52歳モデルがヴィーガン食で「死にかけた」慢性の消化器疾患「セリアック病」と診断!ヴィーガン食によりセリアック病を起こすことがあるの?




52歳モデル、ヴィーガン食で「死にかけた」慢性の消化器疾患「セリアック病」と診断(2025年4月1日、よろずーニュース)には気になることが1つあります。

まずはこの記事を要約すると、次の通り。

●モデルのジェニー・マッカーシー(52)さんは、ヴィーガン(肉・魚だけでなく、卵・乳製品・ハチミツなどのあらゆる動物由来の製品を口にしない)を試したら、体調を崩し、最終的にセリアック病と診断された。

●セリアック病では、小麦や大麦などに含まれるたんぱく質グルテンを摂取することにより免疫系が小腸を攻撃し、栄養の吸収を阻害する。ちなみに、「グルテンフリー」とは、グルテンアレルギーやセリアック病の予防・改善のため、小麦・大麦・ライ麦などに含まれる「グルテン」というたんぱく質を避ける食事法です。

●現在は野菜やナッツなど植物性食品を避け肉や魚など動物性の食品のみを食べる食生活に切り替えた

気になるのは、ヴィーガン食で体調不良を起こしたというニュースは多くの場合動物性たんぱく質が不足したことで体調不良を起こしたという文脈で語られることが多いのですが、今回はヴィーガン食によりセリアック病を起こすことがあるのか?という点です。

ただセリアック病はグルテン(小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質)に対する自己免疫反応によって小腸が損傷を受ける慢性の消化器疾患であり、グルテンに対する過敏性がある人がグルテンを摂取することによって症状があられる病気であると考えられます。

そう考えると、ヴィーガン食が原因でセリアック病になったというよりも、このモデルさんは今まで気づかなかったけれども実はセリアック病でヴィーガン食に含まれるグルテンによってセリアック病が悪化した、もしくは顕在化したのではないでしょうか?

■ヴィーガン食について

ヴィーガン食について下記の論文をもとにまとめます。

Craig WJ. Health effects of vegan diets. Am J Clin Nutr. 2009 May;89(5):1627S-1633S. doi: 10.3945/ajcn.2009.26736N. Epub 2009 Mar 11. PMID: 19279075.

ビーガン食とは、肉、魚、卵、乳製品など動物性のものを一切食べない食事のこと。最近、特に若い人や女性の間で人気が出てきています。

●ビーガン食の良いところ

ビーガン食には、野菜や果物、全粒穀物、豆類などがたっぷり含まれていて、食物繊維やビタミンC・E、葉酸、マグネシウムなどが豊富。逆に、飽和脂肪(体に悪い脂肪)やコレステロールは少ないです。

これが健康にいい理由で、具体的には:

痩せやすい:ビーガンの人は平均的にBMI(体重÷身長²)が低く、太りにくい。

心臓病のリスクが下がる:血圧やコレステロールが低くなり、心臓病になりにくい。特に果物や野菜をたくさん食べるから。

がんの予防になるかも:大腸がんや前立腺がんのリスクが下がる可能性がある。トマトや豆類、野菜に含まれる成分ががんを防ぐ手助けをする。

糖尿病や肥満にも効果的:植物性の食事はカロリーが低く、血糖コントロールにも良い影響がある。

研究では、ビーガンの人はなんでも食べる人に比べて、果物や野菜をたくさん食べていることがわかっています。

これが心臓や血管を守ったり、がんを減らす理由の一つのようです。

●気をつけないといけないところ

ビーガン食は動物性のものを一切食べないから、足りなくなりやすい栄養素があります。

ビタミンB-12:これがないと貧血や神経のトラブルが起こる。植物にはほとんど入っていないので、サプリや強化食品(ビタミンB-12を足したシリアルや豆乳)が必須。

ビタミンD:日光で作れるけど、冬や日焼け止めを使う人は不足しがち。骨が弱くなるリスクもあるから、強化食品やサプリが必要。

カルシウム:乳製品を食べないから、骨の健康が心配。葉野菜やカルシウム入りの豆乳で補う必要あり。

オメガ3脂肪酸:魚に多いけど、ビーガンはアマニ油やクルミで代用。効率が悪いので、DHA(オメガ3の一種)が入ったサプリも考えたい。

鉄や亜鉛:植物にもあるけど吸収が悪い。ビタミンCと一緒に食べると鉄は吸収しやすくなるけど、量が少ないと貧血のリスクも。

●骨はどうなるの?

ビーガンはカルシウムやビタミンDが少ないと、骨が弱くなる可能性があります。

でも、果物や野菜、大豆をしっかり食べれば、骨を守る成分も摂れるので、バランスが大事。

研究では、カルシウムを1日525mg以上取れば、骨折リスクは普通の人と変わらないようです。

■ヴィーガン食とセリアック病の関係について考えてみる

ヴィーガン食と聞くと、野菜や果物のイメージがありますが、実際は小麦を使ったパン、パスタ、シリアルなどが含まれています。

セリアック病は、小麦や大麦に含まれるグルテンに体が過剰に反応して、小腸がダメージを受ける病気。

先ほどの論文にもヴィーガン食には、野菜や果物、全粒穀物、豆類などがたっぷり含まれていると書かれていて、セリアック病の人が全粒穀物(小麦や大豆を含む)を食べると、小腸が炎症を起こして、栄養が吸収できなくなると考えられます。

そして、もう一つ。

実はセリアック病にもかかわらずヴィーガン食を始めると、先ほどの論文にもあるように、そもそもヴィーガン食には「ビタミンB-12やカルシウムが不足しやすい」という特徴があり、セリアック病だと栄養吸収が悪くなるので、鉄分やカルシウム、ビタミンDなどの栄養不足が加速する可能性があると考えられます。

ただここで大事なのはヴィーガン食が悪いわけではないということ。

実はセリアック病だった人で悪化した人、もしくはセリアック病が顕在化した人がグルテンを多く含む食事をしてしまい、体調不良になってしまった可能性が高いということです。

先ほどの論文にも「ヴィーガン食は健康にいいけど栄養不足に注意」とあるように、きちんと知識を身につけて、栄養バランスに気を付けることが大事なんですね。







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