「暑さ負債」が非労作性熱中症の引き金になることがある!





Tardes

by Palmira Van(画像:Creative Commons)

【この記事の復習クイズ!】

Q. 暑さ負債の蓄積による熱中症になりやすい病気の人はどんな人でしょう?

このクイズの答えは記事の中にあります。

深刻な後遺症の危険も 「暑さ負債」が熱中症の引き金に

(2023/8/10、時事通信)

「これまでの暑さによる疲労や不眠による体調不良、慢性的な脱水状態が蓄積した『暑さ負債』が危険水位に達して熱中症になってしまうことで、相対的に体力が弱い高齢者や乳幼児などはもちろん、元気そうに見える壮年世代も警戒が必要だ」

熱中症には大きく分けて「労作性熱中症」と「非労作性熱中症」があります。

労作性熱中症とは炎天下の屋外で激しい運動や労働作業によって急激な脱水を起こし、場合によっては意識低下、臓器不全に至る熱中症のことを言います。

非労作性熱中症とは、屋内作業や通常の家事、就寝中などの日常生活で数日以上かかって徐々に悪化していく、心疾患、糖尿病、脳卒中後遺症、精神疾患、認知症などを持つ高齢者に多い熱中症のことです。

今回注目するのは「暑さ負債」という考え方です。

熱中症は脱水状態や睡眠不足、腸内環境の悪化などにより体温調節機能が働かなくなることが原因で起きるによれば、人間には、体温をコントロールする機能があり、暑くなると汗を出して気化熱で体を冷やす作用があります。

しかし、その体温調節機能にトラブルが起きると、自律神経が乱れてしまい、血流障害が起こって、めまいや頭痛、吐き気などの熱中症の症状が起こります。

体温調節機能が働かなくなる原因は、脱水状態や睡眠不足、腸内環境の悪化が考えられるそうです。

腸内環境が悪化すると、体温調節機能に影響が及ぶ理由は、血液循環や消化吸収、呼吸などは自律神経によってコントロールされ、互いに影響を及ぼし合う関係にあるためなのだそうです。

熱中症で死亡した人の9割が屋内|65歳以上の高齢者やエアコン不使用のケースが多いによれば、エアコンがない人やエアコンがあるのに発見時には使っていなかった人に熱中症でなくなったケースが多いようです。

熱中症は自宅での発症が最も多い!熱中症になったらどう対処したらよいか?で紹介した独立行政法人・国立環境研究所によれば、熱中症で緊急搬送された人のうち、自宅での発症が最も多かったそうです。

屋内にいるからといって熱中症にならないということはなく、体温調節機能が衰えた高齢者が自宅でエアコンを使わずにいると、次第に「暑さ負債」が蓄積し、体温調節機能が悪化して、非労作性熱中症を発症するんですね。

「暑さ負債」による熱中症を防ぐためにしっかりと対策を行なっていきましょう!

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら

【この記事の復習クイズの答え!】

A. 心疾患、糖尿病、脳卒中後遺症、精神疾患、認知症