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by 182nd Airlift Wing(画像:Creative Commons)
定期的なウェイトトレーニングで糖尿病発症リスクが34%も抑えられることが判明
(2012/8/8、IRORIO)
これまで、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運度は糖尿病の発症リスクを抑えるとされてきた。しかし定期的なウェイトトレーニングでも同様の結果が得られるという。
被験者は成人男性32,000人。トレーニング量を3グループに分けて調査を行った。
結果は、一週間の合計が 1~59分のグループでは12%, 60~149分では25%, 150分以上では34%が全くトレーニングしない人に比べると、2型糖尿病の発症リスクが低下した。
さらに、150分以上のウェイト・トレーニングと有酸素運動を組み合わせて実行した人は60%以上の効果がでたという。
出典元:Regularly lifting weights can reduce men’s risk of most common form of diabetes by 34% – Mail Online(8/7)
研究によれば、定期的なウエイトトレーニングが2型糖尿病の発症リスクの低下に役立つことがわかったそうです。
ポイントは、「筋肉」ですね。
運動で筋肉を鍛えることによって、インスリンの効き方が良くなり、血糖降下に結びつきます。
ためしてガッテン(NHK)5月12日 AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる
・藤井宜晴教授(首都大学東京)
筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれることがわかったそうです。
インスリンと同等くらい強力なのだそうです。
・宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー)
どんな運動でも筋肉に刺激が入るので、筋肉に刺激が入れば、好ましい結果が得られる。
血糖値を下げるグルット4活性術で糖尿病対策|たけしのみんなの家庭の医学
筋肉量が減ると、糖の保管場所が減る⇒血液に流れ込み、血糖値が上がる.
グルット4(GLUT4)は糖の保管に関わっている。
グルット4は筋肉の中にあるたんぱく質で、筋肉内に血液中の糖を取り込むという作用を持つ。
グルット4を活性化させるには、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要。
有酸素運動や筋トレといった筋肉の収縮を伴う運動をすることによって、インスリンなしで直接グルット4が活性化される。
※筋トレは短時間で効く!また、インスリンを節約することができる。
グルット4が糖を取り込み血糖値が下がる。
●筋トレの効果
1.筋肉の刺激によって直接グルット4が活性化する
2.筋肉量が増えることでグルット4も増加する
つまり、筋トレは血糖値を下げるには一石二鳥!
糖尿病の運動療法といえば、有酸素運動を想像する人も多いと思いますが、どんな運動であっても、筋肉に刺激が入り、血糖値を下げることに役立つので、まずはなんでもいいので運動をする習慣をつけるというのが大事なんですね。
なお、今回紹介した記事にもある通り、筋トレと有酸素運動を組み合わせると、更に良い効果が出るので、皆さん頑張りましょう。
→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら
→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら
【参考リンク(論文・エビデンス)】
- Grøntved A, Rimm EB, Willett WC, Andersen LB, Hu FB. A Prospective Study of Weight Training and Risk of Type 2 Diabetes in Men. Archives of internal medicine. 2012;172(17):10.1001/archinternmed.2012.3138. doi:10.1001/archinternmed.2012.3138.
P.S.
■筋トレをせずに筋肉量を維持する方法
- できるだけ食事における脂肪の量は少なめで、炭水化物・たんぱく質をバランスよく取ることが重要
鶏肉や赤身肉にはたんぱく質が豊富で、しかも脂肪が少ないためカロリーも抑えられる。 - 歩幅を広げて早く歩く
歩幅を広げることで筋肉がたくさん使われ筋肉量が維持できる。
同時に筋肉に刺激を与えるので、グルット4が活性化する - 日頃から意識して姿勢を良くする
腰や背骨を支える筋肉は姿勢を意識すれば鍛えられる。
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