【目次】
■「ABC理論」|感情・生き方は物事の捉え方によって変わる
by gerlos(画像:Creative Commons)
(2015/8/20、GLOBIS知見録)
「ABC理論」でいうABCとは、次の3つを意味します。
・A(Activating Event)=出来事
・B(Belief)=観念・解釈・思い込みといったものごとのとらえ方
・C(Consequence)=結果として表れた感情・気持ちなど
米国の臨床心理学者アルバート・エリスの「ABC理論」について紹介している記事です。
記事を簡単にまとめると、人の(結果として表れた)感情は出来事によって引き起こされるのではなく、人の感情はその出来事をどうとらえたかによって引き起こされていると考えらえるというものです。
A(出来事)→C(感情)ではなく、A(出来事)→B(観念・解釈・思い込み)→C(感情)ということです。
ところで、世界の見え方はその瞬間に話している言語の影響を受けている!?によれば、世界の見え方はその瞬間に話している言語の影響を受けているそうです。
『頭のでき』(著:リチャード・E・ニスベット)によれば、東洋人と西洋人では思考習慣に違いがあると書かれています。
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※リチャード・ニスベットと増田貴彦の研究で、アメリカ人は主役である魚に注目したのに対し、日本人はより包括的な視点から情景を説明しているという研究を発表しています。
■東洋人=包括的
- 東洋人は幅広い物事や出来事に注意を払い、物事や出来事同士の関係や類似性に関心を持つ。
- また、対立する考え方の「中庸」を探すなど、弁証法的な考え方を使って思考する。
- 東洋人は他者に注意をはらう必要があるため、外部の幅広い社会環境に目を向け、その結果として物理的環境にも意識を注ぐ。
■西洋人=分析的
- 西洋人の知覚や志向は分析的で、身の回りのうち比較的小さな部分、何らかの方法で影響を与えたいと思う物事や人に意識を集中させる。
- そして、その小さな部分の属性に注意を向け、それを分類したり、その振る舞いをモデル化しようとしたりする。
- また、形式的な論理規則を使って推論することが多い。
なぜ東洋人と西洋人とで思考習慣に違いが現れているのかは、『頭のでき』(著:リチャード・E・ニスベット)によれば、
西洋人のほうが規則、分類、論理を重視し、東洋人のほうが関係性や弁証法的推論を重視
していたからだと考えられます。
また、『「無意識」があなたの一生を決める 人生の科学』(著:デイヴィッド・ブルックス)によれば、
英語圏では、親は子供に話をする時、名詞や物事の分類を重視するが、韓国の親が重視するのは、動詞や物事の関係
なのだそうです。
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■ABC理論と名言
「人はものごとをではなく、それをどう見るかに思いわずらうのである」。
───エピクテトス(古代ギリシャ・ストア派の哲学者)
「事柄に怒ってはならぬ。事柄はわれわれがいくら怒っても意に介しない」。
───モンテーニュ(フランスの哲学者)
こちらの記事で興味深い箴言が紹介されていたので、このブログでも紹介してみたいと思います。
「ゲーテ格言集」より
自分からしたらどんなに間違ったことでも、相手の目線で物を見るとすべて正しい。
自分の正義と相手の正義が違うということを認めるということですね。
自分の好きなように世界を知るがいい。世界は常に昼の側と夜の側を持っているだろう。
物事の捉え方によって、世界は違ったように見えるということです。
■まとめ
私たちは生きていく途上で実にさまざまな出来事に遭遇していくが、それをを100%コントロールすることはできない。しかし、それをどうとらえるかは、自分の意思のもとにあり、ある程度、コントロールができる。それによって、自分の感情や気持ちを好ましいほうへもっていくことができる。その積み重なりは、長い目で見れば、自分の生き方や運命を意思的に変えていくことにつながっている――
この記事では、どう捉えるかを意志のもとでコントロールするとあるが、感情をコントロールするのではなく、そうした感情を受け入れていくことが大事なのだと思います。
そうしないと、そうした感情が起きた自分を否定することになるからです。
そういう感情が起きた自分を受け入れてあげる。
それでもしそういう感情が起きた自分を変えたいのであれば、どうやったら物事の捉え方を変えることができるのか、考えて試してみる。
まずは受け入れることが大事です。
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