肉も魚も卵も食べない「ヴィーガン(ビーガン)」生活・食事を経験した女性に起きた身体・肌の異変とは?

ヴィーガンのインフルエンサーの死因からヴィーガン食の身体への影響について考えてみる。




肉も魚も卵も食べない「ヴィーガン(ビーガン)」生活・食事を経験した女性に起きた身体・肌の異変とは?
肉も魚も卵も食べない「ヴィーガン(ビーガン)」生活・食事を経験した女性に起きた身体・肌の異変とは?

1)完全菜食の生活を続け、6年以上水を飲まず果物・野菜ジュースを飲む→水の代わりに果物や野菜で水分補給したことによる影響

水を飲む代わりに果物・野菜ジュースを飲むということは糖質過多や血糖値スパイクを引き起こした可能性があるのではないでしょうか?

血糖値スパイク(グルコーススパイク)が危ない!~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~|#NHKスペシャルによれば、血糖値スパイクは一般的には「グルコーススパイク」と呼ばれており、ジェットコースターのように血糖値が急上昇及び急降下することをいうそうです。

血糖値スパイクになりやすい食事というのは、急激に血糖値が上昇しやすい食事であり、例えば、おにぎりや野菜ジュースなどのような食事は注意が必要です。

つまり、長期にわたって水を飲む代わりに果物や野菜ジュースを飲むことで血糖値が急激に変動し、「活性酸素」という毒性を持った物質がつくられやすくなり、その結果、血管の壁が傷つきやすくなり、修復しようと集まった免疫細胞によって血管がふさがってしまう。

これが心臓の血管で起きれば心筋梗塞を起こし、脳の血管で起きれば脳梗塞を起こし、突然死のリスクが高まると考えられるのです。

2)コレラのような感染症

お年寄りは低栄養に注意!|低栄養になると、免疫の低下、筋肉の減少、骨が弱くなることで、感染症や骨折の恐れが高くなる!によれば、低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)によれば、アルブミンが足りないと、血管や免疫細胞、筋肉などの組織がスムーズに作られなくなり、体にさまざまなトラブルが起こってしまいます。

アルブミンとはタンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めています。

つまり低栄養とは「タンパク質不足」のことなのです。

たんぱく質が不足すると次のようなことが起こります。

赤血球の材料が少ない→「貧血」

血管を作る材料が少ない→「脳出血」

免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」

筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」

ヴィーガン食ではたんぱく質をきちんと摂取しているという方もいるかと思いますが、アミノ酸バランス的に完全にカバーするのは難しいことだろうと思います。

そのためたんぱく質が不足したことによって免疫力が低下し、感染症になりやすくなったとは考えられないでしょうか?

3)疲労と菜食による身体へのストレス

肉も魚も卵も食べない「ヴィーガン(ビーガン)」生活・食事を経験した女性に起きた身体・肌の異変とは?では、ヴィーガン生活を続けているうちに、体に異変が起き、体力が落ちて、疲労感が現れ、唇は青くなり、髪が抜けたり、顔にシミが出たり、月経が来なくなった女性のエピソードを紹介しました。

●疲労感の原因 → たんぱく質を摂取しないことでアミノ酸不足で肝臓が働きにくくなったから

肝臓には代謝機能や解毒機能があるのですが、肝臓の働きを高めるたんぱく質に含まれるアミノ酸を摂取していないことで、疲れやすくなっていると考えられます。

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ヴィーガン食を否定するわけではなく、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品などの動物性たんぱく質を摂取すれば比較的簡単に摂取できるものが、ヴィーガン食だとその栄養バランスを整える難易度が高まるはずです。

良質なたんぱく質を摂取するというポイントとして重要なのが「アミノ酸スコア」というもの。

アミノ酸の多い食べ物・食品|アミノ酸を効果的に摂取するにはアミノ酸スコアを知ろう!によれば、アミノ酸スコアとは、食べ物からアミノ酸を摂取する場合、あるアミノ酸量がいくら多くても、最も量の少ないアミノ酸に「たんぱく質再合成が制限される」という仕組みのことです。

つまり、アミノ酸を食品で摂る場合、アミノ酸スコアの原理によって、摂取したもののうち、必ずしも全てがたんぱく質合成に活用されるわけではないということです。

食品たんぱく質の栄養価としての「アミノ酸スコア」(2005/12、日本食品分析センター)で紹介されている主な食品のアミノ酸スコアを参考にすると、動物性の食品はアミノ酸スコアが高く、植物性の食品はアミノ酸スコアが低くなっているのがわかります。

食品アミノ酸スコア|特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム|厚生労働省
食品アミノ酸スコア|特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム|厚生労働省

参考画像:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム|厚生労働省|スクリーンショット

【主な食品のアミノ酸スコア】

  • 牛肉・豚肉・鶏肉 100
  • 魚類 100
  • 卵 100
  • 牛乳 100
  • プロセスチーズ 91
  • 大豆 100
  • 精白米 65
  • ジャガイモ 68
  • 里イモ 84
  • みかん 50
  • トマト 48

大豆のアミノ酸スコアは100となっており、また、新しい食料資源としてのエゴマタンパク質の利用に関する基盤的研究によれば、エゴマの種子はたんぱく質含量が約18%と高く、アミノ酸スコアは92であり、植物タンパク質の中では良質なタンパク質といえるので、食品の組み合わせによっては植物性タンパク質だけでもたんぱく質を補給できる食生活が可能なのかもしれません。

ただその他にも女性ホルモン(エストロゲン)の原材料はお肉などに含まれるコレステロールなのですが、ヴィーガンの食生活では動物性のたんぱく質を摂取しないので、そのことも月経不順などに影響を及ぼすのではないかといった総合的な視点で見ていく必要があるかと思います。

そして、もう一つ気になったのは「ストレス」という視点です。

キラーストレスが胃・十二指腸の病気や突然死をもたらすメカニズム解明|北大で紹介した北海道大学の研究によれば、慢性的なストレス(睡眠障害など)をかけたマウスの脳内に病原性の免疫細胞を入れると、脳の血管に微小な炎症が引き起こされて、消化器や心臓の機能障害による突然死が起こることが分かりました。

脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まります。

ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。

そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。

これがストレス反応です。

一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なると、キラーストレスともいうべき危険な状態に陥ります。

血管が破壊され、脳卒中や心筋梗塞、大動脈破裂を引き起こします。

最新の研究では ストレス反応は、心臓の筋肉を流れる血液が減少し心不全を引き起こす、がんを悪化させる、体内に入った細菌を増やして血管の破壊を起こすなど、命に関わることがわかってきました。

もし、本人の意識ではストレスと感じていなくても、実際の身体にはストレス反応が現れていて、その一つ一つは小さくてもそれが重なったことによって、命に関わることを引き起こしてしまったということは考えられないでしょうか?

■まとめ

大事なポイントはヴィーガンのライフスタイルがまだ確立されていないものではないかという視点です。

何度も書きますが、決してヴィーガン食を否定するわけではなく、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品などの動物性たんぱく質を摂取すれば比較的簡単に摂取できるものが、ヴィーガン食だとその栄養バランスを整える難易度が高まるということを忘れてはいけないということです。

そして、いまだにヴィーガン食による体の影響がわかっていないことも知っておく必要があると思います。

自分は大丈夫と思っていても、実は身体は悲鳴を上げているのかもしれない。

もっと自分の身体にやさしくあって欲しいと思います。







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