■アスリートの体の熱と汗に反応して微生物細胞が開閉する換気フラップ付きトレーニングスーツ・ランニングシューズをデザイン|MIT
参考画像:Biologic|Vimeoスクリーンショット
Researchers design moisture-responsive workout suit
(2017/5/19、MIT NEWS)
The cells act as tiny sensors and actuators, driving the flaps to open when an athlete works up a sweat, and pulling them closed when the body has cooled off.
MITの研究者のチームは、湿気の変化に応じて収縮したり膨張したりする微生物細胞を活用して、アスリートの体の熱と汗に反応して開閉する換気フラップ付きの通気性のあるトレーニング用スーツや同様の仕組みを使った空気を抜き、水分を吸い取るランニングシューズをデザインしたそうです。
両方のデザインの詳細はScience Advancesに掲載されています。
【参考リンク】
- Harnessing the hygroscopic and biofluorescent behaviors of genetically tractable microbial cells to design biohybrid wearables(2017/5/19、Science Advances)
■Second Skin
[vimeo]https://vimeo.com/142208383[/vimeo]
魔法をテクノロジーで創りだそうとする科学者|「充分に発達した科学は魔法と見分けがつかない」では、MITメディアラボの石井裕さんは、バイオロジーを活用して、ダンサーの体温上昇や発汗に合わせて開閉するウェアを開発したという記事を紹介しました。
人と機械はどこまで近づくのか?最先端の科学者らが語る『機械で能力を拡張し始めた人類』
(2016/3/31、CodeIQ MAGAZINE)
このウェア、よく見るとたくさんの通気孔があるが、これがダンサーの体温上昇や発汗に合わせてゆっくりと開閉するという。
センサーやアクチュエーター(何かの動作を促す仕掛け)の役割を果たしているのは「納豆菌」だ。「同じことは機械でもできるが、生物である納豆菌は増殖し、耐久性も高い」。
石井らは、納豆菌が温度や湿度でどう膨張するかを調べ、どのような形状にすればどんな動きを再現できるかを試作、それを人の体温や発汗のメカニズムの研究に重ね合わせてウェアをつくったという。
MIT used bacteria to create a self-ventilating workout shirt
(2017/5/23、Popular Science)
But what worked best for creating the vented wearable was coating latex on both sides with a type of bacteria called B. subtilis .
通気性のあるウェアラブルを作るのに最も効果的だったのは、ラテックスに枯草菌(Bacillus subtilis)に属する納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)を両面にコーティングすることだったそうです。
[vimeo]https://vimeo.com/142212881[/vimeo]
Tangible Media Groupは、MIT Media Lab、MIT(マサチューセッツ工科大学)、RCA、New Balanceによる共同プロジェクトで、「Second Skin」(バイオスキンが体の熱と汗に反応し、フラップが開き、体を冷やす)によりスポーツウェアの世界に変化を起こすのではないでしょうか。
【参考リンク】
- bioLogic|MIT Media Lab Tangible Media Group
■まとめ
WIRED VOL.20によれば、都市や建築に対するバイオロジーの実用性という意味では、近い将来、室内の空気と外気のバランスによって換気を自動制御する建築が登場するかもしれないそうです。
今後はこうしたバイオロジーを活用した製品が増えていくのではないでしょうか。
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