今回紹介する論文によれば、カロテノイドの一種であるルテイン(lutein)とゼアキサンチン(zeaxanthin)の摂取量が多い人ほど、生物学的老化が遅く、全死亡リスクが低いという関連が示されました。
メカニズムとしては、テロメアの維持や炎症抑制(炎症を促すTh1細胞の減少)が主な仕組みとして考えられています。
■背景
暦年齢(chronological age)は誰でも同じペースで進みますが、生物学的年齢(biological age)は個人差が大きく、臓器ごとに老化の進み方も違います。
生物学的老化が速いと、慢性疾患や死亡リスクが高まります。
ルテイン・ゼアキサンチンは緑黄色野菜などに含まれる抗酸化物質で、目の健康(加齢黄斑変性など)で有名ですが、全身の老化への影響は十分に調べられていませんでした。
■結果
〇 ルテインとゼアキサンチンの摂取量が多いほど、生物学的老化が遅い傾向が見られた
〇 特に心血管系・腎臓で明確な関連があり、肝臓でも一定の効果があった
〇 摂取量が多いグループほど、老化の加速が小さくなる傾向が明確だった
〇 摂取量が多い人ほど全死亡リスクが有意に低かった
〇 これらの関連は特に60歳以上の人で強く見られた
■まとめ
ルテインとゼアキサンチン、特にルテインの十分な摂取は、多臓器にわたる生物学的老化を遅らせ、全死亡リスクを下げる可能性が示唆されました。
ただし、これは観察研究の結果であり、因果関係が完全に証明されたわけではありません。また、摂取量を極端に増やしても効果がさらに高まるわけではなさそうです。
日常的にルテイン・ゼアキサンチンを含むケールやほうれん草、卵黄などを積極的に摂ることが、老化対策の一つの選択肢になるかもしれません。
そして、これまで目の健康を守る栄養としてだけ注目されていたルテインが今後老化対策の栄養素として注目されるようになるかもしれませんね。
→ ルテインの効果・食品・摂取量 について詳しくはこちら
【参考文献】
- Tao M, Zhang L, Jiang C, Xiang J, Chen S, Tan S, Sun S. The association between lutein and zeaxanthin intake and multi-level biological aging. Front Nutr. 2025 Aug 8;12:1618158. doi: 10.3389/fnut.2025.1618158. PMID: 40860475; PMCID: PMC12370510.
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