■女性スポーツ選手の1/4は指導者からのセクハラを甘受
by sellyourseoul(画像:Creative Commons)
<スポーツ界セクハラ>女性選手の1/4甘受…研究者が警鐘
(2012/6/25、毎日新聞)
女性スポーツ選手は指導者からのセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を甘受しがち--。大阪府立大の熊安貴美江准教授(スポーツとジェンダー研究)らが、全国水準の女性選手と男性指導者に実施した調査で、こんな傾向が浮かび上がった。熊安准教授は「指導者との上下関係のなかで、選手はセクハラを受け入れるか競技をやめるか、選ばざるを得ない場合が多い」と警鐘を鳴らしている。
大阪府立大の熊安貴美江准教授が全国水準の女性選手と男性指導者に実施した調査によれば、女性スポーツ選手は指導者からのセクハラをやむを得ないものとして甘んじて受け入れている傾向にあるそうです。
■米体操のセクハラ問題
金メダリストの体操選手、13歳からチームドクターの性的虐待に遭っていたと告白https://t.co/QqNvDbDdGg
性的虐待まん延の米体操界、新たに五輪金メダリストが被害告白https://t.co/KulY1SUoRO— ハクライドウ (@hakuraidou) 2017年11月22日
【参考リンク】
- 性的被害は子供のスポーツ界にも、米元体操選手も「#MeToo」投稿(2017/10/20、Forbes)
米国の元体操選手マッケイラ・マロニー(21)が10月18日、米国体操連盟のチームドクターだった元医師、ラリー・ナサール被告が選手らに繰り返し性的虐待を行ってきたことに関する自らの体験や考えを投稿した。
モデル業界のセクハラについて以前取り上げました(セクハラは日常茶飯事? モデルの権利団体による調査結果)が、スポーツ界でもセクハラが行われているようです。
セクハラの難しい点というのは、OK/NGの明確なラインがあるわけではないという点です。
女性の気持ちを理解していない人ほど、セクハラを犯す傾向が高い
「セクハラというのは、相手の気持ちやその場の空気を読めない人がやりがちなこと。OK/NGの明確なラインがあるわけではなく、相手との関係によるところが大きいため、難しいんです」
大事なことは、相手との関係性です。
例えば、男性が女性を褒めたつもりでも、セクハラになってしまう事が考えられます。
大事なのは、相手との関係性に応じた接し方(例えば、上司と部下の関係だったら、仕事の内容・気遣い・フォローについて褒める)をすることだと思います。(褒め合い女子の謎?なぜ女性同士は褒め合うのか?)
ただ、今回の調査によれば、セクハラを不適切な行為だと思っている一方で、不本意ながらも我慢しているということですので、問題ですよね。
女性選手の半数を超す52%が男性指導者から「容姿に関する発言」をされたことがあると回答。96%の選手が「不適切な行為」という認識を示す一方で、28%が「受け入れられる」と答えた。また、「卑わいな発言」は46%の選手が経験。94%が「不適切」としたのに、24%が「受け入れられる」と回答した。
いずれも大半の選手が不適切な行為だと思っている一方で4分の1の選手が受容できると答えており、「不本意だが我慢する」という選手たちの思いがうかがえる。
子供の頃から、積極的にいろんな人とコミュニケーションをとるような機会を設けることで、相手との関係性に応じたコミュニケーションのとり方・コミュニケーション能力を磨いていくことで、こうしたことが減っていくのではないでしょうか。
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P.S.
女性アスリートの健康問題が起こっているのも、指導者が女性への対応の仕方を学んでいないことに関係があるのかもしれません。