麻婆豆腐を作るとき、「豆腐って、そのまま入れちゃダメなの?」と思ったことはありませんか?
実は麻婆豆腐をおいしく作るコツのひとつが、豆腐をあらかじめ下茹でしておくことです。
先日Xで「麻婆豆腐の豆腐を下茹でする理由」を紹介したところ、11万回以上再生されました。
その投稿はこちら
意外と「やっているけれど、理由までは知らない」という人が多いのかもしれません。
豆腐を下茹でする理由は、大きく5つあります。
1.豆腐の余分な水分を抜く
豆腐にはたくさんの水分が含まれています。
そのまま麻婆豆腐に加えると豆腐から水分が出て、せっかく作った麻婆餡の味が薄くなってしまうことがあります。
下茹ですることで豆腐から余分な水分が抜け、仕上がりが水っぽくなりにくくなります。
2.豆腐が崩れにくくなる
麻婆豆腐では、豆腐を入れたあとに餡と一緒に煮込みます。
そのときに困るのが、
豆腐がボロボロに崩れてしまうこと。
豆腐を下茹ですると適度に水分が抜け、豆腐が締まります。
そのため、鍋の中で混ぜたり煮込んだりしても、形を保ちやすくなります。
絹ごし豆腐を使うときには特にうれしいポイントです。
3.麻婆餡の味がなじみやすくなる
余分な水分が抜けた豆腐は、そのまま入れた冷たい豆腐と比べて、麻婆餡と一体感が出やすくなります。
よく「味が染み込む」と表現されますが、豆腐の中心まで調味料がどんどん浸透するというより、
豆腐から余計な水分が出て餡を薄めてしまうのを防ぎ、熱い豆腐と餡がなじみやすくなる
と考える方がわかりやすいでしょう。
4.豆腐の食感がよくなる
豆腐を下茹ですると、余分な水分が抜けて豆腐が少し締まります。
そのため、そのまま使ったときとは違う、なめらかさを残しながらもしっかりとした食感に仕上げることができます。
「同じ豆腐なのに、麻婆豆腐にすると食感が違う」
というお店の麻婆豆腐には、こうしたひと手間が関係していることがあります。
5.鍋の温度を下げないため
実は、これも大事なポイントです。
冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい豆腐を、そのまま熱々の麻婆餡に大量に加えると、鍋全体の温度が一気に下がります。
すると再び温まるまで時間がかかり、仕上がりにも影響します。
あらかじめ豆腐を下茹でして温めておけば、熱い状態で麻婆餡に加えることができます。
つまり下茹では、
豆腐の水分調整だけでなく「温度をそろえる」という意味もあるのです。
■麻婆豆腐の下茹では「ちょっとしたひと手間」に見えて理にかなっている
まとめると、麻婆豆腐の豆腐を下茹でする理由は、
1)余分な水分を抜く
2)豆腐を崩れにくくする
3)麻婆餡となじみやすくする
4)食感をよくする
5)冷たい豆腐で鍋の温度を下げない
という5つ。
料理のレシピには、「豆腐を下茹でします」とだけ書かれていることがあります。
でも、「なぜ、そのひと手間をするのか?」がわかると料理は急に面白くなります。
下茹でというほんのひと手間にも、ちゃんとおいしくなる理由があるんですね。
■じゃあ、麻婆豆腐の豆腐は本当に下茹でが必要なの?
ここまで読むと、
「だったら毎回、豆腐を下茹でした方がいいんじゃない?」
と思いますよね。
ところが、料理研究家のリュウジさんは「バズレシピ」の動画の中で、「豆腐は湯通しとかいらないんですか?」という質問に対して、「やらなくていい」と答えています。
リュウジさん自身も「散々試した」といい、中華料理人にも確認したうえで、
・最終的に水分が抜けるのは、鍋で煮るのと同じ
・下茹でによって崩れにくくなる効果はある
・それ以外では、仕上がりに大きな差はない
という趣旨の説明をしています。
これ、かなり興味深い話です。
つまり、「豆腐を下茹ですることには理由がある」ことと、「下茹では必須である」ことは別問題なんですね。
麻婆豆腐を煮込む工程でも豆腐は加熱され、水分も抜けていきます。
そのため家庭料理として考えれば、
豆腐をきれいな形に仕上げたい、食感を締めたいなら下茹でする。そこまで求めなければ、そのまま煮てもいい。
くらいに考えるのが実用的なのかもしれません。
料理の工程には「昔からそうするから」ではなく、それぞれ理由があります。
一方で、その理由を理解すれば、「この工程は今回必要なのか?」と自分で判断できるようになります。
これこそ料理がおもしろいところですよね。
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