by Fabio Téllez(画像:Creative Commons)
■時にはスマホから離れて読書をしよう!
(2014/9/17、WSJ)
このクラブの目的は本について語り合うことではなく、電子機器の着信音に煩わされることなく、ひたすら読書に没頭することだ。
この記事のポイントは、読書自体の効用にあるわけではなく、スマホなどのデバイスに煩わされることない時間を作るというものだと思います。
グーグルやスマホ、ソーシャルメディアの登場で、われわれの時間や集中力が途切れる傾向にあったが、スローリーディングの擁護者が目指しているのは、集中して読書をしていた過ぎ去りし日々の習慣を取り戻すことだ。
インターネット、ソーシャルメディア、スマホによって、時間や集中力がとぎれるようになったのかどうかはわかりませんが、誰かとつながり続けるという状態が普通になってきています。
ヨーロッパなどの海外の企業はバカンス中はしっかりと休んで仕事のことは忘れるというイメージがありましたが、「つながりすぎ」の弊害|バカンス中もスマホでメールチェックをしてしまっている!?によれば、バカンス中もスマホやPCでメールチェックをしてしまっているようです。
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テクノロジーに囲まれた生活をしていると、ニュースから置いてけぼりにあっているんじゃないかとか、友達といつもつながっていないと不安だとか、スキマ時間を埋めたいなどいうように思ってしまいがちです。
たまには、スマホなどのテクノロジーから離れて、自然の風景を楽しんだり、目の前にいる人とのコミュニケーションだけに集中したり、全く何も考えない時間を作るのもいいものではないでしょうか。
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■定期的に読書することの効用
スローリーディングを実践する人たちは、定期的に読書することについて集中力のアップやストレスの軽減、思考力や話を聞く力、共感力のアップといった数多くのメリットを挙げる。
<中略>
また、米科学誌サイエンスに昨年掲載された調査論文では、小説を読むことは人間関係の構築に不可欠な他者の精神状態や意見の理解に役立つことが示された。
つながっていても孤独?|つながりすぎることで失ったものとは何か?で紹介した「マリアビートル」(著:伊坂幸太郎)にはこう書かれています。
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「本を読み、内容を噛み砕く事で、語彙が増え、知識が増え、いっそう読解力が増した。本を読む事は、人の感情や抽象的な概念を言語化する力に繋がり、複雑な、客観的な思考を可能にした。」
本を読むことを通じて、他人の感情を慮ることや自分にはこんな感情があるんだということに気づき、そして、著者が経験したことから学ぶこともできます。
「機能的非識字者」が増えている!?|文字は書けても、社会構造が把握できない人たちで紹介したOECD(経済協力開発機構)のPIAAC(国際成人力調査)の結果によれば、現在、読み書きはできるけれど、ニュース記事の内容を理解できない、文章の要点を掴んだり感動することができない、図表が読み取れない、などといった「機能的非識字」が存在するそうです。
つまり、「機能的非識字」の人というのは、社会構造を解釈し、把握することができないということです。
この原因が、読書する時間が減り、スマホ(インターネット・ゲーム・SNS)と触れ合う時間が増えたことと関係あるのかどうかはわかりませんが、複雑で客観的な思考をするトレーニングとして読書は最適なものなのではないかと思います。
本来であれば、スマホでその部分を補うことができればいいのですが、スマホで読書をするということは、周りの誘惑(インターネット、SNS、ゲーム、その他のアプリ)が多いために、とても難しいことなのかもしれません。
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