カメムシは柔軟剤の甘い香りに寄ってくる? 経験知と科学的な話

調べてみたところ、「カメムシがフローラル系やフルーツ系の甘い香りに近づいてくる」という話があり、そのため市販の柔軟剤や洗剤の香りに寄ってくる、というのが経験や観察から広まった話として出回っています。

論文で「市販の柔軟剤や洗剤の香料を使って誘引実験をした」という直接的な証拠は、調べた限りでは見つかりませんでした。

■科学的にわかっていること

カメムシは、植物が出す香りを頼りに餌や住みかを探します。

クサギカメムシは、新鮮なピーナッツやリンゴに含まれる「ヘキサナール」という成分(フルーティーで青臭い香り)に寄ってくることが実験で確認されています。

他のカメムシでも、イネや雑草の香り、花の香り、ヒマワリの花の香りなどに反応する例があります。

カメムシ同士が集まるためのフェロモンの一部が、植物の香りに似ている場合もあります。

柔軟剤や洗剤に使われているフローラル・フルーティーな香料は、これらの植物の香りと化学的に近い成分を含むことがあるため、「似た香りに反応しているのでは?」という推測がされています。

これが、生活情報サイトやSNSで「柔軟剤の香りが誘引する」と書かれる理由です。

一方で、カメムシが洗濯物に寄る主な理由として、より確実に言われているのは次の2つです。

1)明るい色(特に白い服)に引き寄せられること
2)暖かさを求めること(特に秋の越冬前)

香りは「追加で影響するかもしれない」程度の位置づけです。

■まとめ

「カメムシがフローラル系やフルーツ系の甘い香りに近づく」という話は、経験や観察が中心で、論文で「柔軟剤の香りが誘引する」と証明されたものはほぼありません。

ただし、マンションやアパートで大量発生している場合、住人みんなで無香料・微香料に切り替えるのは害がなく、他の対策(隙間をふさぐ、夜の照明を工夫する、洗濯物を早めに取り込むなど)と合わせて試す価値はあると思います。

■【補足】カメムシ大量発生の主な原因

自治体や病害虫防除所の情報によると、主な要因は次の通りです。

・暖冬による越冬成虫の多さ
冬を生き延びる成虫が増え、春からのスタート時点で個体数が多かった。

・スギ・ヒノキの球果(実)の豊作
カメムシの主要なエサになる球果が多かったため、山で大量に繁殖した。その後エサが減る夏〜秋に、人里や住宅街へ下りてくる。

・天候条件
増殖に適した気温・雨量、台風が少なかったことなどが重なり、幼虫・成虫の生存率が上がった。

特に静岡県では2026年10月1日に「病害虫発生予察警報」が出され、予察灯での捕獲数が平年の約20倍、ヒノキ球果の寄生数も平年の約6倍と、28年ぶり(カメムシ類としては初)の警報級になっています。

他の地域でも平年比で大幅に多い報告が続いています。







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