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カネで買えぬ?幸福感、年収7・5万ドルで頭打ち
(2010/9/7、読売新聞)
収入が上がるにつれ生活の満足度は上がるものの、必ずしも幸福感が増すとは限らないとする調査結果をダニエル・カーネマン米プリンストン大教授らがまとめ、米科学アカデミー紀要で7日発表する。
ダニエル・カーネマン米プリンストン大教授らによる研究結果によれば、収入が上がるにつれて、必ずしも幸福感が増すとは限らないそうです。
カーネマン教授は、米国人45万人以上を対象に調査会社が実施した電話調査のデータを基に、年収と幸福の関係を統計的に分析した。
暮らしに対する満足度を10段階で自己評価してもらう「生活評価」の数値は、年収が増えるにつれ一貫して上昇した。
しかし、「昨日笑ったか」などの質問で測る「感情的幸福」の度合いは、年収7万5000ドル(約630万円)前後で頭打ちになっていた。
ある程度の年収(この場合は年収7万5000ドル)になると、次の欲求の段階に進むということではないでしょうか。
【追記(2018/8/30)】
(2018/8/28、毎日新聞)
高校、大学の進学先や初めての就職先を誰が決めたか尋ねた質問に「自分で希望を決めた」を選んだ人ほど幸福感が強く、逆に「全く希望ではなかったが周囲の勧めで決めた」を選んだ人ほど不安感が強い傾向がみられたという。
収入も幸福感を左右していたが、その影響度は自己決定度の約7割にとどまり、世帯年収が1100万円を上回ると幸福感は頭打ちになった。
神戸大学と同志社大学のチームによるインターネット調査によれば、(1)収入(2)学歴(3)自己決定度(4)健康(5)人間関係--の五つの要因が幸福感にどう影響しているかを分析したところ、健康と人間関係に続いて「自己決定度」の影響が大きかったそうです。
お金が重要なのは間違いないのですが、ある一定の収入を超えると幸福感は高まることはなく、重要なのは、健康(たとえ多くの収入を得ていても、健康でなければ、その幸せを味わえませんよね)であり、人間関係が良好であり、自分の人生を自分で決めているという「自己決定度」が幸福度を高める上で大事だということです。