by Guian Bolisay(画像:Creative Commons)
母から隔離は脳に影響、横浜市大がラット実験 育児放棄解明へ/神奈川
(2012/6/19、カナコロ)
育児放棄(ネグレクト)が脳にどのような影響を与えるかを調べている横浜市立大学の高橋琢哉教授(生理学)のグループが、ラットを使って行った実験で、発育初期に母親から隔離されたラットは、環境に対する脳の適応力が低下することを発見、19日付の米医学誌に発表した。
ネグレクトで母親に放置され社会と隔絶した状態を経験すると、精神疾患を発症する例がある。発症のメカニズムは解明されておらず、新規治療薬の開発が課題となっている。
<中略>
通常は生後12日目から14日目にかけて、記憶や学習に作用するタンパク質が神経細胞の表面に出現し、神経に伝わった情報を別の神経に伝える現象が起こる。しかし隔離したラットはストレスにより、タンパク質が少なくなっていたという。
横浜市立大学の高橋琢哉教授のグループが行なったラットの実験によれば、発育初期に母親から隔離されたラットは、環境に対する脳の適応力が低下することを発見したそうです。
育児放棄(ネグレクト)で母親に放置され社会と隔絶した状態を経験すると、精神疾患を発症する例があるそうです。
「人生の科学」(著ディヴィッド・ブルックス)にはこう書かれています。
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生まれてすぐ対話の中に入れた子供は、他者とどうコミュニケーションをとればよいかを自然に学ぶ。他者の発する社会的な信号も的確に受け止められるようになる。彼らは世界を、自分を歓迎してくれる場所とみなすようになる。しかし、生まれて間もなく接した人たちの間の関係が良好なものでなければ、子供は他者を極端に恐れるようになる。そして、内にこもるか、極端に攻撃的になるかのどちらかになってしまう。周囲に誰もいない時でさえ、常に何かを怯えているような人間になるのだ。
自分との母親との関係が、その後の成長に大きな影響を与えてしまうようです。
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