アルツハイマー型認知症は3型糖尿病(脳の糖尿病)!?この仮説の背景とは?




アルツハイマー病が第3の糖尿病と呼ばれる理由…糖の摂りすぎが脳細胞を破壊しかねないインスリンの恐怖(2026年5月24日、集英社オンライン)によれば、

近年、世界中の研究者の間で、「アルツハイマー病を3つ目の糖尿病として、『3型糖尿病』と呼ぶべきではないか」という議論が活発に行われています。

ということで、アルツハイマー型認知症が3型糖尿病と呼ばれていることについて調べてみたいと思います。

正確に言えば、3型糖尿病は公式な診断名ではなく、2005年頃に米国ブラウン大学のSuzanne M. de la Monteらの研究グループが提唱したもので、彼らはアルツハイマー病(AD)の脳で、インスリンとインスリン様成長因子(IGF)のシグナル伝達異常が見られることを発見し、「脳特異的な糖尿病」として「Type 3 Diabetes」と呼ぶことを提案しています。

【参考文献】

■背景

アルツハイマー型認知症を脳の糖尿病とみなす仮説には3つの理由があります。

1)脳内のインスリン抵抗性

脳の神経細胞はエネルギー源としてブドウ糖を必要とし、インスリンがその取り込みや利用を助け、記憶・学習を支え、神経細胞を保護する役割を果たします。アルツハイマー病の脳では、このインスリンシグナルが低下(抵抗性が生じ)し、脳細胞がエネルギー不足に陥りやすくなります。これは2型糖尿病の全身的なインスリン抵抗性に似ています。

2)糖尿病患者のアルツハイマー病リスク上昇

2型糖尿病があると、アルツハイマー病のリスクが約1.5〜2倍(研究によってはそれ以上)高くなるという疫学データが多数あります(例: 久山町研究など)。逆に、アルツハイマー病の脳でも糖代謝異常が見られます。

【補足】

糖尿病患者の半数でアルツハイマーの初期症状を確認で紹介した加古川市内の病院に勤務する医師らの臨床研究によれば、糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられることがわかったそうです。

インスリンには記憶、学習機能を高める作用もあり、糖尿病でインスリン反応性が低下することが、アルツハイマー病発症につながっている可能性があるようです。

インスリン抵抗性を伴った2 型糖尿病にアルツハイマーのリスク|九大研究によれば、インスリン抵抗性を伴った2型糖尿病の場合、アルツハイマーの発症に関係があるとされるプラークが形成されるリスクが高くなるという研究結果が発表されたそうです。

九州大学の研究によれば、血糖値の異常が認められた患者にはプラークが形成されるリスクが高いという結果がでたそうです。

論文を執筆した九州大学の佐々木健介さんによれば、インスリン抵抗性がプラーク形成の原因と結論するにはさらに研究を進める必要があるものの、糖尿病をコントロールすることによってアルツハイマーを予防できる可能性があるとしています。

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3)共通の病理メカニズム

●高血糖やインスリン異常がアミロイドβの分解を妨げる(インスリン分解酵素がインスリンを優先的に処理し、アミロイドβが溜まりやすくなる)。
●タウ蛋白の異常リン酸化の促進。
●酸化ストレス、炎症、血管障害の悪化。

■まとめ

糖尿病がなくてもアルツハイマー型認知症になるケースはあり、その逆もまた然りで、アルツハイマー病のすべてがインスリン異常によるわけではなく、遺伝・加齢・生活習慣などが複合的に関与していることから「アルツハイマー型認知症は3型糖尿病」という考え方は公式に認められているわけではなありません。

ただこの考え方はアルツハイマー型認知症を予防するための考え方として非常に有効で、「血糖値をコントロールすれば、体だけでなく、脳の健康も守ることにつながるよ」というのは予防医学的にはわかりやすいアプローチになるのではないでしょうか?

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