トヨタ、「車を売る会社」から「モビリティー・サービス企業」への転換|自動運転や電動化技術を用いた移動車両サービス「e-Palette Concept」の特徴|AmazonやUber、Pizza Hut、滴滴出行と提携| #CES2018




■トヨタ、「車を売る会社」から「モビリティー・サービス企業」への転換|AmazonやUber、Pizza Hut、滴滴出行と提携

参考画像:Basic Function video|YouTubeスクリーンショット

トヨタ:自動運転EVで宅配や移動ホテル-アマゾンなどと提携

(2018/1/9、Bloomberg)

トヨタの発表資料によると、アマゾン、ピザハット、配車サービスを手がける米ウーバーや中国の滴滴出行、マツダが初期パートナーとして参画し、実証事業などを進めていく。

  「eパレット」と名付けられた専用EVコンセプトは、バスのような箱形の低床形状とし、全長4メートルから7メートルまで三つのサイズを備えることを想定しており、内装に手を加えることでライドシェアやホテルの客室、宅配、小売店などさまざまな用途に応用できるようにする。

CES 2018に出展したトヨタ自動車は、Amazon(アマゾン)やUber(ウーバー)、Pizza Hut(ピザハット)、滴滴出行(Didi Chuxing:ディディチューシン)などと提携し、自動運転や電動化技術を用いて小売りや外食、配送など様々な事業者が活用できる移動車両サービス「e-Pallete(イーパレット)」に取り組み、「モビリティー・サービス企業を目指す」という方針転換を鮮明に打ち出しました。

Opening video

Toyota | CES 2018

自動運転や電動化技術を用いて小売りや外食、配送など様々な事業者が活用できる移動車両サービス「e-Pallete(イーパレット)」によって、買い物難民(買い物弱者)問題や物流のラストワンマイル、移動弱者(交通弱者)問題を解決する一つの方法になっていくことが期待されますね。

【参考リンク】




■e-Palette Conceptの特徴

トヨタ自動車、モビリティサービス専用EV“e-Palette Concept”をCESで発表(2018/1/9、トヨタプレスリリース)によれば、e-Palette Conceptの特徴は、1.低床・箱型デザインによる広大な室内空間、2.車両制御インターフェースの開示、3.ビジネスを支えるMSPF、の3つです。

●低床・箱型デザインによる広大な室内空間

参考画像:トヨタ自動車、モビリティサービス専用EV“e-Palette Concept”をCESで発表(2018/1/9、トヨタプレスリリース)|スクリーンショット

荷室ユニット数に応じて全長が異なる計3サイズの車両を用意し、低床・箱型のバリアフリーデザインによるフラットかつ広大な空間に、ライドシェア仕様、ホテル仕様、小売店仕様といったサービスパートナーの用途に応じた設備を搭載することができます。

●車両制御インターフェースの開示

参考画像:トヨタ自動車、モビリティサービス専用EV“e-Palette Concept”をCESで発表(2018/1/9、トヨタプレスリリース)|スクリーンショット

トヨタが培ってきた安全性の高い車両制御技術を用いて開発した車両制御インターフェースを自動運転キット開発会社に開示します。

自動運転キット開発会社は、自動運転キットの開発に必要な車両状態や車両制御等を、MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)上で公開されたAPI(Application Program Interface:プログラミングの際に使用できる関数を呼び出すだけで機能を利用できる)から取得することができ、開発した自動運転キット(自動運転制御ソフトウェアやカメラ・センサー等)をルーフトップ等に搭載することが可能となります。

また、車両制御インターフェースは、外部からのサイバーセキュリティ対策に加え、自動運転キットからの車両制御指令コマンドの安全性を一定のルールに基づき確認するガーディアン機能を備えているそうです。

さらに、MSPF上に整備されたOTA(Over The Air:無線通信を経由して、ソフトウェアの更新を行うこと)環境を用い、自動運転キット上のソフトウェアを常に最新の状態に更新することができるそうです。

●ビジネスを支えるMSPF

参考画像:トヨタ自動車、モビリティサービス専用EV“e-Palette Concept”をCESで発表(2018/1/9、トヨタプレスリリース)|スクリーンショット

車両情報は、車両に搭載されたDCM(データコミュニケーションモジュール)から収集し、グローバル通信プラットフォームを介して、TBDC(TOYOTA Big Data Center)に蓄積します。

その車両情報に基づき、車両をリースや保険等の各種ファイナンス、販売店と連携した高度な車両メンテナンスなどとあわせて提供するとともに、MSPF上で、車両状態や動態管理など、サービス事業者が必要とするAPIを公開し、モビリティサービスに活用できるそうです。

また、自動運転キット開発会社が、自動運転キットの利用やソフトウェアのメンテナンス更新といった自動運転に関するモビリティサービスをMSPF上で提供することで、サービス事業者は安全なモビリティを利用することができ、自ら自動運転キットを選ぶこともできるそうです。

■まとめ

Basic Function video

簡単にわかりやすくいえば、トヨタは「クルマを売る会社」から「モビリティー・サービス企業(自動車を介して顧客との接点をつなぐサービス)」への転換を行なっているということです。

自動車業界のキーワードは「CASE」?では、自動車業界を見るときには、独ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長が語った「CASE」という「Connectivity(接続性)」「Autonomous(自動運転)」「Shared(共有)」「Electric(電動化)」というキーワードが重要になるのではないかと紹介しましたが、トヨタはこの流れを受けての決断だったのかもしれません。

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)

「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。」(第5期科学技術基本計画)

これまでの社会は、あらゆるものを標準化することによって、人間がその標準化された社会に合わせて生活をすることで問題を解決してきましたが、Society5.0では、多様な違いを持ったままで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会になっていくことを目指しています。

これからは、お店に行くのではなく、お店が来るようになる考えをベースにした方がよいのではないでしょうか?

FUN TO DRIVE, AGAIN.|トヨタ自動車

東日本大震災からの復旧が進み、世界で挽回生産が始まっていた2011(平成23)年10月、日本では新たな企業広告キャンペーン「FUN TO DRIVE, AGAIN.」を開始した。「日本人の気持ちをもう一度ドライブさせたい」「もう一度新しいクルマの楽しさを創造させたい」という想いを込めたのである。

次の時代のトヨタを示す企業広告キャンペーンはどんなものになるのでしょうね。







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