アメリカの約37万1000人の成人を対象にした2019年の大規模電話調査(BRFSS)のデータを使って、「まるごとの果物(生・冷凍・乾燥・缶詰など)」をどれくらいの頻度で食べているかと「100%フルーツジュース」をどれくらいの頻度で飲んでいるか を調べ、高血圧・高コレステロール・心臓発作・冠動脈疾患・脳卒中などの「心血管疾患(心臓や血管の病気)やそのリスクがある人」と「ない人」で違いがあるかを比較しました。
アメリカの食事ガイドラインでは「1日2カップ相当の果物」を推奨していますが、約80%の人が目標を達成できていません。
まるごとの果物とジュースはどちらも「果物」としてカウントされますが、食物繊維の量などが違うため、健康への影響が異なる可能性があります。
■主な結果
●全体の平均摂取頻度
・まるごとの果物:1日約1.06~1.07回
・100%果汁ジュース:1日約0.3回
(「何回食べた・飲んだか」の頻度で、量そのものではありません)
●まるごとの果物
・高血圧・高コレステロール・心臓発作・冠動脈疾患・脳卒中のある人は、ない人に比べて摂取頻度が低かった。
・年齢・教育・収入・喫煙などの影響を調整しても、多くの項目でこの傾向が残りました。
●100%果汁ジュース
・結果はまちまちでした。
・調整前は一部の疾患がある人で多め、調整後は「高コレステロールの人は少なめ」「心臓発作の経験がある人は多め」など、一貫した傾向は弱くなりました。
違いは統計的に有意でしたが、差自体は小さいものでした。
■注意点(この研究の限界)
・一度きりの「断面調査」なので、「果物をあまり食べないから病気になった」のか、「病気になってから果物を控えるようになった」のかはわかりません(因果関係は証明できません)。
・摂取「頻度」だけで「量」は測っていません。
・自己申告のデータなので、誤った報告の可能性もあります。
・運動や体重など、他の生活習慣は十分に調整されていません。
■まとめ
高血圧や高コレステロール、心臓発作、冠動脈疾患、脳卒中を自己申告した人では、そうでない人に比べて、まるごとの果物を食べる頻度が低い傾向がみられました。
一方、100%果汁ジュースについては、心血管疾患やそのリスクとの間に一貫した傾向はみられませんでした。
ただし、この研究は一時点の食習慣と健康状態を調べた断面研究です。
そのため、「果物を食べる頻度が少ないことが心血管疾患の原因になった」とは結論づけられません。
まるごとの果物は食物繊維、カリウム、ビタミンCなどを摂ることができます。
毎日の食生活では、ジュースだけに偏らず、りんごやバナナ、ベリー類など、まるごとの果物を取り入れることを意識してみるのもよさそうです。
【参考文献】
Kesler BJ, Hess JM, Bodensteiner A, Palmer DG, Tande D. Examining the Differences in Frequency of Whole Fruit or 100% Fruit Juice Intake among United States Adults With and Without Cardiovascular Disease Risk Factors: Analysis of 2019 Behavioral Risk Factor Surveillance System Data. Current Developments in Nutrition. 2026;10(9):109517.
【補足】
AHEI(代替健康食指数)とは?積極的に食べるべき食品と控えるべき食品
●果物(Fruits)
推奨:1日4回以上(1回=中サイズの果物1個や1/2カップ)。
例:リンゴ、バナナ、ベリー類、オレンジ、キウイなど。
コツ: 朝食や間食に、まるごとの果物を取り入れるのも一つの方法です。ジュースや缶詰を選ぶときは、100%果汁か、加糖されているかなど食品表示も確認しましょう。
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