■IoA(Internet of Ability)で「人間の能力」がネットワーク化される未来とは?
参考画像:ARの次は『拡張人間』 東大 暦本純一教授の世界|スクリーンショット
(2015/7/3、Sensors)
身体の拡張技術で私たちの生活はどのようにかわるのか。
疑似体験ではなく、実際の現実に影響を及ぼすので、「自分」ができたという感覚がもてることが特徴です。
ネットワーク越しに誰かが誰かを助ける共同作業などを想定するれば、初心者と熟練者の能力がネットワーク上でリンクする世界がやってきます。
今はIoTと呼ばれ人間とモノがつながる時代がきていますけど、
その次の世界、人間と人間、人間と人工知能がネットワーク上でつながる世界がくる。
それはつまり「人間の能力」がネットワーク化されることです。
私たちはそれをIoA(=Internet of Ability)と呼んでいます。
暦本純一×平野啓一郎対談「機械が進化しても、人間もテクノロジーで進化」
(2017/3/29、MIT Tech Review)
「私は人間が機械とつながり、さらに人間と人間がつながり、人間の存在・能力そのものが多様に拡張・編集される『IoA(Internet of Abilities)』がつくる未来を研究しています」
「IoT(人間と物とがつながる)」時代の次は、「IoA(人間や人工知能の能力がネットワークされて、人間の能力が拡張される)」時代になるというのが東京大学の暦本純一教授が予想する未来です。
そんな未来が本当に来るのかなと思いましたが、現実的に今の私たちは、スマホなどの携帯情報端末といったテクノロジーによって能力を拡張しています。
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そう考えると、自分の能力を熟練者の能力で補うようになるというのもおかしくない未来ですし、自分の持つ能力を他の人に使ってもらうというのもありえるのでしょう。
今はその人自身がその能力を時間を使ってビジネスを行なっていますが、未来はその能力自体を提供することがビジネスにもなるかも知れません。
そういうプラットフォームもいずれ出てくるでしょう。
私たちのこれからの未来はどうなるのか、わくわくしますね。
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【追記(2017/3/15)】
ソニーと東大が「人間拡張学」で連携–次世代を牽引する技術系人材を育成
(2017/3/13、cnet japan)
ヒューマンオーグメンテーションは、人間とテクノロジー・AIが一体化し、時間や空間の制約を超えて相互に能力を強化しあう、IoA(Internet of Abilities:能力のインターネット)という未来社会基盤の構築を視野に入れた、最先端の研究を体系化していく学問領域だという。
ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)とは、人間とテクノロジー・人工知能が一体化することで、知覚、認知、身体、存在感の4つの分野で人間の能力を強化・拡張していくことを目的とする暦本純一さんが提唱するコンセプトです。
【参考リンク】
- Human Augmentation|scrapbox
【追記(2016/1/4)】
(2006/4/7、クラウドWatch)
吉見学環長も、「過去に作ったものを保存するというのは、ひとつの結果論でしかない。それを作るまでのプロセスをアーカイブという形で蘇生させることで新たな意味が生まれてくる。企業が過去に作った製品を残すだけでは、過去を懐かしむ博物館になってしまう。しかし、それを作った技術者の知恵や工夫がどんなものであったのかといった記録を残していくことで、次の想像力を生む源泉となりえるのではないか」と作品だけでなく、製作過程をきちんと記録し、残すことが新しい製品を生む可能性があると指摘する。
職人技・伝統技術の伝承が難しいと叫ばれている昨今ですが、デジタルアーカイブとして残していくいくことで、技術者の知恵や工夫の記録が次世代の人たちにとっての創造力を生む源泉となる可能性があるそうです。
デジタルアーカイブを残していたことが活かされる時が近いのかもしれません。
P.S.
つながっていても孤独?|つながりすぎることで失ったものとは何か?で紹介した「錯覚の科学」(著:クリストファー・チャブリス ダニエル・シモンズ)にはこう書かれています。
テクノロジーのおかげで、人は能力の限界を超えることができる。だが、どんな機械にも限界がある。それを私たちが認識して、はじめて機械は役に立つ。テクノロジーの限界を誤解すると、機械のせいで私たちは周りのものに気づきにくくなってしまう。
テクノロジーの進歩によって、人間は能力の限界を超えることができる時代です。
だからこそ、人間の身体とは何か、について考えるときが来るのかもしれません。
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