーション|スタンフォード大




■安くて電気を使わず人力で動く血液遠心分離機「Paperfuge」|回転するおもちゃからインスピレーション|スタンフォード大

参考画像:Stanford bioengineers develop a 20-cent, hand-powered centrifuge|YouTubeスクリーンショット

Inspired by a whirligig toy, Stanford bioengineers develop a 20-cent, hand-powered blood centrifuge

(2017/1/10、スタンフォード大)

Inspired by a toy, Stanford bioengineers have developed an inexpensive, human-powered blood centrifuge that will enable precise diagnosis and treatment of diseases like malaria, African sleeping sickness and tuberculosis in the poor, off-the-grid regions where these diseases are most prevalent.

Manu Prakashスタンフォード大学(生物工学)助教授とSaad Bhamla(論文の再著の著者であり、ポスドク研究員)は、回転するおもちゃからインスピレーションを得て、マラリア、結核などの病気の精密な診断と治療を可能にする、安くて電気を使わず人力で動く血液遠心分離機「Paperfuge」を開発したそうです。

■遠心分離機「Paperfuge」とは?

Stanford bioengineers develop a 20-cent, hand-powered centrifuge

わずか20セントの子どもの回転おもちゃで1000ドル相当の医学用遠心分離器を作れた

(2017/1/17、TechCrunch)

チームは独自の回転おもちゃを作り、それに紙製のディスクを取り付け、そこに血液などの液体を入れたバイアル(小型ガラス瓶)をはめられるようにした。糸には扱いやすいようにハンドルをつけ、1〜2分糸を引き続けると、1ドルにも満たないその器具が、その何千倍以上もするデバイスの仕事を見事に演じた。回転数は125000RPM、30000Gに達した。

遠心分離機「Paperfuge」は、回転おもちゃの仕組みのアイデアに、血液を入れる小型のガラス瓶をはめられるようにした紙製のディスクを組み合わせて作られたものです。




■回転おもちゃの作り方【動画】

Disappearing Color Wheel – Sick Science! #182

1.硬めの紙を円形に切ります。

2.円の中心の近くに2つの小さな穴をあけます。

3.タコ糸を長めに切ります。

4.両方の穴に弦(タコ糸)を通します。

5.両方の端を結びます。

6.両端を引っ張って、円を回転させます。

■遠心分離機「Paperfuge」が発明された背景

Inspired by a whirligig toy, Stanford bioengineers develop a 20-cent, hand-powered blood centrifuge

(2017/1/10、スタンフォード大)

Prakash, who specializes in low-cost diagnostic tools for underserved regions, recognized the need for a new type of centrifuge after he saw an expensive centrifuge being used as a doorstop in a rural clinic in Uganda because there was no electricity to run it.

ウガンダの診療所では高価な遠心分離機を稼働させるための電気がないという問題があり、Prakashは新しいタイプの遠心分離機を開発する必要性を感じました。

■まとめ

このツールの開発について面白いと感じた点は2つ。

1つは、遠心分離機を必要としても、貧しかったり、電気がないために使うことができない地域の人たちに役立つという点。

もう1つは、子供たちに遊びを通じて、様々な関心を呼び起こすことが期待される点です。

Prakashラボでは、リュックサックで持ち運べる実験室を目指して様々な医療ツールの開発を行っています。

●foldscope(折り紙のように組み立てられる顕微鏡)

マヌ・プラカシュ:紙を折るだけ―50セントでできる「折り紙顕微鏡」|TEDトーク

【関連記事】

●プログラムができる子供の科学セット(オルゴールからインスピレーションを受けて)

Stanford bioengineer creates $5 chemistry set

【参考リンク】

こうした医療ツールが発明されることで、遠隔地にいる医療従事者の治療に役立ったり、研究者の研究に役立つと同時に、子供たちが遊びながら知的好奇心を高めてくれるというのは素晴らしい発想ですよね。

これからもおもちゃとXの組み合わせで新しいアイデアが生まれるかもしれません。







P.S.
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